ニコン スピードライト SB-600
「撮影:とんかつサンド」

外付けスピードライトによる室内撮影時のメリットについてはSB-800のページにて紹介済みですが、
今回はそのSB-800の弟分であるSB-600について紹介したいと思います。
SB-800は、現行のニコン・スピードライト商品ラインナップの中ではトップにあたるモデルであり、機能
的にも至れり尽くせりの高機能タイプ。しかし販売価格が(実勢価格で)4万6千円前後もする。それ
に対してSB-600はSB-800に比べていくつかの機能制限はあるが、それよりも1万7千円ほど安い2
万9千円程度で買える。1万7千円といえば、回転寿司なら170皿も食べる事ができるので、この差
は大きいですよね(爆)
はたして普通に使用(?)する場合にはSB-600ってどうなんでしょうか?
まず気になるのがフラッシュの絶対的パワーを意味するガイドナンバーの違い。SB-800は最大で56
なのに対し、SB-600では40となっています。この差を実際のフラッシュ光が届く距離で比較すると
下記の表のようになります。
フラッシュ光の到達距離(絞り値=5.6とした場合)
ISO感度 | SB-600 (GN=40) | SB-800 (GN=56) |
100 | 7.14m | 10m |
200 | 10.1m | 14.14m |
400 | 14.29m | 20m |
800 | 20.2m | 28.28m |
どうでしょうか?さすがにISO100の7.14mは心細いかもしれませんが、ISO400まで感度を上げれば
14.29mも届きますし、最近のニコンからリリースされている一眼レフモデル(D80,D40,D40x)などはIS
O800も常用できますから20.2mまでは問題なくカバーできそうです。
(特にD40ではISO1600でもいけますから、それ
以上もOK)
こうして比べますと、ガイドナンバーの差はそれほど気にすることでもないような気もしてきました(笑)
次に僕が気になったのが、SB-600ではバウンスアダプターとキャッチライト反射板を装備していないこと。
そこで実際にそれぞれのバウンス撮影を比較してみました。
(カメラは全てD40、レンズはキットレンズのAF-S 18-55mmを使用)

↑SB-600によるフルオート天井バウンス撮影です。当然ながらバウンスアダプターやキャッチライト反射
板は使用していません。まるで室内光で撮影をしたかのような自然な写りをしていますが、人形のアゴの
下と股間の下の影に注目してください。
天井バウンスの場合、ストロボ光が天井から下方向へ照射されるので、どうしても出っ張っている部位の
下には影ができやすくなります。

↑次にSB-800に標準装備のキャッチライト反射板を立てた写真。人形のアゴにあった影が消えている
のがわかります
でしょうか?これは天井からの照射に加えてキャッチライト反射板により、正面からもフ
ラッシュ光が適度に照射さ
れることで、まるでレフ板を使用したかのような効果が出ます。

↑最後はSB-800にバウンスアダプターを装着してみました。
キャッチライト反射板を使用した場合よりも更に正面からのフラッシュ光が強く照射されています。
被写体までの距離にもよりますが、八畳間程度までの室内で使用した場合、バウンス撮影っぽさが低減
し、どちらかというとフラッシュ直射のスローシンクロっぽい雰囲気になります。
こうして比較してみますと、キャッチライト反射板を使用した時がもっともバランスが良いのかな?という
気がします。(あくまでも今回の撮影条件の場合ですが)
尚、SB-600にてキャッチライト反射板と同じ効果を出したい場合は、白いプラ板を5cm、10cm程度に切っ
たものをゴムバンドなどでスピードライト本体にセットすればOKです。
となると、これらの有無もそれほど気にする必要も無いってことに??

↑SB-800に付属のバウンスアダプター。

↑SB-800に装備されているキャッチライト反射板。
とまあ、ここまでの経過をみてみますと、よほどマニアックな撮影方法でもしない限りはSB-600でも十分な
のかな〜〜?という気もします。
とりあえずは難しいことは考えずに、フルオートモードで発光させておけば十分満足な結果は得られると感
じました。
最後はちょっと特殊な使い方になるのですが、スピードライトを複数同時に使用する「増灯撮影」です。
ここで一点注意したいことがあるのですが、SB-600には他のスピードライトをワイヤレスで制御する
コマンダー機能がありません。しかし、カメラがD200、D80、D70sのいずれかであれば、内蔵フラッシュ
をコマンダーとして使用できます。例えば上記機種のいずれかを使っている場合は、SB-600が1台あれ
ばカメラ内蔵のフラッシュと組み合わせて、SB-600をカメラ本体から切り離して自由な位置から照射さ
せることができます。ところがそれ以外の機種で、たとえばカメラはD40を使用してSB-600を本体から切
り離してワイヤレス制御させたい場合は、SB-800かSU-800のどちらかが最低限必要になります。

↑D40にSB-800をセットしてSB-600をワイヤレス制御してみました。写真は極端な使用例ですが、自由
なアングルからフラッシュを照射させることが可能となります。

↑左:SB-800 右:SB-600

↑左:SB-800 右:SB-600

↑バッテリー室のフタはSB-800よりも開閉がしやすくなっているように思います。

付属品はソフトケースとスタンドのみです。
(記:2007年6月6日)
SB-800に関するレポートはこちらです。
カメラ関係トップへ
トップへ