(下記レビューはあくまでも私が個人的に感じた事であり、人によって感じ方に差があることをご理解願います。)
<Photo :とんかつサンド> (2013年8月11日 内容更新)
<最近のブラウンって人気無いよね?>
僕は基本的にヒゲが伸びているのが嫌いなので、毎日欠かすことなくヒゲを剃っている。そして本格的にヒゲを剃りはじめてから約20年間、ずっとブラウンの電
気シェーバーをフルモデルチェンジごとに買い換えて使用してきた。ジレットなどのT字カミソリメーカーがあたかも気持ち良く剃れる様な新製品を発売すると、すぐ
にそれらを買ってみたりもしたが、もともと肌が弱いせいで顔が血まみれになってしまい、結果的にすぐに電気シェーバーに戻ってしまうのだ。
さっきはブラウンを使い続けてきたと書いたが、実はその間に他のメーカー製にも浮気をしている。しかし、いずれも直ぐに使用を止めてブラウンに戻っているので
基本的にはブラウン派であることに間違いは無い。
途中で手を出したシェーバーの一つ目はフィリップスの丸い網刃が複数あるタイプ。これは確かに肌には優しいのだが、どうしてもシェーバーのスイートスポットが
掴めずに上手く剃る事ができなかった。特に鼻下のヒゲを剃るのはとっても難しく、1週間も使わないままタンス行き決定。次に手を出したのが、ナショナルのラム
ダッシュの弟分にあたるシステムスムーサー。これは深剃りができたのだが、かわりに肌への負担が大きく直ぐに出血してしまった。また、当時併用していたブ
ラウンのシンクロ7000シリーズのマルチパターン網刃に比べて外刃の網目穴が小さく、上手くヒゲを捉えることができていない感じだった。ということでまたブラウ
ンに戻るまでにそれほど時間は掛からなかった。
しかし、度々刃を交換しながら使い続けてきたシンクロシリーズも8年以上が過ぎ、いよいよ限界になってきた。そこでそろそろ新しい電気シェーバーを探し始める
ことになるのだが、ここ数年のブラウンシェーバーはとても評判が悪く、市場はパナソニック(ナショナル)のラムダッシュが圧倒的ともいえるシェアを掴んでいる。
特に決定的となったのが、2年ちょっと前に新発売されたプロソニックシリーズ(BS95XX)。これは設計ミスなのでは?という評価も多く見られるほど不満の声が
多かったもので、全く剃れないという声があるにも拘らず、メーカー側の「それは剃り方が悪い。」という回答に昔からのブラウンユーザー達を失望させることにな
った。
僕も実際に店頭のプロソニックお試しキャンペーンの時に何度か試し剃りをさせてもらった事があるのだが、確かに当時のプロソニックは、「人を馬鹿にしている
のか?」と思えるほど剃れなかったのを覚えている。しかしあまりにも不評が相次ぐ現実をブラウンも認めたのか、スモールマイナーチェンジ版の新シリーズ(BS97
XX)から刃のセッティングに変更を施した。しかし、それでもユーザーの信頼回復には至らず、この後も市場での低迷が続くことになる。
<とっても気になるラムダッシュ>
そんな中、当時のナショナル(現パナソニック)からは世界初の4枚刃を搭載した新型ラムダッシュが発売されるやいなや、これが深剃りができるのに肌にも優しい
との評判で、あっという間にシェーバー人気ナンバー1の座を獲得することになる。このあたりの評判に関しては、価格コムの掲示板やレビューを見るとまるで関係
者による工作活動なのか?とも思えてしまうほど良い評価の書き込みが目立つことでも理解できる。
そんな事もあり、自然と僕の中での選択肢からブラウンは外れ、パナソニックのラムダッシュに興味を抱くようになっていた。
しかし、ラムダッシュに対しても全く不信感が無かった訳ではない。というのも以前使っていたシステムスムーサーと、ラムダッシュの4枚刃の外側の2枚の刃の構造
が基本的に同じだからである。そこでここは一旦冷静になり、ブラウンの近況も調べてみたところプロソニックは途中から刃のセッティングを変えたり、マイナーチェンジ
などによって剃り味が向上しているという情報も多くなってきており、特に新シリーズの「シリーズ7」はラムダッシュにも迫る深剃りが出来るという評価もちらほらと見か
けるようになっていた。そこで色々と悩んだのだが、結局は市場の圧倒的な人気に負けてラムダッシュのLA10(4枚刃)を購入したのだった。
<4枚刃のラムダッシュを買ってはみたものの・・・>
そして実際に4枚刃ラムダッシュを使ってみたところ、正に購入前に抱いていた不安が的中した結果となった。
確かに4枚刃ラムダッシュのウリである、厚さ41ミクロンの網刃を採用した「フィニッシュ刃」が捉えたヒゲは根元から切断されていることは実感できた。しかし、そのフィ
