USB D/Aコンバーター ラックスマン DA-200

USB D/A CONVERTER LUXMAN DA-200




(注:下記のレビューはあくまでも私が個人的に感じたものであり、その感じ方には個人差があることをご理解願います。
   また、個人による感じ方以外に音源の質や接続機器等、再生環境によっても大きな差が生じる点もご理解願います。)

(撮影:とんかつサンド/しまじろう)  (2011年8月5日 内容更新)


【今、PCオーディオとヘッドホンオーディオが熱い?】
ここ数年、iPodなどのポータブルミュージックプレーヤーの普及によって、イヤホンやヘッドホンを使ってオーディオ鑑賞を楽しむ人たちが増
加しているのだという。
また、これらのポータブルミュージックプレーヤーはパソコンを使用して曲のデータを管理・転送するシステムになっているものが多い関係
上、自宅などでネットなどパソコンを使用する際には、パソコンをプレーヤー代わりにしてオーディオ鑑賞する場合も多い。
しかしこの場合、パソコンに内蔵されているオーディオ用の回路やスピーカー等は品質的に音楽鑑賞に最適なものとは言い難く、音質的
には良い結果は得られない。
そこで、本来はオーディオ用には設計されていないPCの内部にオーディオ用に特化したサウンドカードを増設させたり、PC本体をトランス
ポート(プレーヤー)代わりとして曲のデジタル信号だけを取り出し、オーディオ用に特化した外部機器によってオーディオ鑑賞をする。
これが、最近密かに(?)注目されている「PCオーディオ」と呼ばれるものだ。

また、近年の日本の住宅事情や近隣関係の複雑化などによって、一昔前のようにスピーカーから大きな音を出してオーディオを愉しむ事
が困難になってきている。
これらの事情や、先にも書いたポータブルミュージックプレーヤーの普及などもあり、ヘッドホンアンプにイヤホンやヘッドホンを接続させて
オーディオを楽しむ人が徐々に増加しているようだ。(このジャンルのことを、僕は勝手にヘッドホンオーディオと呼んでいる)
このPCオーディオとヘッドホンユーザーの増加により、ここ1〜2年の間に、PCと簡単に接続させることが出来るヘッドホンアンプのラインナ
ップが急激に増えている。

今現在、僕の自作PCにはサウンドブラスターのTitanium HDというピュアオーディオ用のサウンドカードがセットされているのだが、このカー
ドには優秀なヘッドホンアンプが内蔵されていることもあり、高品位なヘッドホンと接続して高品位な音源を再生させることで十分に満足の
いく音楽を堪能することができている。

しかし、PCオーディオとしては主にUSBを使用(システムによってはコアキシャルやオプティカルなど)して外部DAC(デジタル/アナログ・コン
バーター)に接続し、そこからアンプに繋げていくか、あるいはDACを内蔵したアンプに接続させるシステムの方が一般的であり、様々な面
で有利であることは確か。
尚、このアンプ部にヘッドホンアンプを採用したものを「USB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ」とか、あるいは一言で「複合機」などとも呼ぶ。
また、これらの中にはヘッドホン出力の他にアナログ音声出力端子を装備しているものも多く、外部アンプに接続させて更なるシステムアッ
プを図ることも可能だ。
そこで、今回は外付けDACによるヘッドホンオーディオ鑑賞システムを構築してみることにした。


【後悔しないためのUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプを求めて】
このUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプには多くの製品が存在し、価格も1万円台のものから数十万円までと実に幅広い。
2011年6月現在において、3万円台までの中ではAUDINSTというメーカーの「HUD-mx1」と、FOSTEXというメーカーの「HP-A3」などが概ね好
評だ。
理由は、2〜3万円台という価格でありながら、大変優れた機能と音質を備えているからだ。

