マーチン000Mについて









↑何故かハードケースはヒスコレと同じメーカー製です。


↑木目は自然なマホ柄です。


↑型番、シリアルNOはネック下端部に刻印されます。


↑ピックガードはべっ甲柄で僕好みです。


↑シャーラー型(ゴトー製?)のペグが付いてます、ホントはクルーソン型が好みなのですが。


↑付属品です、他に6角レンチとエンドピンが付いてます。



僕が生まれて初めて買ったギターが中学生の頃に一万円で買った無メーカー 
のフォークギターでした。その1年後にエレキの世界に入り、そこからは今日まで
エレキ三昧の日々が続くのですが、最近のアコギブームと、我が師匠のクラプトン氏
が最近のライブでは3分の1くらいをアコギで演奏しているのを見てきて僕も
「そろそろアコギが1本は欲しいな・・・。」と感じてきた次第でございます。

ここで簡単にアコギについて解説したいと思います(知ってる方は飛ばしてね!)

最近の流行りで分けると大まかにアコギ(クラシック系は除く)は2つのボディに分かれます。
(ほんとに大まかですよ)

ドレッドノート・スタイル

いわゆるフォークギター、マーチンといったらこれ!といっても良いくらいの定番型。
国産メーカーでは「ウエスタン・ボディ」と表現しているようです。
音的には低音、高音共に豊かで、音量もそれなりにある為、一番バランスが良い
とされています。ギブソンのハミングバード等もこれにあたります。

オーディトリアム・スタイル

今回僕が購入したのはこの形です(写真は000−28)
ドレッドノートに比べてボディが一回り小さく、ウエスト部が締まった「グラマー」
な形をしています。エリッククラプトンが使い続けている事で有名になりました。
ドレッドよりもスケールが短いこともあってサウンドはマイルドで、音量、低音
がドレッドノートよりも控えめなので、フォーク・ブルースなんかを奏でるとなんとも
寂びれた味のあるトーンを醸し出します。ウエスト部が細い為、小柄な女性にも弾きやすい
スタイルと言えるでしょう。
国産メーカーは「フォーク・ボディ」と表現しています。

その他にも「ジャンボ」や、「00」、「OM」などありますがあくまでも「流行り物」
の形ということでこの場では割愛させていただきました。

上記の2種をマーチンに当てはめますと、ドレッドノート型は「D」オーディトリアム型は
「000」となります。その次にくる数字はグレードを意味します。
つまり「D−18」「D−28」「D−35」「D−45」の順に材やインレイなどの
グレードが上がっていきます。
マーチンでは18までのサイド、バックにマホガニーを使い、ローズ、そしてハカランダ、と
グレードが上がっていきます。(でも、ハカランダは限定品にしか使われない)
しかし、それぞれにサウンドキャラクターがあって、一概には「安いから音が悪い」という
訳ではありません。マホガニートーンが好きで、あえて「18」を使っている人も多いようです。

そして今回僕が購入した000Mですが、その前に最廉価モデルの「X」シリーズについて
解説したいと思います。「X」シリーズはそれまですべての機種に単板材を使うことをポリシ
ーとしてきた「マーチン」の革命的ともいえるグレードで、トップ、サイド、バックに木材を
粉末にし、接着剤と混ぜて高圧縮をかけて作った「高圧縮合板」を使用しています。
当然本来は木目が無い為、壁紙のような印刷がトップ、サイド、バックに施されています。
指板、ブリッジにも「モラド」という材が使われてい
ます。これはドレッドボディの「DXM」オーディトリアムの「000XM」にあたります。
価格も定価で10万円を切るエコノミーグレードなのですが、マーチンファンの間では賛否両論
を呼び、「やっぱりマーチン!」と言う方から「こんなのマーチンじゃない!」と言う方まで
色々です。実際に僕も試奏しましたが、どうも音がこもっていて、あまり良い印象は抱かなかった
のが正直なところです。印刷による木目も不自然ですし・・・。

そして、ようやく今回の000M(定価14万円)です。これは上記の「X」グレードの兄貴
分(2グレード上)にあたりますが、スペックはガラリと変わります。まずトップ材がスプルース単板になり、
サイド、バック材も粉末の合板ではなく、マホガニー単板スライスの合板(?)になる為、
表面の木目は自然な木目になります。指板、ブリッジもローズ材になります。(01年現在)
(04年のカタログによると000Mは指板、ブリッジ共、モラドになっています。変更になったのでしょうか?)
ちなみにネックにはホンジュラス・マホガニーが使用されています。
(マーチン社では全てのマホガニーがホンジュラス!)
最初は「これも合板ギターか・・・。」とも思いましたが、弾き始めてそんな先入観は驚きと共に
吹っ飛んでしまいました。
トーンが伸びやかで、ダイナミックレンジが広く、音が輝いてる様にすら感じます。
定価で28万クラスの000−18と比較しても負けてないどころか、こちらの方が音の広がり感
があるように感じます。これには同伴していた店員さんもびっくりしていて、「全然違いますね。」
と言っていました。(それとも000−18のコンディションが悪かったのか?)
国産(ヤマハ、モーリス等の000型)の上位機種と比較しても明らかにトーンが豊かです。
正に「さすがはマーチン!」を痛感しました。
18、28グレードが結構な厚塗りラッカーなのに対して、これは殆ど無塗装に近い「サテン・
フィニッシュ」を採用しているのも要因のひとつかもしれませんね。
これからどのようにトーンが変わっていくか楽しみです。

※書籍やネット上などでオーディトリアムのことを「OOO」(アルファベットのオー)
と、「000」(数字のゼロ)の2種が存在し、混乱している様ですが、僕が調べた結果
本国の「Martin」社が発行するカタログ、およびギターに付属するワランティには
明らかに数字の「0」が使用されているのでどうも数字による「000」が正解のようです。
(日本版のカタログはアルファベットの「O」になっているが)

※最廉価グレードの000XMは現在廃盤のようで、代わりに000X1になり、
トップはスプルース単板になりました。(サイド、バックは粉末合板)



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