レスポール・リイッシュー・ミュージアム1




注:下記の写真は月刊YMMプレイヤー誌より転載し、文章も同誌を参考・引用させていただいております。
また、これらの使用について(株)プレイヤー・コーポレーションより承諾を得ています。
これらの写真、文章の無断複製及び転用を堅くお断りいたします。


Les Paul Standard(1968初期)

記念すべき最初のレスポール・スタンダードのリイッシュー。
'55〜57年のタイプを元にしている。50年代のものに近いスモールヘッド
マホガニー1ピースのネックなど、50年代の面影を色濃く残し、オリジナルに
準じた評価を得ている。68年以降の特徴として、ヘッド角度がオリジナルの17度
から14度へ変わり、バインディングの幅が広くなった。特にカッタウェイの内側は、
オリジナルではトップのメイプルが見えていたが、68年以降ではそれを隠すように
この部分が特に広くなっている。


Les Paul Standard(1968後期)

68年製だが、ヘッドがそれまでのものより大きくなったタイプ。
だが、その他の仕様は68年のものに準じており、過渡期のものだ。
このヘッドのシェイプの変化は、同時期のレスポール・カスタムや、SGなどと
共通のシェイプにすることにより、ネックの荒加工の工程を共有し、生産を合理化
する為だったのかもしれない。
翌年の後半にはネックがマホガニー3ピースとなり、スモール・ハムバッキング
を搭載したデラックスが登場。P−90がマウントされたスタンダードは再び一時姿
を消す事になる。


Les Paul Deluxe(1969)

ミニハムバッカーを搭載したレスポール・デラックス。
この後、カラーにサンバーストが入り、サンバースト・レスポール・ファンに歓迎
された。ラージ・ハムバッキングに交換されるものも少なくなかったが、オプション
の仕様でオリジナルながらラージ・ハムバッキングのデラックスもあった。


Les Paul Karamazoo(1979)

レスポール・カラマズーは79年に約1500本限定生産された。
ナット裏にボリュートの付いたメイプル3ピース・ネックという70年代の
レスポールの特徴を備えているが、正式に出荷された再生産レスポールとしては
初めてのセンター2ピースのフレイム・メイプル・トップ仕様で、ボディ・バック
もマホガニー1ピースだった。
スピードノヴ、クリーム・カラーのPUボビンも特徴のひとつ。


Les Paul Heritage 80(1981)

80年に登場したヘリテイジ80。
センター2ピースの美しいフレイム・メイプルのトップに、1ピースマホガニー
バック、そして3ピースながらマホガニー・ネックが復活した。
オリジナルとは形状が異なるがスモール・ヘッドとなり、ゴールドのトップ・ハット
ノヴや、再生産後初めて金属パーツにニッケル・メッキのものが採用されたりなど、
更に一歩"ヴィンテージらしい"仕様へと進んだ(戻った?)。ただしペグはグローバー
が採用されている。PUは新開発のニューP.A.Fを搭載している。





レスポール・リイッシューの誕生について

●レスポール再び 

1952年に発売されたレスポール・モデルは幾度かのモデルチェンジの後、58年にハムバッキング・
ビックアップ/サンバースト・フィニッシユという現在のモデルと共通な仕様になったが、60年を
もって一旦製造が完了、SGシェイプのギターヘモデル・チェンジが行われた。現在の状況から
は考え難い話だが当時としてはハイ・ポジションの弾きにくさ、重すぎる重量、生産効率の悪い構
造などがその理由であった。しかし60年代後半にイギリスから沸き起こったブルース/ロックの波
はアメリカでも一大ブームとなり、彼らが使用していたレスポール・モデルは中古市場において人
気機種となる。その背景にはレスポール・モデルが持ち合わせていたソリッドなサウンド、サステ
ィーンの良さ、ハイパワーなピックアップなどの特性とマーシャルを筆頭とするイギリス製のギタ
−・アンプとの組み合わせによりオーバー・ドライブ/ディストーション・サウンドが誕生し急速
に広まった事が上げられる。この攻撃的なサウンドは若い世代を中心に圧倒的な支持が集まり、新
しい"ニュー・ロック(ハード・ロック)"という音楽ジャンルをも作り出す結果となった。このよ
うな市場の動向を考慮したギブソン社はレスポール・モデルの再生産に向けて67年にレスポール氏と
再コンタタトを取り、翌68年夏のシ力ゴで行なわれたトレード・ショーにおいてリイシュー・モデ
ルが披露された。
しかし、このスタンダード・モデルはサンバースト・フィニッシュの68年スタイルとは異なり、
P90ピックアップを2つマウントしたゴールド・トップ・フィニッシユであった。これは55年〜57
年にかけての仕様にあたる。そして同時に発売されたカスタム・モデルの方がエボニー・フィニッ
シュながら、2ハムバッキング・ピックアップ/メイプル・トップと外見的にはカスタムであった
が仕様的に見るとオリジナル・サンパーストを踏襲するものとなっていた。

