Nikon テレコンバーター(1.7倍)

Nikon Ai AF-S Teleconverter TC-17E II




(写真撮影:とんかつサンド)


<テレコンって何?>
ニコンのレンズの中でもAF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8Gは、ズームレンズらしからぬ解
像感と色のりで大変優れた性能を持つレンズです。実際、僕自身もこのレンズを入手してからはすっ
かり惚れ込んでしまい、最近ではもっぱらD2Hに付けっぱなしの状態です。
しかし唯一の難点(?)は望遠側の焦点距離が200mmであり、これでは少々足りないと感じる事もしば
しば。そこで登場するのがテレコンバーター(通称テレコン)と呼ばれているこのアイテム。カメラ本体
とレンズの間にセットすることにより、マスターレンズの焦点距離をテレコンの表示倍数だけ拡大させ
る優れもの。ただし、マスターレンズが拡大されるのは焦点距離だけではなく、開放F値も同じ倍数
だけ大きくなってしまうので、冒頭のレンズに装着した場合の開放F値はF4.8になります。
しかし最短撮影距離は未装着時と変わらないので、拡大倍率によってはマクロ的な効果も発揮します。

ただし、この TC-**E IIシリーズは全てのレンズに装着できる訳ではなく、取り付けできるレンズにも
制限があります。まず、レンズ内にAF駆動用モーターを内蔵しているAF−SかAF−Iであること。そし
て焦点距離のワイド端が70ミリ以上あること。最低でもこれらの条件をクリアしていないと取り付ける
ことすらできないので注意が必要。つまり、AFにカメラ本体内モーターを使用するVR80−400mmレ
ンズ等は物理的に取り付けが不可となります。
また、上記の最低条件をクリアしていても、マスターレンズの開放F値が暗いとAFが使えない等の問
題も生じますが、ニコンが動作保障をしていないレンズでも問題無くAFが使えるレンズも存在してい
るようです。

<どれを選ぶ??>
現在、ニコンからリリースされているテレコンのラインナップは、1.4倍、1.7倍、2倍の3種類。1.4倍
と2倍は2002年8月の発売なのに対し、1.7倍だけは2004年7月の発売となっており、巷の噂では
後から発売されたこともあり、光学系の見直しが図られているのでは?という声もあるが、実際にはど
うなんでしょうか?ただ、後から発売された1.7倍にだけレンズポーチ「CL-0715」が付属します。

何故僕がこの3種の中から1.7倍を選んだのか?それは正にこの商品の開発コンセプトである「1.4
倍よりも撮影倍率が高く、2倍よりもF値変化が少ない」からです。1.7倍と2倍の撮影倍率の差はわず
かですが、開放F値の0.5段の差は、撮影シーンによっては結構重要だと感じたからです。

<で、実際の画質はどうなの?>
では実際に使ってみた感想と行きましょう!
いきなりですが、結論から言ってしまえば、冒頭のレンズとの組み合わせの場合、絞り開放から十分シャ
ープな画質を得る事ができ、色のりと共に全く問題のないレベルである事が分かりました。画像を見る限
りでは、テレコンを装着したこともEXIF情報を見ないと判別が困難なくらい画質劣化は感じられません。
また、最も心配していた、絞り開放での色滲みも全く見られません。AF速度に関しても、テレコン未装着
時と同様に速くて正確です。
ただし最後に一点だけ注意が必要なのは、VR機構も問題なく動作するのですが、さすがにテレ端が340mm
ともなると、たとえ晴天下の明るい条件であっても、ホールドをしっかりとしていないと手ブレが生じてしまい
ます。

私はこれまで、「テレコンはあくまでも距離が足りない時の緊急用?」とも思っていましたが、その思い込み
はいとも簡単に払拭されてしまいました。まるでVR 70-200mm F2.8レンズとの組み合わせで開発された
のでは?とも思わせるくらいの完成度に大満足です。
(記:07年4月1日)


↑色のり、解像感共に申し分ないと思います。(クリックすると拡大します。)
機種 : NIKON D2H
レンズ : AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G + TC-17E II(手持ち撮影)
露出時間 : 1/640秒
F値 : F4.8(絞り開放)
焦点距離 : 340mm(200mm×1.7倍=340mm)







↑TC-17E IIにのみ、レンズポーチ「CL-0175」が付属します。


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