当初、僕もこのあたりのライン(3〜5万円台)の中から選ぶつもりであったのだが、徹底的なリサーチを行った結果、大幅な予算オーバーと
なる販売価格でありながら、ある一つの製品が僕の心をわし掴みにした。
それが、今回僕が購入したラックスマンのUSB D/Aコンバーター、DA-200 (定価:155,400円(税込))だ。

もしかすると、読者の中には「え?これってヘッドホンアンプじゃなくて、USB-DACじゃね?」と思われる方もいるかもしれない。
ところがこのDA-200、ラックスマンにとって初のUSB-DAC機ということもあり、相当気合の入った、単なるUSB-DACだけに留まらない凄いヤ
ツなのだ。

(注:ここから下に書いてあるDA-200の内部構成に関する説明内容は、ラックスマンの公式サイトや開発者インタビュー映像による情報の他、
実際に僕が直接ラックスマン社に電話による問い合わせたり、内部パーツの品番やブロック図等から得た情報をまとめたものとなっています。)

まず、内部に使用されているパーツ類は基本的に国産パーツが採用されており、中でもコンデンサー類についてはコンデンサーメーカー(東信
工業)にラインナップされている既製品をそのまま使用せずに、一つ一つに対してラックスマンと共同開発された専用品が使用されている。

デジタル入力について、USB入力にはテノールのUSBコントローラーチップ(TE7022L)を採用し、32kHz〜96kHzまでの入力に対応する。
そしてSPDIF入力には旭化成のAK4114を採用し、32kHz〜192kHzまでの入力に対応している。
入力された信号はバーブラウン社製のサンプルレートコンバーター(SRC4190)によってジッターを吸収する仕組みとなっている。

また、このDA-200の心臓部とも言えるDAC回路には、同社のD-05というハイエンドSACDプレーヤー(定価:315,000円(税込))に内蔵されている
D/Aコンバーター+アナログアンプ回路がそのまま積まれており、実際にD-05内部のDAC+アナログアンプ回路部分の画像と比較すると、まるっ
きり同じ配列になっているのが興味深い。
ちなみにDACチップには音質面で定評のあるバーブラウン社のPCM1792Aが採用されており、このDACチップから後ろは完全なバランス回路構
成となり、そのままアナログ(バランス)出力される。
シングルチップによるPCM1792Aからステレオモードによってバランス出力された信号はI/V変換アンプ(JRC5532DD)で受けた後、その出力をた
すきがけにしてローパスフィルタ(JRC5532DD)を通り、リアパネルのアナログ出力(バランス)端子と内部のプリアンプ回路へ流れる経路に分岐
される構造だ。

つまりこれらの点から見ても、USB-DAC機としては優れた機種であろうことは想像に難しくない。
そりゃそーだ、だって製品名も「USB D/Aコンバーター DA-200」と、D/Aコンバーター(DAC)機であることを名乗っているのだから、、、。
しかし、問題なのはこの後だ。

このDA-200にはプリアンプとヘッドホンアンプも内蔵されているのだが、この内のプリアンプには同社のプリメインアンプであるL-590AX(定価:
556,500円(税込))に採用されているプリアンプと同じ回路構成&部品が採用されている。
このプリ回路にはオペアンプが使われて(JRC5532DD)おり、上記のDAC+アナログアンプを通過した信号が入力される構造になっている。
このプリ回路を通過した信号は、リアパネルのアナログ(アンバランス)出力端子と、同じ基板上の隣り合わせにあるヘッドホンアンプのドライバ
ーアンプとに分岐する。
ちなみに、L-590AXと同じ回路構成&部品のプリアンプを搭載したと上にも書いた。(インタビューの中で、開発部部長の長妻氏が発言している。)
ということは、定価で50万円以上もするL-590AXのプリアンプはディスクリート回路ではなくてオペアンプによる回路構造を採用しているのだろう
か?ちょっと謎だ(苦笑)
(本件について、後日ラックスマンに確認をとったところ、L590AXのプリアンプもオペアンプによる回路構成であり、DA-200のものと全く同じである
との回答を得ました。)

