Epiphone Limited Edition 1958 Korina Flying V (2016 model)

エピフォン 1958コリーナ フライングV (2016モデル)





       
<Photo :とんかつサンド>



【僕にとって初めてのエピフォン、そしてフライングV、そして最も、、、】
今回、僕が新たに購入したギター、エピフォン 1958コリーナ フライングV (2016モデル)です。
ちなみにギターの製造年としては2017年製ですが、2016年から新たにリリースされたモデルということで2016年モデルとなっています。

どうでも良いことですが、僕にとって初めてのエピフォン製品であり、初めてのフライングVでもあります。
また、実売価格44,000円での購入ということで、高校時代から今日までに僕が新品購入したギターとしては最も安価なギターでもあります。


【コリーナとは】
さて、このギターのモデル名にある“コリーナ”とは、このギターに使用されている木材の事であり、一般的には“リンバ”と呼ばれている木材です。

ちなみに、このコリーナ材、いろんなところで“とても希少な木材”として説明されていますが
ワシントン条約で規制されている、超希少なブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)などの“希少な材”とは大きく意味(方向?)が異なります。

コリーナ材そのものは、家具や建築資材、合板の材料などとして大量に流通している、むしろ安価な部類の木材です。
では、なぜ希少とされているのか?ですが、丸太の原木の心材には茶褐色の色が付いており、その部分をブラック・リンバとして主に家具や内装材等に使用され
その周辺の白色っぽい部分がホワイト・リンバとして楽器や他の資材用として使用されています。

このホワイトリンバがギター用材として使用される場合、辺材であるという事と、乾燥の過程で割れが生じやすい木材であることから
ギター用として使えるサイズの木材を安定して大量に確保するのが難しいという理由が一つ。

ギブソンではカスタムショップ製のコリーナVやエクスプローラーが限定モデルとして発売される事がありますが
エクスプローラーにはホワイトリンバの単板が、そしてフライングVにはホワイトリンバをセンター2ピース(V接合 )にて使用される事がリアルなリイシューモデルを作り上げるうえでの最低条件となります。
これらの仕様を満たすために必要なサイズと品質を満たした木材の確保が難しいということらしいです。

もう一つの理由は、コリーナ材を加工する段階で発生する木くずや粉末が肌に付着すると皮膚炎を起こす事があり
取扱いには十分な注意が必要という点から、他の木材ほど多く使用されないという事もあるようです。

では、どうしてエピフォンブランドでは5万円前後という価格帯でコリーナ材を使用することが可能となったのか?

エピフォンは1998年からコリーナ・ギター(V&エクスプローラー)の発売を開始し、その後に一旦廃版となる2011年までに様々な仕様&生産国のコリーナ・ギターを製造してきました。
この様々な仕様に関し、海外のフォーラムでは色々と情報交換がされているようです。

ちなみに、日本国内で流通している多くのエピフォン製コリーナ・ギター(〜2011年迄)の場合、
マルチピースによるアルダー材をベースとし、その表裏に薄いコリーナ板を貼り合わせたものがボディ材となり、ネックにはメイプルが使用されているタイプが殆ど。

これに対し、2016年11月から新たに発売された1958コリーナ フライングV (2016モデル)では大幅な仕様変更がされています。
その仕様変更とは、2016年モデルではボディもネックも全てがコリーナ材によって構成されている点です。

では、どうして5万円前後という価格帯でオール・コリーナ仕様が可能となったのか?

ボディ材についてはセンターV接合による2ピース構造ではなく、50ミリから150ミリ程度のランダムな材幅によるコリーナ材をネックと並行に3〜4ピース接合し、
それをいかにもセンター2ピース(V接合 )にて使用されているかのように配置されたコリーナ材の薄板をボディの表裏面に貼り付けることで、ヴィンテージ(本物の)コリーナ58Vの雰囲気を再現させています。

それでは実際に、僕のコリーナV(2016年モデル)のキャビティ内から見える木目や色味と、材木図鑑に掲載されていたコリーナ材の画像を比較してみましょう↓。

↑こちらはホワイトリンバの画像



↑こちらはピックアップキャビティ内の画像


鉛筆とマジックにてサインがされているディープジョイント部がネック材で、その周囲はボディ材となりますが
ホワイトリンバ材の画像と比較してみると、このギターに使用されている木材はネックとボディ共にホワイトリンバ(コリーナ)材であることがわかります。





【楽器としてはどうなのか?】
ということで、コリーナ材に関する説明が長くなってしまいましたが、次は楽器としてのレビューをするとしましょうか(苦笑)

まず、ネックの握りがいかにもギブソンな感じで、しかも1958年製のリイシューということもあるためか、手の大きな僕でさえも太いと感じます。
ヒスコレの58レスポールに近いイメージですかね。

実際にアンプを通してみると、1999年製のヒスコレ・レスポールに搭載されていたピックアップ、“57クラシック”に似てるな〜と思ったら、それもそのはず
このエピフォン 1958コリーナ フライングVに搭載されているピックアップ、Epiphone Alnico Classic(フロント)、Epiphone Alnico Classic Plus(リア)は、ギブソンの57クラシックの廉価版であるとの事。

それにしても、この1958コリーナ フライングV、とてもハイクオリティな弾き心地とトーンですね(驚)
目隠しをした状態でこのギターを弾いたとして、これがカスタムショップ製のギターですと言われても納得してしまうほど素晴らしいです。
木工精度も素晴らしく、細部の仕上げ処理も丁寧で文句なし。
これが5万円程度で手に入れられるとは、、、。

あ、あと僕にとって人生初のフライングV、思っていたよりも弾きやすかったです。
ハッキリ言って食わず嫌いでした(汗)
(記:2017年8月20日)









↑50年代当時は不人気の為に全く売れなかった “モダニスティック・シリーズ”の2機種。

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