Fender C.Shop 1998 ST'61 Master Grade (マスグレ)


フェンダー・カスタムショップ・マスターグレード ’61 ストラトキャスター






知る人ぞ知る、「マスグレ」です。
しかも新品と言っても良いほどの超ミントコンディション!!(驚)
なんと、保証書も未開封で捺印も無し!
付属品も全て未開封という奇跡の様な逸品です。(シールドは無いっすが。)

ここで「マスグレ」ってな〜〜に〜〜?
って言う方の為にちょっと説明致します。
マスターグレードシリーズとは、フェンダーカスタムショップにて「当時の製法をそのまま
再現させる」というコンセプトの元、ビンテージ物を徹底的にリサーチし、ピックアップや
ネック等に関しては実際に当時の製作に携わっていた職人を呼び戻して製作された究極
のビンテージリイシュー・シリーズです。
Char氏が近年のアルバム曲の殆どをマスグレ61モデルでレコーディングしている事でも有名ですね。

一口に「フェンダーカスタムショップ」と言っても大きく分けて3つのラインに区別されます。

○カタログモデル
 「タイム・マシン・シリーズ」や「カスタム・クラシック・シリーズ」に代表される
 カスタム・ショップのレギュラーモデル。

○カスタム・オーダー・シリーズ
 カスタム・ショップ内の数名のビルダー達によって組まれたチームによって作られる
 モデル(チーム・ビルドとも呼ばれる)で、期間限定で販売される。基本的にカタロ
 グに掲載されることは無い。

○マスター・ビルダー・シリーズ
 フェンダー社において熟練したビルダーによって製作されたモデル。
 木材の選定から組み込みまでに至るほとんどの行程を、一人のマスター・ビルダーが行う。
 ショウ・モデルやワン・オフ・カインドと呼ばれるレア・アイテム等はこのシリーズであ
 ることが多い。
 カスタム・オーダー・シリーズ同様、カタログ掲載は基本的に無い。

上記の中でマスグレは「カスタム・オーダー・シリーズ」となります。
96年末〜99年までの3年の間、製造されていましたが、価格が43万円〜50万円と
高価格であった事、パッと見には10万円台のクラスとの差が判り難いというギターの性
質もある為(レスポールのようにボディにはトラ杢も無いので)簡単には手を出す事が
できないシリーズでした。
マスグレが生産終了となった後、そのコンセプトは現在の「タイムマシーンシリーズ」に
受け継がれる事になる訳ですが、コストダウン&量産化に伴い、合理化されてしまった点
が多いのも事実です。
その為、中古にてマスターグレードを探している方も大変多く、元々のタマ数の少なさか
ら店頭での在庫は殆ど見掛けませんし、入荷してもすぐに「SOLD」となってしまいます。
その中でも特にこの「'61ストラト」は人気が高く、入手困難なアイテムとなっています。

マスターグレードシリーズには96年製から99年製までの個体が存在しますが、たとえ同モデルであっても
全て同じ仕様と言う訳ではありません。初期のタイプ(96年〜97年)では、ロゴが違っていたり、あるべきPAT
ナンバーが無かったりで、本当に忠実に再現されたのは98年〜99年の2年間のモデルみたいです。ですから
「別に楽器としてのクオリティが高ければ、そんなのは関係無い。」という人なら関係無い事なのですが、「ビン
テージ物に忠実なリイシューが欲しい!」という人には後半の2年間に製造された物でないと、後で細かい所を
調べた時にガッカリさせられる事になるかもしれないので注意が必要です。

また、マスグレの大きな特徴のひとつとして、極薄塗装があります。私自身、99年製のヒストリック・レスポール
と比較してしまう為か、それ程極薄とは感じないのですが、国産の普及価格帯のギターと比べるとかなり薄いよ
うです。また、マスグレの塗料にはクラックを防ぐ成分が全く入っていないのでは?と思わせるほど、クラックが簡
単に入ってしまいます。事実、当時の広告にも「極力薄く仕上げているため、塗装の引き、クラッキングが起きる
事があります。あらかじめご了承下さい。」と記されています。また、マスグレを所有している方々の話を聞いてみま
すと、「毎年、冬を迎えるたびにクラックが増えている。」という意見が多いみたいです。しかし、これらの現象は
ギターが呼吸し、成長している証でもあり、マスグレの楽しみの一つとも言えるでしょう。

加工について、レギュラーシリーズのギターに比べて、タイムマシーンシリーズのギターが完成するまでに
掛かる時間は4〜5時間程多いとの事ですが、マスターグレードシリーズの場合はなんと、レギュラー
シリーズと比べ5〜6倍の時間が掛けられているのだそうです。
どちらも同じカスタムショップの製品なのですが、タイムマシーンの場合は、材に関しては厳選された
良い材を使うが、大まかな加工に関してはレギュラーラインと同じ機械(NC機)を用いて加工される
のに対し、マスグレの場合はネック、ボディの切り出しから成形までの殆どが職人の手作業にて加工さ
れているのだそうです。(詳細は「メイキング・オブ・ マスターグレード」を参照の事)



当初、僕自身はマスグレと出会う事など想像もしていなかったので、タイムマシーンシリーズの中から
スラブモデルを探していました。こちらも同店に有ったのですが、店の奥から今回のマスグレを出してきて、
試奏させてもらった瞬間、、、、、やられました。
また、店長さんの協力の元、本物の61年製ストラト(3トーンSB)と、1時間程、徹底的に比較させて頂きました。
勿論、音まで同じとは言えませんが、良い線行ってます!(爆)
特にネックの握り、ヘッド形状、サンバーストの雰囲気、パテントNo入りロゴ等など、、、。
タイムマシーンではもうちょっとここが、、、、。と言う所まで気持ち良いくらい再現されていました。
(細かい事を言えばマスグレ61は62年初期仕様の復刻版というのが正解。)
思いっきり予算オーバーでしたが、「ここで逃したら、次は無い!」と思い、包んでもらいました。
それにしても、店頭で試奏させてもらって、こんなに気持ち良く弾けた経験も珍しいです(笑)


☆持ち帰った次の日☆

とりあえずフェンジャパの57モデル(ST57-58US,以下:FJ)とマスグレの弦を全く同じ物に張替え、弾き比べてみました。
片やメイプル指板の57モデル、片やローズ指板の61モデルという事もあり、あまり参考にはなり
ませんが、一応やってみました。とりあえずFJを弾いてみる、、、、。
うん、いつも聞き慣れた「ストラトの音」がします。特に不満はありません。続いて同じアンプセッティングのまま
マスグレを弾いてみる、、、、。
中〜低音の出方が凄まじい!!特に5、6弦なんかベースギターみたいな重低音で、床のフローリングが震えます。
昨日、店頭で試奏した時には店のアンプという事もあり、あまり判りませんでしたが、自分の家、自分のアンプで
弾き比べてみて愕然としました。別にFJが悪い訳ではありません、マスグレの音の太さが異常なんです。
FJの方はどちらかというと落ちついた感じのクラプトンっぽい音がしますが、マスグレはコシの太い感じで、正にスティーヴィー!!
でも、これって57モデルと61モデルの仕様の違いによるところが大きいのかな??
アンプの「BASS」を「10」にした時のFJの低音の出方に、マスグレを合わせるとしますと「3」くらいまで
下げた感じでしょうか?それと立ち上がりのレスポンスが違いますね。
ちなみに重量は3.6キロです。

マスターグレードを分解分析してみました。こちらをどうぞ!

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