そしてヘッドホンアンプには、ディスクリート構造ではなくオペアンプ構造ではあるものの、同社のハイエンドヘッドホンアンプであるP-1uと同じグ
レードのパーツを使用し、先のプリアンプと合わせてバッファ段と出力段の2段アンプ構造を採用した、決して"おまけ程度"ではない、本格的な
仕様のヘッドホンアンプとなっている。

複合機というと、DAC部もヘッドホンアンプ部も中途半端な設計&品質のもであるというイメージを抱いている方も多いと思う。
しかしこのDA-200に関しては、とても優秀なDACと、そこそこ優秀なヘッドホンアンプが同じケース内で接続されていると考えた方が正しいのだ。
仮に本機のヘッドホンアンプ出力の音が気に入らない場合、アナログ出力端子を利用してお好みの単体アナログヘッドホンアンプを接続すれ
ば完璧だろう。

本機の入出力としてはデジタル入力にUSB、光、コアキシャル(同軸)、デジタル出力に光、コアキシャル(同軸)を装備し、アナログ入力、アナ
ログ出力の各端子を装備している。
つまりこのDA-200はD/Aコンバーターとしてだけではなく、D/Dコンバーター、ヘッドホンアンプ、プリアンプといった1台4役を高い次元でこなす
凄いヤツなのだ。

事実、このDA-200はかなり売れている様子で、昨年の11月に発売されて半年以上が経過しているのにも関わらず、いまだにメーカーの生産
が需要に追いついていない状況だ。
ちなみに2011年6月4日現在において、DA-200を在庫しているショップは皆無に等しく、今からメーカー発注をしても、入荷は7月以降になるの
だそうだ。
僕の場合、たまたま某オーディオショップのブログを覗いていたところ、偶然にDA-200の在庫があるのを見つけ(しかも安い)、これは今の内
に手に入れておかなければ!という思いで、予定外ではあったのだが急遽ポチってしまった(苦笑)





【箱を開けてみる】
梱包箱は家電製品のブルーレイ・レコーダーの外箱と同じくらい(?)の大きさがあり、重さも6kg近くある為、店頭販売による持ち帰り購入の
場合は運搬時にクルマを利用した方が無難だろう。

外箱を開けてみると、中にはDA-200本体と電源ケーブル(JPA-10000)、マニュアルなどが収められている。
この電源ケーブルについても単なる付属品のケーブルというものではなく、音質面に配慮された材質や構造になっており、このケーブル単品
でも5,250円という価格が設定されている。

DA-200本体の色にはブラスターホワイトと呼ばれるカラーが設定されており、カタログ写真でも白っぽく見えるが、実際にはどうみてもシルバ
ーだ。
本体外寸は364mm(幅)×81mm(高さ)×279mm(奥行き)で重さは5.1kgとなっており、本体の大きさの割りに手に持った感じはズッシリとして
いる。

取り扱い説明書は無駄に豪華な作りになっており、まるで結婚披露宴時に配られる席次表みたいなデザイン&紙質の冊子になっている。
それでいて肝心な説明書の内容はかなりのエスパーレベルで、PCとの接続設定に関する説明は殆ど記述されていない。
このDA-200をWindowsによるPCオーディオ用途で使う方の多くは、foobar2000のようなソフトによってWindowsのカーネルミキサーをバイパスさ
せて使う方が多いと思われるが、当然ながらそれらに関する記述は一切無い。
それだけでなく、普通に使う場合(?)においてもOSによる設定方法に関する記述がないため、PCにあまり詳しくない方が純粋にこの説明書だ
けを見ても、おそらく音が出なくて困ることになるだろう。
カタログ等には「ドライバー・ソフトウェア等のインストールを必要とせず、すぐに使い始められます。」と書いてあるが、実際にはコントロールパネ
ル内にあるサウンドデバイスの設定で、本機を有効指定してやる作業が必要になる。



