ギブソンレスポールQ&A




ちょっとレスポール(以下LP)の事をかじった事のある方なら当然の様に知っている事でも
最近になって興味が沸いてきた方にとっては解らない事だらけだったりします。
調べたいけど、どこにも書いてない、掲示板で訊ねようにも恥ずかしくて聞きにくい・・・。
そんな方達の為に最近メール等で時々聞かれる事をQ&A式にまとめました。


Q:皆さんがよく言う「バースト」って何ですか?
A:この場合は58年〜60年の間に製造されたサンバーストフィニシュのLPスタンダードの事を指します。


Q:ギブソンLPの塗装はラッカーですか?
A:ヒスコレ、レギュラー共にラッカー塗装です。
特にヒスコレ99年製以降は塗膜も薄くなっています。


Q:皆さんがよく言う「レギュラーもの」や、「ヒスコレ、ヒス物」って何ですか?
A:「レギュラーもの」とはギブソンのメイン工場にて生産されている製品で、
演奏性、生産性、メンテナンス性などを考慮して仕様変更を繰り返されています。
レスポールSTD、クラシック等がそれに当たります。
それに対し「ヒスコレ」とは「ヒストリックコレクション」の事で、50年代〜60年代の
ビンテージモデルの「復刻版」の事です。
工場もギブソン本工場の隣にカスタムショップ専用工場があり、そこで生産されています。
材の選択から加工、塗料及び塗装法、組み付けに至るまで「レギュラーもの」とは全く別の基準のもとに
生産されています。


Q:ヒスコレのレスポールはいつから発売されていたの?
A:アメリカでは93年から発売されていましたが、日本国内においての正規輸入代理店物
の発売は95年の春頃からのようです。(並行ものはそれ以前から少量ながら流通)当時の
プレイヤー誌の誌面広告を見ますと95年3月号くらいまではヒスコレの陰も姿もなく、5
月号辺りから「入荷しました!」の文字が見られます。
ちなみに定価は98万円(勿論、AGEDではなくノーマルモデル。)でした。
当時の宣伝コピーを見ますと「これこそ最後の復刻モデル。これに満足できなければ本物の
59年を買うしかない!」と、当時のセンセーショナルぶりが伺えます(笑)


Q:「ディープジョイント」や「DJ」って何ですか?
A:ネックジョイントの事です。レギュラーものの場合、ネックエンド(22フレットの真下辺り?)でジョイント部
が終わっていますが、ヒスコレの場合、ビンテージものと同じようにフロントPU下までネック材が潜り込んでいます。
その為、剛性の向上、サスティーンの向上に一役かっていると言われています。


Q:ギブソンレスポールの弦の標準ゲージは?
A:レギュラーLPの場合は09〜42が、ヒスコレLPには10〜46が新品出荷時に張られています。
(02年製〜'50&'60STDはヒスコレと同じ10〜46のようです。)


Q:テールピースをアルミ製に換えるとどう変化しますか?
A:この効果につきましては個人差(個体差?)があるようです。
全く変化が感じられないと言う方から、高域が出るようになりサスティーンが増した、と言う方まで。
実際に自分で試してみないとわかりませんね(笑)


Q:皆さん、お約束のようにコンデンサーをオイルタイプに交換しますが、そんなに違いますか?
A:これもアルミテールと同じく人によって意見がまちまちです。一般的には若干音抜けが良く
なるようです。(純正のセラミックからオイルに換えた場合)
でも、それより何より純正のあの貧弱なコンデンサーから、ビンテージに使われているような形のコンデンサー
に交換(全く同じ物に換えれば特に)する事により見た目にも精神的にも気分が良くなります。
常にキャビ内部が見れるようにプレートを外したままにしたり、ニヤニヤしながらキャビ内部を眺める
ようになったら重症です(爆)