68年モデルのその他の特徴としてはスモール・サイズのへッド形状、1ピースのマホガ二一・ネ
ック、2ピースのメイプル・トップ、1ピース・マホガニー・バックのボディなどで、50年代を紡
佛とさせる深いアーチが付けられたトップ形状は68〜69年のみの特徴である。

69年に入ると早くもモデルチェンジが行われネックはやや大きめのへッド・サイズを持ったマホ
ガニーの3ピースに変更され、徐々にナット部付近のグリップ部には強度を上げるためのボリュー
トが付けられるようになった。そして69年の途中よりボディが3ピースのメイプル・トップになり
バックのマホガニーは数ピースによる積層構造に変更された。そしてこの年末にピックアップはエ
ピフォン・サイズのミニ・ハムバッカーが採用され、モデル名も"レスポール・デラックス"に変更された。
再生産されたのもつかの間にデラックスにモデルチェンジしてしまったスタンダードだったが今
度は71年にP90にバーブリッジ/テイルピースという53年仕様のスタンダードが約1000本発売され
た(実はこのモデル名には何故か、"58モデル"が使用されていた。しかし仕様は53〜54の仕様である)。
そしてこの頃よりラージ・ハムバッ力一をマウントしたデラックスが少量発売されるようになる
(仕様的にはスタンダードだったがデラックスのオプションとして用意されていた為にこのモデル名
が使用された)。74年になるとラージ・ハムバッカ一にタバコ・サンバーストフィニッシユのスタン
ダードが約2200本発売された。このモデルがサンバースト・レスポールの実質的な再生産モデルで、
ギターにはその後、通常モデルとして発売されたものと異なりマホガニー・ネックが採用されていた。


●甦ったサンバースト

そしてついに76年にサンバースト・フィニッシュのスタンダードか市販される。50年代のモデル
と違いこのギターには3ピースのメイプル製のネックが採用されており、ブリッジは以前よりワイ
ド化されたナッシュビル・チューン"0"マティック・ブリッジがマウントされていた。この仕様
のスタンダードは80年代初めまで発売され、そのサウンドは以前のモデルよりソリッド気味で歯切
れの良い事が特徴で、これらのギターはその後登場するニュー・ウェイブ系のプレーヤー達にも広
く受け入れられる事になった。
79年にはカラマズー・レスポールが約1000本発売された。このギターはボディ・トップに2ピー
スのカ一リー・メイプルを使用したモデルで、そのモデル名は再生産のレスポール・ギターが製造
されていたナッシュビルエ場ではなく、フルアコースティック・ギターなどが生産されていた昔か
らある力ラマズー工場で、生産された事に由来している。

70年代末のギター市場には空前のヴィンテージ・ブームが訪れていた。新しく進化したレスポール・
サウンドは以前のそれとは異なるタイトな音色になっていた為、以前のサウンドを求めるブレーヤ
一はヴィンテージのギターを求めるようになった。そうしたプレーヤー、楽器ディーラーのリクエス
トに応えるモデルとしてギブソン社は80年からへリティージ・シリーズを発売、このシリ−ズは2
つのモデルから構成されておりスモール・へッドマホガニー・ネック、センター2ピース・メイプ
ル・トップ/マホガ二一1ピースバック・ボディといった仕様でボディ・トップには深いアーチが
付けられたフレイム・メイプルが使用され、またピックアッブも新たに開発されたヴィンテージ・
リイシユーのパット・アップル・フオーTMが採用された。80スタンダードとエリートの違いは前者
がローズウッド・フィンガーボード、タイガー・ストライプ・メイプル・トップなのに対して後者
はエボニー・フィンガーボード、キルテッド・メイプル・トップという点である。
このモデルの人気を反映するように、通常・ラインのスタンダードも82年頃よりマホガニー・ネ
ックに変更され、時折2ピース・フレイム・トップのモデルも発売されるようになる。また82年に
はレスポール・モデル発売30周年の記念モデルとしてゴールド・トップフィニッシュの57年型のモ
デルがリイシューされ、このモデルには今までのナッシュビル・タイプのブリッジてはなく、オー
ルド・チューン"0"マティックがレプリカされた。