↑DA-200が収められているダンボール箱は結構な大きさと、若干の重みがある。



↑DA-200本体と付属品一式。
 接続に必要な各種ケーブル類は一切付属せず、電源ケーブルだけが付属する。



↑アナログ系の入出力端子。
 バランス出力に対応するのはデジタル入力時のみで、アナログ入力はアンバランスとなる。



↑デジタル系の入出力端子。
 USBから入力された信号を同軸端子や光端子から出力させることで、USB入力端子を装備していないオーディオ機器
 でもPCオーディオシステムが構築可能となるなど、D/Dコンバーターの役割も果たす。
 尚、デジタルによる3種類とアナログ2系統の入力はフロントパネルのセレクターによって切り替えができる。


【本体内部を見てみる】
次に本体内部を見てみよう。
本体カバーを取り外すには、両サイドにある計4箇所の6角穴付きボルトを緩める必要があるのだが、プラス/マイナスねじや6角ナット形状では
ないため、2.5mm6角レンチが必要になる。


↑DA-200の内部。(画像をクリックすると、もう少し大きな画像が見られます。 :約1.51MB)
 


↑高音質なことで評判のD/Aコンバーターチップ、バーブラウン社のPCM1792A。
 

内部は実に整然としており、各種ケーブル類もきれいに結束されている。
アナログヘッドホンアンプとしてみた場合、参考画像:1の右端に位置する黄色い四角枠の内、上半分がアナログ入出力スイッチ回路で、下半
分がプリ&ヘッドホン出力回路となっている。
その他では、白枠がデジタル入出力回路、青枠がデジタル/アナログ変換回路で、青枠の上部に2階建て構造となって重なっているピンク色の
枠はアナログ出力回路(LPF)の一部だ。


↑(参考画像:1)白枠がデジタル入出力、青枠がD/Aコンバーター+アナログアンプ回路、ピンク枠はアナログ出力回路の一部。
 黄枠は上半分がアナログ入出力スイッチ回路で、下半分がプリ&ヘッドホンアンプ回路となっている。


つまり、デジタル入力された音源がヘッドホン出力される場合、白枠から入った信号は青枠の下から上に登っていく過程でアナログ信号に変換
され、青枠上部から隣の黄色枠の上部にあるアナログスイッチ回路を経て黄色枠下半分のヘッドホン出力基板に流れていく。
ヘッドホンアンプの出力基板を更に詳しく見ると、フロントパネルを手前に見て右側半分がプリアンプ(初期アンプ)と左半分がドライバーアンプ
(出力アンプ)に別れており、初期アンプのオペアンプにはJRC5532DDが、ドライバーアンプのオペアンプにはJRC4580DDが使用されている。



↑ヘッドホンアンプ出力回路。
 奥側半分がプリアンプ(アナログ出力兼用)で、手前側の半分がドライバーアンプとなっており、2段構成のヘッドホンアンプとして
 動作する回路構成となっている。
 

【いよいよ緊張の音出しレビュー】
それでは実際にDA-200の音を聴いてみることにしよう。
今回はパソコンとUSBケーブルによって接続させるPCオーディオ環境と、CDプレーヤー(SACD対応)とコアキシャル(同軸)ケーブル&オプティ
カルケーブル接続によるピュアオーディオ環境(?)の2種類を試してみた。
ちなみに、このレビューを執筆している時点において、DA-200は既に30時間以上のバーンインを実施している。

先ずはPCオーディオ環境から。
自作PCのOSはWindows 7 (32bit)で、CPUにはCore i7の860を、マザーボードにはギガバイトのGA-P55-UD3を使用している。
そのマザーボード上のUSB端子とDA-200を一般的なUSBケーブル(オーディオグレードではない)で接続。
再生ソフトウェアにはfoobar2000を使用し、WASAPI排他モードに設定してWindowsのカーネルミキサーはバイパスさせている。
再生ファイルは、オスカー・ピーターソンやビル・エバンスなどのジャズを中心に、様々なジャンルのFlacファイルを再生。
(16bit 44.1kHz〜24bit 96kHzを使用)
使用するヘッドホンはゼンハイザーのHD800を中心に色々と試してみた。


