東洋リビング製・防湿庫


オートドライ ED-51SS


(撮影:とんかつサンド)


一眼レフ用レンズにとってカビが大敵であるという事はもはや周知の事実。実際僕も、ミノルタの
銀塩カメラ&レンズをカメラバッグに入れっぱなしにして、レンズにカビを発生させてしまった経験
があり ます。でも、こう考えている人はいませんか?
「でも、今まで生きてきた中でガラスにカビが生えてるところなんか見たこと無いよ。レンズも
そう簡単にカビなんか発生しないんじゃない?」、、、と。しかし、この疑問についてはカビの発
生する条件を理解すれば、すぐに間違いだと気付きます。カビというものは、湿度60パーセント以上
温度15℃以上で日当たりが無く、空気の動きの無い場所で発生する。つまり、人目に晒されている
ガラス面には発生しにくいという事になりますので、普通の人がガラス面にカビが発生している場面
に遭遇する確率はとても低いという訳です。ところが一眼レフ用レンズとなるとどうでしょう?レンズ
キャップをしたままカメラバッグに収められ、空気の動きも無く、太陽の光りに晒されることも無
い状態で放置されていたとしたら、、、。しかもカビはコーティング皮膜などの有機物質が大好物
なんです。どうですか?これでもあなたは心の底から「俺のレンズにカビなんか生えないよ。」
と言い切れますか??(笑)

実は今回の防湿庫を購入するまで、僕は大きなタッパーみたいなケースに乾燥剤を入れて除湿をする
ドライボックスを使用していました。僕が使っていたものは湿度計も付いていて、入れっぱなしにして
も湿度が下がり過ぎることも無く気に入っていました。しかし、出し入れの度にフタのロックを外し
その上にたとえ少しでも積もっているであろう埃が、ケースの中に入り込まないよう注意しながらフタ
を開けて機材を出し入れする動作に徐々に不満を感じていたのです。そこでいよいよ防湿庫の導入と
相成りました(笑)

随分と前置きが長くなりましたが、今回購入したのは「東洋リビング」というメーカーの「オートド
ライED-51SS」というもの。実は他に「トーリハン」というメーカー(実はこの二つのメーカー、元々
は同じ出処だったらしい)の防湿庫もあったのですが、デザインがオートドライシリーズの方が好み
に合ったのでパスしました。

東洋リビングのオートドライシリーズに採用されている防湿システムついては、すっごいハイテクな装置
が搭載されているかと思いきや、実は至って単純(?)なもの。基本的にはドライボックスと同様に
乾燥剤による除湿方式となる。「電子ドライユニット」とは呼んでいるが、そのユニットの中に乾燥
剤が入っており、除湿中は庫内側の窓が開いた状態にして乾燥剤に湿気を吸着させる。やがて一定湿度
に達したら庫内側の窓を閉め、庫外側の窓を開けて乾燥剤を熱して湿気を庫外に放出させることにより
庫内の湿度を一定に保つ仕組み。


↑これが「電子ドライユニット」


↑背面から湿気を放出します。
写真上側に見えるコードは、充電機などをセットするためのトップコンセント。

実はこの2007年4月からオートドライシリーズは一新されているのをご存知でしょうか?今までの
スーパースペシャルシリーズは、「ED-121SS」「ED-151SS」を除く下位モデルの全ての湿度計がデジタ
ルに変更されている。それ以外は全く同じなのに何故か定価が1500円〜2000円程度上がっている。
その他では、光触媒機能をユニット内に装着して除菌効果も持たせたという「オートクリーンドライ」
シリーズも登場した。(スタンダードシリーズに5000円プラスくらい)しかしこれの効果について
はちょっと眉唾だと思う(爆)
ということで光触媒付きはパスし、またデジタル湿度計もイマイチ好きじゃない。僕は時計もアナログ
派なので、あえてこの旧モデルを選びました。


↑ドイツ製のアナログ式 湿度&温度計

さて、実際に設置してみると意外にも防湿庫そのものの剛性が高く、しっかり感がある事に驚いた。
ホームセンターなどで売っている安物のスチールラックとは違い、筐体にたわみ感は全く無い。また
ガラス扉のたてつけもしっかりとして、値段相応の質感を感じます。
内部については、引き出し式のトレイがとても使いやすくてグッド。内部でレンズが転がらないように
波型にスポンジが成形されているので、レンズも良い感じに収まります。



ところで、オートドライの取り扱い説明書を読んでみると、一つの疑問にぶつかります。それは「カメ
ラやレンズのキャップは密閉性のあるものですと湿気がこもったままになりますので、外して保管して
下さい。」という一文。これについては過去に価格コム上で疑問を投げかけた事があり、大変多くの
レスを戴いたのですが、その殆ど全員が「キャップを閉めたまま保管している」というもの。確かに
レンズの前後キャップを閉めたままでは、外部の空気と湿気を鏡筒内に閉じ込めたままになってしま
うような気がする。かといって前玉と後玉をさらけ出したままでは、取り出す際にどこかにぶつけて
キズを付けてしまう可能性も否定できない。ということで、僕もキャップを閉めた状態で保管している。

以上、結果としてはカメラ機器の出し入れがとても楽になり、見栄えも良くなりとっても満足です。
さて、もうすぐ梅雨の季節ですが、あなたのレンズのカビ対策は大丈夫ですか??

(記:2007年4月15日)

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