80年代初頭より85年までの間は各ディーラーの特注によるヴィンテージ・レプリ力・モデルが数
多く販売されていだ期間でもある。へリティージ・シリ−ズは一応ヴィンテージのレプリ力モデルで
あったが細かい点で異なる部分も多く、それぞれのディーラー達によって、トップのメイプル、カ
ラーリング、シリアル・ナンバー、チューナー/ブリッジ等のパーツなどが特注されたモデルがオ
ーダーされた。アメリ力ではギター・トレーダー、レオズ・ヴィンテージ、ジミー・ウォレスなどを
始めとする幾つかのモデルが生産され、日本においては輸入代理店より83年に58モデル、84年に59
モデルという特注モデルが発売された。また83年より発売されているスタジオシリーズはスタン
ダードの新しいバリエ一ションともいえるモデルで、その後幾つかの機種が発売されることとなった。


●あくなきヴィンデージの追究

86年にギブソン社の経営が変わると市販モデルとしてレスポール・リイシユーが発売された。こ
のモデルは大変完成度が高いリイシュー・モデルであり、その後はオーダーによるモデルの数はぐ
っと減る傾向になる。このギターはへリティージ・シリーズではレプリカされていなかった仕様であ
るインク・スタンプによるヴィンテージ・スタイルのシリアル・ナンバー、クルーソン・タイプの
チューナー、ボディ・バインディングに50年代同様の幅の薄いものの採用、オールド・チユーン"0"
マティック・ブリッジの採用、リアルなヴィンテージ・スタイルのピックアップ・セレクター/コ
ントロール・ノブ、ボディ・トップにブラウンがかったサンバースト/バックにはチェリー・レッ
ドを配したへリティージ・チェリー・サンバースト等の仕様がレプリカされた。同時にネック・グ
リップ、ボディ・トップの形状なども58、59のモデルに非常に近くなり、ギター全体の重量も軽く
設定されるようになり、サウンドも今までの太く、力強さを全面に出したタイプのサウンドから、ヴ
ィンテージ・スタイルのセンシティブなものへと変化した。

90年に入ると新しいスタンダード・モデルと位置づけられるクラシックが発売される。このモデ
ルはレスポール・リイシューを基本として発売されたモデルで、その特徴は1960年のスタンダード
を連想させる薄目のネック・グリップ(1960の文字もビックガードに入れられている)、ピックアッ
プにはオープン・タイプの496R/500Tがマウントされており、出力が高めで歯切れがよいロック向
きなサウンドに設定されている。そしてギブソン社のピックアップのラインが見直され、機種やフ
ロント/リア専用のピックアップ(ポール・ピースの問隔、出力違い)が開発された。スタンダー
ド、カスタム、スタジオには490R/498T(アルニコ・マグネット仕様)がクラシック、スタジオ・
ライトには496R/500T(フェライト・マグネット仕様)が採用される。そしてリイシューにはピッ
クアップ・ボビン/力バーの形状からコイルに至るまでリアルにヴィンテージ・PAFをレプリカした
"57クラシック"が開発された。
またその後スタンダード/クラシックにはフレイム・メイプル・トップを使用したモデルである
プラス、プレミアム、プレミアム・プラス、バーズアイ等のバージョンが期間ごとに発売されるよ
うになる。

93年にはカスタム・ショップより少数生産製のヒストリック・シリーズが発表される。これは非
常に手間をかけて製造されるリアルなヴィンテージ・レプリカでレスポール・モデルとしてはスタ
ンダードの54、56、57、58、59、60、カスタムの54、57と各年代のモデルがリイシューされてい
る。そして95年より始まったミュージシャンとのコラポレイトによるシグネイチャー・シリーズは
ジミー・ペイジ、スラッシユ、ジョー・ペリー、エ一ス・フレイリーが発売され、各モデルごとの
特別な仕様で生産されている。また96年にはスタジオ・モデルにP‐90ピックアップをマウントし、
今までにはない感覚のカラー・フィニッシュを取り入れたジェム・モデルも発売され、その後クラ
シックを基本としてfホール/ホロー・ポディ仕様にしたスタイルfキルト・トップなど新しい発
想で制作されるモデルが発売される一方、並行して日本の代理店より特注されたリアルなリイシュ
一・モデルである1968カスタム、58フィギュアド・トップも発売された。これらの機種には68年まで
採用されていた深いボディ/ネックのジョイント仕様が復刻され、またマウントされているピック
アップは特注品の57クラシックをさらに一歩進めたリアルなヴィンテージPAFのレプリカモデルで
ある"バースト・バッ力一"ピックアップがマウントされている。