Q:金属パーツの曇りが気になります、どうすれば良いのでしょうか?
A:微量のコンパウンドを含む艶出し保護材などで磨くと良いです、「ピカール」とか。
しかし、カスタム等のゴールドメッキは剥がれてしまうので注意が必要です。
一番良いのは弾いた後にはしっかりと汗や汚れを拭き取りましょう。
でも、自然に曇っていくのも味が出てきて良いと思うのですが(笑)





Q:ハカランダって何?
A:別名ブラジリアンローズの事で、レスポールではビンテージ物の指板に使われています。
リイシュー物(68年以降)にはインディアンローズ材が使用されています。
ハカランダはインディアンローズに比べ、材の密度が高く、硬度が高い為、音質にも好影響を
与えると言われています。
しかし、近年(01年の途中から?)のヒスコレ物には「マダガスカルローズ」と言う材が使用さ
れ始めており、これは見た目や特性もハカランダに酷似したもので、「ニューハカランダ系」とも言われています。
(ただしマダガスカルローズにも様々な色、木目のバリエーションがあり、全てが似ているとは言い切れませんが・・・。)


Q:ヒスコレLPの58、59、60モデルってどこが違うの?
A:製造年代によって仕様に違いが有りますが、簡単に言うと58と59とではトップ材のグレードが違います。
59にはAAAクラス以上のトラ杢メイプル材が使用されていますが、58にはAAクラスのややマイルドな杢
のメイプルが使われています。しかし、本物のビンテージレスポールにはトラ杢がはっきりと浮き出た個体
は稀で、かえって58モデルの方が「リアルだ!」と言う方も多いです。
その他、PUがバーストバッカー(58)と57クラシック(59)だったりもします。
60モデルは基本的に59と同じなのですが、ネックが細身になっています。
(2002年製から59モデルのPUも「バーストバッカー」になりました。)

Q:ヒスコレの「削り出しピックガード」って何?
A:1枚のプラ板から文字通り、削り出して(切り出して)あの形を作り出しています。
それに対しレギュラー物ではプラスチック成型段階であの形になっています、
その為、エッジには成型品特有のパーティングライン(つなぎ目)があります。


Q:ヒスコレレスポールのシリアルナンバーの見方が分りません。(「9 101●6」の場合)
A:ヒスコレLPのシリアルは一番左の数字がそのギターが何年製の復刻モデルかを
表しています。つまり、上記の場合は「9」ですから「59年モデル」と言う意味です。
その隣の数字は何年製かを表します。上記の場合「1」ですから「2001年製」と
いうことになります。残りの4桁「01●6」は通しナンバーで、1●6本目に作られたLPモデル
と言う意味です。
ちなみにこの通し番号は各年代モデルごとに設定されています。つまり上記の場合は
59・レスポール・モデルの中の1●6本目という事です。


Q:「コンバーもの」って何?
A:一言で言うと「改造もの」です。でも一般的にはゴールドトップ、シングルPUのP90搭載
のレスポールからハムバッカーに載せ換えたり、サンバースト塗装にリフィニッシュしたりして
57〜60スタイルにしたものの事を指す事が多いです。


Q:中古でヒスコレレスポール(59)を探そうと思います、何年製が良いの?
A:これには人によって考え方が異なります。
93〜94年の頃の方が造りが丁寧で、トップアーチがハッキリしていて、トムマーフィーが携わっていた可能性
が高いなどの理由でこの頃を薦める方。
95〜98のトップのトラ杢が鮮やかに浮き出たメイプルが使用されていて見た目にも豪華なモデル
が多いと言うことでこの頃を薦める方。
99〜00の各形状、仕様が過去のモデルに比べ、よりビンテージに近づいていてトップ材もハデさはないが
リアルなトップが多く、軽い個体が多いとの理由で薦める方。
01〜、テールピースが純正でアルミだったり、ドットポジがべっ甲だったり、指板にマダガスカルローズが
使用されていたりでより近づいた(?)と言う事で薦める方。
などそれぞれです。
結局はご自分が気に入ったレスポールが一番なのではないでしょうか?(笑)

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