↑DA-200とゼンハイザーのHD800。 (HD-800のレビューは→こちら
 

聴き始めてすぐに気が付くのは、これまでに僕がヘッドホンリスニングでは経験したことの無い、圧倒的とも言える広いレンジ感に驚かされる。
基本的にはフラットな周波数特性であるはずのHD800が実に元気良く、活き活きとドライブして音を発している。
超低域から超高域までの全域にわたり、まるで絹ごしされたかの様な、きめ細かく雑味の無い音が耳から優しく浸み込むように入り込んでくる。
音の傾向としては、艶やかで繊細な高域を実現していながら、それでいて中低域もしっかりと音の土台を支えるに十分な量を発している。
HD800との組み合わせにおいても、中低域に対して不足感や軽さ、薄さといった印象は一切感じられない。
実に濃密で重厚、そして繊細で艶やかな、いかにもハイエンドな音を堪能することができる。

実を言うと、Titanium HDがかなりしっかりとした剛性感のある中低域を発生させるので、果たしてDA-200ではどうなのだろうか?という不安感が
あったのだが、実際にはTitanium HDが裸足で逃げ出すほどの実力を持っていた。
電源初投入時直後は若干尖り気味であった高域も、数時間の音出しによってすぐに馴染み、優しい出音になった。

ちなみにオンボードサウンド、オーディオ用サウンドカード(Titanium HD)、DA-200の音質の差を強引に映像レベルで例えると、オンボードのイ
ヤホン端子にヘッドホンを直結した環境がYoutubeの240p画質で、Titanium HDにヘッドホンを接続した状態が高品位なプレーヤーとモニター
によるDVD画質となり、USB→DA-200→ヘッドホン環境はブルーレイ&ハイビジョンモニター画質といった印象。
初めてブルーレイ画質を体験した直後にもう一度DVDを見直してみると、「あれ?DVDってこんなにボケボケで緩い画質だった?」と驚かされる
のだが、今回のDA-200とTitanium HDの間にも同じ現象が起きた。
しばらくDA-200の音を聴いた後にTitanium HDに切り替えたところ、まるでどこかの設定を誤ったかと錯覚するくらい、出音に違和感が生じるの
だ。
つい、数日前まで何の不満も無い音質であったはずなのに、、、、。

それともう一つ気が付いたことは、HD800とそれ以外のヘッドホンとの音質差が更に広がったということ。
つまり、今までの環境下ではHD800の持つポテンシャルをフルに発揮しきれていなかった可能性が高い。
それこそ、「水を得た魚」とは正にこの事だ。

また、このDA-200のフロントパネルには7セグメントLED表示パネルが装備されているのだが、これが意外と便利なのだ。
このパネルにはデジタル入力信号のサンプリング周波数がリアルタイムで表示されるのだが、PCとのデジタル接続時においてPC側の設定に何
らかの誤りがあった場合、実際は96kHzの曲データを再生させているはずが44.1kHzなどでPCから出力されてしまうといったケースが多々ある。
このような場合はLEDパネルの表示値によって即座に気が付くことができる。
また、WASAPI排他モードが確実に機能しているか否かについても、一目で確認ができるのでとても便利だ。
このような表示パネルが無い機種の場合、96kHzの曲データを44.1kHzで出力されていたとしても気が付くことができず、「あ〜、、、やっぱり96kH
zの音は44.1kHzとは次元が違うな!(キリッ!)」といった、間抜けな事態を避けることが出来るのだ(苦笑)