レスポール・リイッシューモデルのスペック変化について

●ヘッド形状  
68年の夏頃から再生産が開始されたゴールド・トップのへッドは50年代のような小さめの形状で
あった。そしてそれは’69年の初めには一回り大型に変更され、80年代頭までその仕様が続けられ、
以後再ぴ小さくなる。
(しかし、ビンテージリイシュー、クラシック系よりは若干大き目)

●ヘッド・ロゴ
ヘッド表面に入れられたギブソンのロゴは常にマザー・オブ・パールによるインレイ。68年のギ
ターにはヘッド・ベニアにホリー・ウッドが使用されており、ロゴは実際より大きめのパールをマ
スキングにより輪郭を修正して入れられている。
また68年には"i"のドットが入っているが同年末より省略された。’70、71年以降のへッド・ベニ
アはファイバー製でロゴは正確にプレスで打ち抜かれた穴に入れられ"i"のドットも復活している(カ
スタムには当てはまらない)。

●アジャスト・カバー
68、69年はプレーンなブラック3プライで輸郭はなだらかで大きめのサイズ、面取りは浅く丸い
(68年のごく初期のものには"Les Paul"の文字が彫り込まれているものも存在する)。69年以降の
デラックスには同形状の物にデラックスの文字が彫り込まれている。74年に限定発売されたスタンダ
ードも同様にスタンダードの文字が彫り込まれているが、以後はブラックの2プライ、一回り小型
てシャープなエッジを持った形状になり、機種名はゴールドの印刷によって入れられるようになる。
限定モデルにはその機種が印刷されたものやプレーンなものが付けられている場合もある。

●チューナー
68〜74、75は"Gibson/Deluxe"の刻印の入ったクルーソン社製。キー・ストーン型のプラステ
ィック・ボタン、2つのコブが根本に着いている。
74年製以降は大型のストリング・ブッシュが使用される。76年以降はドイツ・シャーラー社製のも
のでカバーにはギブソンの刻印が入っており、76年のみは以後のものとテザインが異なったものが
使用されている。ボタンはキー・ストーン型のプラスティック製だがニッケル・メッキが施され、
コブはない。時折グローバー社やシャーラー社製のロトマティック・チューナーが使用されることもある。

●ネック
68年製は1ピースのマホガニー製、69年の初頭に3ピースになる。またグリップも68、69年はフ
ァットなものが多い。69年途中よりナットあたりのネック裏側に小さなポリュートがつき70年以降
はサイズが大きくなる。76年モデルより材質がメイプル3ピースに変更されるが、82年頃より再ぴ
マホガニー3ピースになり、その後1ピースになる。

●ボディ
68年のボディ・トップのメイプルはセンター2ピース、特に初頭の物のみバックのマホガニーと
の間にツキ板がない(コントロール部のリア・パネルを外すことで確認できる)。 そしてネック・工
ンドはフロント・ピックアップ・キャビティの中程まで達している。これは69年には小型になり70
年代に入ると完全にピックアップ・キャピティのネック側面のラインに合わされる。70年代前半の
ネック・エンド断面部には塗装の下に製造年月日がスタンブされていることが多いので注意が必要
である。69年よりボディ・トップはセンターずれや3〜4ピースのものが混じるが、サンバースト
系には3ピーストッブが使用される。また76年は前後の年代と比較してトップ材のセンターのメイ
プルに太い幅のものが使用されている。69年の途中よりボディ・バックのマホガニーは1ピースか
らツキ板を挟んだ二層構造に変更され、78年には再び1ピース材に戻された。トップに付けられた
アーチは68、69年が強く70年以降はかなりフラッ卜気味になるが80年代よりまた深くなる。

