BS/CS/地上波デジタル放送対応TVチューナーボード

アースソフト PT2 Rev.B





<Photo :とんかつサンド>



【今、最も「使える」TVチューナーボードとは・・・】
今回取り上げるのはアースソフトのPT2であるが、これはPC後付用のデジタル放送対応チューナーボードとして、現在最も「使える」製品で
あることは周知の事実だろう。
それを物語るかのように、2009年の秋に登場してから常に品薄状態にあり、特に一時期生産が終了していた2010年夏以降には定価16,0
00円(税抜)のものが3万円から4万円以上で売買されることも珍しくない状態であった。
しかし、2010年末からPT2 Rev.Bとして再販が開始された。
2010年の夏まで販売されていたRev.Aとの違いは、使用しているフラッシュメモリが部品調達の関係からアトメル社のものからマイクロン社
に変更されたことと、組み立てが愛知県から鳥取県へと変更になったくらいで、特にRev.Bの方が性能的にアップしているという事でもない
ようだ。


【PT2とは・・・】
一応、このPT2について簡単に説明をしておこう。
このPT2は、アースソフトという会社からリリースされているPC後付用のデジタル放送対応チューナーボードであり、BS/CS/地上波の3波
に対応し、さらにBS/CSと地上波のそれぞれに2つ、計4つの独立したチューナーを備えている。
そのため、衛星放送の2番組と、地上波放送の2番組を同時に視聴や録画することが可能である。
また、HDCPなどの制限も受けないためにHDCP/COPP対応のモニターやグラフィックボードなども必要無く、録画された動画データは自由
に移動や複製、編集(※1)、エンコードなどが可能となる。
(※1:一般的なPC用デジタル放送対応チューナーでは厳しい条件下において一部可能となっているが、編集後の動画データはPC内には
保存ができない等いろいろと制限が多いので、基本的にできないものだと思った方が良い。)

一般的なPC用地デジチューナーの場合、上にも書いたHDCP/COPP対応のモニターやグラフィックボードなどが必要とされるだけではなく
パソコンのハードウェア構成や動画データが保存されている場所やフォルダ名などが、番組を録画した時と全く同じ条件でなければ再生が
できない。
たとえば、現在既に録画したファイルがある状態でCPUやグラフィックボードなどを交換してしまうと、それまでに録り溜めた録画ファイルは
単なるゴミファイルと化してしまうのだ。
頻繁にパーツを交換していく自作PC派の方は勿論だが、全くパーツ交換は行わないメーカー製PCユーザーであっても、修理などで内部
のパーツを交換したりすると、交換した部位や内容によっては再生ができなくなってしまう。
また、パソコンのリカバリーやOSの再インストールを行った場合も同様に再生が不可となる。
しかし、PT2はこれらの厄介な制限を一切受けないのだ。






【PT2の導入は少々厄介?】
さて、このPT2を購入しただけではチューナーボード1枚がピンクのプチプチ袋に入っているだけで、他に必要なB-CASカードやカードリーダ
ーは勿論、ドライバ類やソフト、取説すら同梱されていないので、全てユーザー側で用意する必要がある。
(PT2本体用のドライバ類はアースソフトのメーカーサイトからダウンロードできる。)
また、導入に関しても、大手メーカー製の機器のようにセットアッププログラムをワンクリックすれば全ての設定が完了するようなものではな
く、幾つかの手順に沿って自らセットアップを行っていく必要がある。

しかし、他社の地デジチューナーカードをTS抜き仕様で使うためには、4〜5種類以上のバージョン違いの機種ごとによって微妙に導入方法
が異なるため、情報が錯綜して導入時に多少混乱することがある。
ところがPT2の導入方法に関しては一つの基本的な導入方法の上に、幾つかの応用的な導入方法が存在するかたちなので、情報収集に
混乱することが少なく、余程大きな間違いを犯していない限りは順調に導入できると思う。

ただし、PT2そのものがPCIスロット専用となっているので、ノートPCは勿論、デスクトップPCであってもPCIスロットが無い場合は組み付ける
ことができない。

実際に組み付けと設定を行ってみたが、特につまづくことも無くスムーズに導入作業を終えることが出来た。
やはり根本的に製品が優れている事と、しっかりとした導入方法が確立されている点が大きいと実感した。