  
↑LED表示パネルは、デジタル信号の出力状態確認にとても便利。
 

次にUSBケーブルをオーディオグレード品に換えてみた。
使用したのはフルテックのFormula 2(1.2m)というもの。(メーカー希望税込み価格:4,988円)
で、実際の効果はというと、、、。
う〜〜〜ん、、、。
正直に言うと、やはりプラシーボレベルでしょうかね。
若干、レンジ感が増加したようにも感じられるが、価格相応の変化は感じられない。
まあ、「使わないよりは使っておいた方が良い、おまじない的レベル」と考えておいた方が無難かも(苦笑)


↑オーディオグレードのUSBケーブル、フルテックのFormula 2。
 

続いてCDプレーヤー(パイオニア:DV-600A、SACD対応)とデジタル接続した場合を検証してみるが、僕が使っているような安物のプレーヤー
の場合、明らかにPCからのUSB接続の方が高音質であった。
同じCDプレーヤーによる再生でも、同軸ケーブル接続と光ケーブル接続との比較では、同軸ケーブル接続の方が若干、レンジ感の広さや音の
分離感に優れた。
また、SACDを再生(SACDとの接続は、仕様によりアナログ接続となる)してみたが、やはりPC再生&USB接続による16bit 44.1kHzのFLAC音源
の方が良い音に感じられた。
しかし、これがハイエンドタイプのCDプレーヤーならば、また違う結果になっていたかもしれない。



↑CD(SACD)プレーヤーとして使用したパイオニア:DV-600A。
 

【最後に、、、】
一切の試聴もせずに、半ば衝動買い状態で購入をしたDA-200であるが、やはりこのクラスのUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ(ラックスマン的に
は本機に対してヘッドホンアンプの称号を与えてはいないが、、。)は世界が違っていた。
ラックスマンの名に恥じないハイエンドな世界がそこにはしっかりと存在していた。
僕が今まで「良い音」と思っていたものは一体何だったのか?
ふと、そんな事を深く考えさせられるほど強烈な衝撃を受けた。
特にゼンハイザーのヘッドホンであるHD800との相性がバッチリで、まるでHD800を試聴ヘッドホンに設定して開発したのではないか?と思ってし
まうほど、僕にとってはベストなサウンド設定になっていた。

それにしても、上の方でも内部パーツの構成について説明しているが、これだけの贅沢な構成で、しかもラックスマンというブランドの製品なのに
実売価格で12万円台というのは相当なバーゲンプライスなのではないだろうか?
今のところはDA-200の音を聴く度に感動の連続で一切の不満など無いが、やっぱりこの流れでいくとすぐにP-1uが欲しくなるのかなぁ〜(苦笑)
(記:2011年6月5日)


【↓2011年6月11日追加情報↓】 <PCとの光接続とサンプリングレートについて>

上記のレビューでは、PCとDA-200をUSBケーブルで接続させている。
この場合、DA-200のUSB入力の仕様により出力できるサンプリングレートは24bit-96kHzまでとなる。
しかし、コアキシャル(同軸)接続か、オプティカル(光)接続の場合は24bit-192kHzまでの出力に対応する。
ということで、今回は光接続を試してみた。

はじめは何の疑いも持たずにサウンドカード(SoundBlaster X-Fi TitaniumHD)の光出力に接続した。
すると、サウンドデバイスの設定項目には96kHzまでしか選択項目が表示されず、192kHzが表示されない。
これはおかしい思い、よく調べてみると、Titanium HDのデジタル出力は仕様上96kHzが上限であることが判った。

そこでマザーボード(ギガバイトGA-P55-UD3)に装備されているデジタル音声出力(光・同軸)の仕様を確認すると、こちらはしっかりと192kHzまで
対応していることが判ったので、マザーボード側の光出力端子に接続し、サウンドデバイスもマザーボード側(Realtec HD Audio)を選択すると、サ
ンプリングレートにはしっかりと24bit-192kHzまでが選択できるようになっていた。


