Nikon 手ブレ補正機能付き11倍ズームレンズ

AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)



「写真撮影:とんかつサンド」


<僕が購入を躊躇していた理由とは?>
今さらというか、やっとというか、とうとう購入しました。
このレンズ、皆さんは既にご存知だと思いますが簡単に説明をさせていただきます。
2005年12月に発売されたこのレンズは、11倍ズームと手ブレ補正機能を搭載することで
写真撮影の可能性を大きく広げることに成功した高機能レンズ。定価で11万円と高価であ
るにもかかわらず、発売直後からバカ売れして常に品切れ状態が続くほどの大ヒットレンズ
となり、「ニコンのデジタル一眼レフを持っている人は絶対に購入するべき。」という声が多く
出ているほどの定番中の定番レンズとなりました。発売から1年7ヶ月が経った今でこそ、や
っと在庫を置ける店が出てきたかな?という状態になってきたが、それでも2007年の春頃
までは2ヶ月待ちが当たり前とまで言われていたほどの人気ぶり。
しかし僕自身はつい最近まで今ひとつ購入意欲が沸かなかったというのが本音です。
それは高倍率ズームであるが故に、画質に悪影響を及ぼしているに違いないという僕の思
い込みと、開放F値の暗さが心の奥にブレーキをかけていました。
このレンズの存在が気にはなっても、僕と同じ理由で悩んでいる方もいると思います。

<ブレの有無が画質を大きく左右する>
写真の解像感に不満があり、それをレンズやカメラのせいにする人を時々見かけますが、
実はその殆どが何らかのブレであることが多い。晴天の明るい屋外ならばそれほどでもあ
りませんが、曇っている状態でさらに絞り気味で撮影をするとなると、レンズの焦点距離に
も大きく左右されますが大なり小なりの手ブレが発生してしまいます。はっきりとブレてい
ればまだ諦める事もできますが、手ブレとは認識できずに写真のシャープ感を損なう程度
のブレが意外とくせものなのです。
これは決して望遠レンズだけの話ではなく、ワイド〜標準域での撮影であっても該当する事
なのです。

とは言っても室内で腰を据えての撮影や、決まった場所から殆ど移動をしない風景撮影
等を除いては、いちいち撮影の度に三脚を使用するのは難しいと思いますし、軽いスナップ
程度の撮影に三脚や一脚を持ち出すのも厳しいと思います。そこで効果を発揮するのが
手ブレ補正機能(VR)です。
手ブレについては個人差もありますが、通常は「1/焦点距離:秒」が限界と言われています。
と言うことはこのレンズをテレ端(望遠側いっぱい)で使用した場合、焦点距離は35ミリ換算
で300ミリに相当するので、1/300秒を割ると手ブレが発生しやすくなるのに対し、4段分の
シャッター速度でも補正を期待できるとの事ですから、1/15〜1/20秒程度までなら補正効果
を期待できると言うことになります。
また、このレンズは中望遠〜望遠域だけではなく、18ミリからのワイド側にも手ブレ補正機
能を搭載している点も大きな魅力といえます。
ただし一点だけ注意が必要なことは、VR機能は手ブレに対してはある程度の補正効果は期待でき
たとしても、被写体が動く事によって生じる「被写体ブレ」には全く効果はありません。

<やはり評判どおりのレンズです>
さて、実際に使ってみるとこれが予想外に良い感じ。やはりワイド側であっても手ブレ補正
機能が画像の解像感アップに与える効果は大きく、思っていた以上にスッキリとシャープな
画質を得ることが出来ます。
ただし、シャープな解像感を得られるのはワイド〜標準域までで、200mm域の写りは若干甘め
なのは仕方ないところでしょうか?VR 70-200mm F2.8の200mm域の写りと比べてしまうと
さすがに及びません。
ですが、ワイド18mmから望遠200mmまでをカバーする焦点距離はとても魅力的です。
(35mm換算で27mm〜300mmに相当)
1周が200メートル以上のグラウンドでの運動会には物足りないかもしれませんが、1周が
100メートル以下の(幼稚園くらい?)グラウンドでの運動会ならこのレンズ一本で全てのシー
ンをカバーできそうです。

ネットの情報によると、レンズを下に向けた時にズームが伸びてしまうという現象も見られるようで
すが僕のはまだ新しいからでしょうか?レンズを下向きにしただけでは伸びませんし、手で摘
まんで伸ばそうとしても伸びる気配がありません。それとも改善されたのでしょうか?

とにかく、僕が抱いていた購入前の不安材料を全て払拭させてくれた素晴らしいレンズである事
は確かであり、もっと早く買っていれば、これまでの手ブレによる失敗写真のうちのいくつかは救え
た可能性もあったかと思うと、逆に残念で仕方がありません(苦笑)
(記:2007年7月30日)



↑ワイド端(18mm)の状態


↑テレ端(200mm)の状態。ちょっと間抜け??


↑付属品はフードとソフトケース。


↑テレ端(200ミリ)にてVRをオフにしての手持ち撮影。
↓1/10秒という悪条件ですからブレて当たり前です。




↑テレ端(200ミリ)にてVRをオンにしての手持ち撮影。
↓1/10秒という悪条件ですが、なんと手ブレがかなり抑えられています。




↑普通ならば三脚が必要となる夕暮れ時の撮影。これが手持ちでいけてしまうのは驚きです。


2007年7月末現在の実売価格は8万円前後です。

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