【やはりPT2の安定度は抜群!】
設定を終えたPT2を使ってみると、まずチューナーのレスポンスが良い点に驚かされた。
HDUSFではチャンネルを変更した後、画面が表示されるまでに数秒間のラグがあるのだが、PT2ではそのラグがかなり短くなっている。
また、HDUSFの場合はたま〜に放送の読み込みに失敗して、TVTestの画面が真っ黒になってしまう事があったのだが、PT2ではそんな気
配は全く感じさせず、とても俊敏で安定した立ち上がりを見せてくれる。

ちなみにTVTestにて録画中のCPU使用率は、1チャンネル録画で2〜3パーセント、2チャンネル同時録画で4〜5パーセント、3チャンネル同
時録画で7〜8パーセント、4チャンネル同時録画で10〜12パーセントといったところ。(Core i7 860の場合)

当たり前かもしれないが、衛星放送と地上波放送を同時に4番組録画できるのはかなり便利だ。
僕の場合、衛星放送を2番組同時に録画することは稀だが、地上波の2番組と衛星放送の1番組を同時に録画したいと思うことは結構ある
ので、それが可能になったことによるメリットは相当大きい。

ちなみに地上波が2番組では足りないという方の場合、PT2を2枚、3枚、4枚と増設させて同時録画番組数を増やすことも可能だ。
勿論、そのためには増設させるのに必要な数だけPCIスロットが空いている必要はあるし、立ち上げるチャンネル数に応じてCPUにもそれな
りの負荷は掛かってしまう。
ちなみに某雑誌の検証によると、Core2Quad Q8400 2.66GHz、メインメモリ2GBの環境でPT2を4枚使用し、地上波を同時に8番組録画した
時のCPU負荷は100%近くにまで達したが、録画作業そのものは問題無かったらしい。


【最後に】
2010年末から2011年年明けまでは相当なレアアイテムであったPT2が、2011年1月末時点では再販開始によってかなり入手しやすくなっ
てきている。
僕の住む街にあるPCショップには数枚のPT2が定価で販売されていたし、ネットの情報でも1月22日〜23日の土日に各地で店頭在庫が確
認されていたようだ。

7月のアナログ放送終了に向けて、春以降にはまた品薄になる可能性も高いことから、入手しやすい今のうちに是非ともゲットしておくのが
得策だろうと思う。
(記:2011年1月25日)



↑衛星×2番組、地上波×2番組が同時に録画・視聴できるようになっている。
 勿論、録画をしながらの追っかけ再生もOKだ。



↑チューナーはシャープ製のCANチューナーが採用されている。


【↓2011年3月10日追加情報↓】
PT2を使い始めてから2ヶ月弱が過ぎた。
毎日何らかしらの番組を録画しているが、やはりその安定度は凄い。
録画方法に関しては、ほぼ全てをTVRockによるタイマー録画を行っており、PCが起動している状態のまま録画開始〜終了という場合もあれば
PCがスリープ状態からスリープ復帰→録画開始〜終了→スリープ(若しくはシャットダウン)という場合もある。
しかし、この2ヶ月弱の期間において録画を失敗したことは一度も無く、その成功率は今のところ100パーセントだ。
以前に使用していたHDUSFの場合は、7〜8回に一度くらいはチューナーの読み込み時に失敗していた事から考えると格段に安心感が増した。
(家電のレコーダーならば成功してごく当たり前なのだが、PC録画ではまだ不確実な点が多いのだ。)
ということで、引き続き様子を見ていきたい。


【↓2011年8月13日追加情報↓】
PT2を使い始めてから7ヶ月が経過。
上記の3月10日追記時と同様、これまでに一度もエラーを発したことが無い。
ほぼ毎日、一日の間に最低でも3〜4番組はタイマー録画を行っているが、未だ一度も失敗していない。
それがスリープ状態やアイドリング状態からだけではなく、同じPCによるDVD鑑賞やPCオーディオ鑑賞との同時使用時においても全く問題が無い。
更には、結構な負荷が掛かるはずのFPSゲームである、Alliance of Valiant Armsや Call of Duty: Black Opsのプレイ中でもエラーは発生しておらず
その安定度は驚愕に値する。(あくまでも、僕のPC環境下においてですが、、。)


PT2の詳しい導入方法については別ページで解説する→導入方法はこちら

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