↑光接続時(同軸接続も)には192kHzの音声データにも対応できるようになる。


早速24bit-192kHzの音源を再生させてみると、DA-200のLED表示パネルにはしっかりと「192KHz」と表示され、間違いなく192kHzとして出力されて
いることが確認できた。
で、肝心の音質についてであるが、16bit-44.1kHzと24bit-96kHzの違いは明らかに判るものの、24bit-96kHzと24bit-192kHzの差についてはかなり
微妙。
神経の全てを音だけに集中し、瞬時に切り替えて何とかレンジの広がりが感じられるか?というレベルだと思う。
音質の向上というよりもむしろ、レコーディングやマスタリングの過程で発生していると思われるヒスノイズ(再生ファイルは70年代のテープレコーデ
ィング時代の音源のため)のようなものが目立つようになった。
最新機材によるレコーディング音源ならばもっと違いが判るのかもしれないが、そもそも現時点では192kHzに対応した音源ファイルも少ない事か
ら考えても、とりあえずは上限が96kHzまででも十分だと僕は感じた。
(追記:オンキョーのサイトから最新のレコーディングによるジャズやクラシックの96kHz版と192kHz版をダウンロードして聴き比べてみたが、やは
り僕には違いが判別できなかった。また、今回の音源に関しては特に192kHz版にヒスノイズっぽいものが目立つということも無かった。)

また、44.1kHz〜96kHzまでの音源に関しても、USB接続時と光接続時とではあまり違いが判らない(あくまでも、僕のダメ耳では)。

以上の結果から、USBによるデータ出力しかできない環境の方が、192kHzまでのデジタル出力に対応させたいがために無理に光&同軸出力のた
めに何らかの機材を買い足したり、或いはDA-200のUSB入力が192kHzに非対応という理由だけでこのDA-200を選択肢から外すといったことはち
ょっと勿体無いと僕は思う。


【↓2011年6月18日追加情報↓】 <保証書の登録について>

ラックスマンの製品は、付属している登録ハガキによって保証登録を行う必要がある。
登録ハガキに購入店印が押されている状態のまま、ユーザーがハガキを保管していても保証書としては機能しない。
そればかりではなく、購入日から1ヶ月以内に投函しないと、保証登録が出来なくなる場合もあるので忘れずに登録をしておこう。
投函から2週間ほど経過した後、ラックスマンから「CLUB LUXMAN カード」が届けられる。
つまり、このカードが保証書となるわけだ。


↑登録ハガキを投函後、ラックスマンから送られる「クラブ・ラックスマン・カード」。
 これが正式な保証書となる。


【↓2011年7月15日追加情報↓】<フェーズテックのヘッドホンアンプEPA-007を繋げてみた>
アナログヘッドホンアンプのP-1uが欠品中で入手困難なため、フェーズテックのアナログヘッドホンアンプ、EPA-007を試してみた。
EPA-007のレビューは→こちら


【↓2011年7月22日追加情報↓】<ラックスマンのヘッドホンアンプP-1uを入手した>
結局、ラックスマンのアナログヘッドホンアンプであるP-1uを入手した。
DA-200に接続させたP-1uのレビューは→こちら


↑もはや行き着くところまで行ってしまった感のある、変態さん向けセット(苦笑)
 

【↓2011年8月5日追加情報↓】<DA-200はPCゲーム用として使えるのか?>
PCのマザーボード上に直接増設させるサウンドブラスターなどのサウンドカードの場合、それ自体がPCゲームでの使用を前提にしていることもあり
勿論、使用上において何ら問題は無い。
では、このDA-200の場合はどうなのであろうか?
USBケーブルによって外付け接続させていることで、何らかのラグがあるのではないのだろうか?
このような疑問を抱えている方も少なからず存在するのではないかと思う。(事実、僕がその一人であったのだが。)
しかし結論から言ってしまうと、僕のPC環境下ではゲーム用途でも全く問題は無い。
一瞬の判断遅れや発音ラグが一命を左右するFPSゲームにおいても一切のラグは感じられない。
(Alliance of Valiant Armsや Call of Duty: Black Opsの場合。)
ということで、上記のような不安を抱いている方は安心してほしい。


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