●ピックアップ
68、69年のソープ・バーはブラックのボビン、エナメル・ワイヤーが使用されフロントポジショ
ンのカバーには以降より背の低いものが使用されていることもある。(50年代と同サイズ)また70年
以降の物に比ベアイボリー・力ラーは薄め。以後クリアー・ボビン、ウレタン・ワイヤーに変更される。
デラックスのミニ・ハムバッカーは当初特にマウンティング・リングのカラーが薄めでピックア
ップ・ベースにはパテント・ナンバーのシールが貼られていた。70年以降は徐々に刻印によるパテ
ント・ナンバーに変更される。また72、73年のピックアップカバーにはギブソンのロゴが彫り込ま
れているものが多い。時々見かけるピックアップの外側に取り付けられているブラスティック製の
枠(バフで剥かれたキャビティ・エッジを隠すもの)は72年以降のギターに多く見かけられるがル
ールはない。74年のスタンダード用ラージハムバッカーはプレーンなクローム・メッキのカバー、
Tの文字が入ったブラック・ボビン、ピックアップ・ベースには刻印によるパテント・ナンバーが
入れられている。70年代後半のカバーはプレス成形が以前より若干甘くなる。これは80年代初頭ま
で共通の仕様また79年製のカラマズー・レスポールにはTの文字が入ったクリームのボビンが使
用されている。
80年以降のモデルはピックアップの仕様が一新された。

●ピックアップ・マウント・リング
76年に登場した正式にラージ・ハムバッキング・ピックアップがマウントされたレスポール・スタ
ンダード以降、しばらくはオリジナルよりも厚さの薄いピックアップ・マウント・リングが使われ
た(同時期のレスポール・カスタムも同じ変更があったが68、69年のカスタムにはオリジナル同様
の厚さのものもあった)。80年代に入り、限定生産のものにオリジナルと同様の厚さを持つマウント・
リングが採用され、その後、ヒスコレシリーズでも同様のものが使用されている。

●ブリッジ
68〜73年のブリッジはオールド・チューン"0"マティック・ブリッジでプラスティック製のサド
ルが着いていることが多い。またABR−1のパーツ・ナンバーはまだ使用されているが、ブリッジ底面
の刻印はすでにABR−1の文字よりパテント・ナンバーに変更されている。74年はオールド・チュー
ン"0"マティックにニッケル・メッキされたブラス製のサドル、76年以降のスタンダードにはク
ロームメッキ製のナッシユビル・チューン"0"マティック・ブリッジが採用され、上下ネジはア
ンカーを使用してボディにマウントされている。
ピンテージ・リイシュー・タイプのギターの場合、オールド・チユーン"0"マティック・プリッジ
やニッケル・メッキのパーツ類がマウントされていることも多い。
ナッシュビル・チューン"0"マティックオールド・チューン"0"マティック


●テイルピース
68〜74年はアルミニウム・ダイキャスト製でクロ一ム・メッキ、74年途中以降は亜鉛と思われる
ダイキャストのクローム・メッキ仕上げに変わり、重量も重くなった。
(01年以降のヒスコレシリーズにはアルミが採用された。)

●ピックガード/スイッチ・プレート/ジャック・プレート
68、69年のプラスティック・パーツはアイボリ一・カラーが薄く、ジャック・プレート/コント
ロール・プレートは厚みも薄い。またこの時期のこれら3点のパーツはプラスティック板をプレス
やルーター加工して作られているが、70年以降はモールド加工により製作されるようになる。74年
以降のジャック・プレートにはニッケル・メッキされた金属製の物も多く使用されている。

●コントロール・ノヴ
77年以前は上面にメタル・プレートがはめ込まれたトップ・ハット・スタイルのゴールド・力ラ
一、以後はパレル・ノブ。へリティージ80以降、特にヴィンテージ・スペックを意識したものには
ゴールドのトップ・ハット・ノブが使われた。

●エレクトロニクス・パ一ツ
68〜72年頃まではCTS社の500KΩのオーディオ・テーパーが使用されシャフトの長さは短め、
その後はボリュームに300KΩ、トーンには100KΩが使われる。ポット裏面には7桁の数字か刻印され
ており、左の3桁が会社名(134はCRL、137はCTS)、中央の2桁が年、右の2桁が週を表してい
る。76年以降のモデルにはコントロール部スイッチ部にシールド・ボックスが採用され、キャビ
ティの深さが浅くフラットになりポット類のシャフトが長いものに変更される。また同時期にジャ
ックも同じスイッチ・クラフトながらボックス・タイプのものに変更される。キャパシターは68〜70
年はスプラグ、社のオイル・コンデンサーで後期型のブラック・ビューティ、70〜73年はそれに加え
て他社のホワイト、イ工口一、ブラウンの力ラーのものが混在している。76年以降は黄土色のセラ
ミック・コンデンサーになる。値はすべて0.022mμ。スイッチとコントロールを結ぶ配線もピック
アップに使用しているのと同様のシングル・コンダクター・シールドから外側がグレーのピニール
の4コンダクター・シールドに変更される。



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