ニッシュ刃がヒゲを捉える率が低い為か、何回か往復させても剃り残しが発生してしまう。また、以前のシステムスムーサーと同様に、外側のメイン刃(?)の網刃の開
口面積が小さいためか、ヒゲを捉える率はそれまで使用していたブラウンのシンクロ7000シリーズの方が優れているという印象を受けた。
また、肌への負担が少ないという世間の評価については、確かに4枚刃によって肌への接触面積が大きくなったことで、圧力が分散されて優しくなった印象を受ける。
しかし鼻下などを剃るためには細長い外側の刃を使うため、逆に肌に対して大きな負荷が掛かってしまい、気がつくと肌がヒリヒリと痛み、場所によっては出血してしま
っていた。しかし、使い始めのシェーバーは刃のアタリが取れていないことによって本来の性能を発揮できないということはよくある話である。そこで満充電の状態から
バッテリーが無くなるまでの合計約40分、時々オイルを注しながら5分程度づつ電源を入れて慣らし運転を実施した。しかしその後三日間ほど色々と剃り方を変えながら
試してきたが結果はいまひとつ。こうなると購入前に悩んでいたブラウンのシリーズ7の存在が気になってくる。
そして数日後、なぜか僕の手元にはブラウンのシリーズ7(720)が、、、。
<プロソニックに似ているがプロソニックにあらず?>
結局買ってしまったブラウンの新型シェーバーですが、手にしてみた印象としてはラムダッシュよりも高級感というか洗練された印象を受ける。このあたりは日本人とドイ
ツ人とのセンスの違いという事なのだろうか?
ラムダッシュの最安グレードにあたるLA10は見た目にいかにも安そうなカラーデザインなのに対し、シリーズ7の最安グレードにあたる720は精悍なピアノブラック仕上げに
なっており、最安グレードであることを感じさせない外観となっている。
ちなみにこのブラウンの新シリーズ、見た目はプロソニックシリーズに酷似しているがどこにも「プロソニック」の文字は無く、代わりに「Series7」というネーミングが与え
られている。
また、変わったのはネーミングだけではなく、ヘッドの振動を3段階に可変させて深剃り具合を調節できる機構もプラスされたのだが、基本的にはプロソニック(BS97XX)
のマイナーチェンジ版だと考えてよい。
この新シリーズには本体だけの「720」から、至れり尽くせりの「790cc」までの4種類が用意されているが、シェービングに関する機能は全て共通なので、自動洗浄に拘
らなければ「720」が最もお買い得ということになる。
<ブラウンは慣らし運転が必須>
ということで早速剃ってみるが、肌への負担はラムダッシュとは比較にならないほど優しい、、、、だが剃れない(爆) しかしこの時点で剃れない事は想定範囲内であ
る。というのも、ブラウンに関しては新品の刃のままではあまり剃れず、ある程度アタリが取れてからの方が剃れるということは20年間の使用経験から把握している。
その証拠に、網刃に若干のオイルを付けてしばらくシェーバーを作動させた後、ティッシュで網刃の表面を軽く拭いてみる。すると金属が削れることで発生する黒いスラ
ッジがたっぷりとティッシュに染み付く。ところがこの現象に関してラムダッシュでは殆ど見られなかった。つまりラムダッシュでは内刃と外刃が高い精度で加工されてい
るために、新品のままでも製品本来の剃り性能を発揮していることになる。このあたりも日本とドイツの違いということなのだろうか?しかし、この違いが日本人ユーザー
の評価を二分する大きな要因になっているとも思える。
で、途中に休憩を入れながら約60分ほど掛けて慣らし運転を実施してみるが、黒いスラッジがいつまで経っても発生する。更に慣らしを続け、スラッジの色が薄くなってき
た時点で一旦水洗いし、乾燥させてブラウン純正シェーバークリーナーを吹き付けて再度乾燥させる。あ、今まで書き忘れていましたが僕は自動洗浄が嫌いです。理由
は「道具の手入れも愉しみの一つ」・・・というのは半分ウソで、以前のシンクロ7000が自動洗浄だったのですが、同じ洗浄液を循環させて洗い続ける事に抵抗があるの
が一点。それと本体に替刃を装着したままの水洗いが出来る事により、昔に比べて手動洗浄が段違いに楽になり、大した手間とは感じないのが一点。
そして自動洗浄機能無しのものに比べて価格が高価になるのと毎月500円くらいする洗浄液の購入が苦になり、結局は使わなくなるからというのが主な理由。
とまあ自動洗浄の話はこれくらいにしておいて、慣らし運転後の試し剃りをしてみると明らかに一発目のそれとは違う剃り味。使い始め一発目の時には剃った後もザラつい
た感触が残っていたが、慣らしを終えた後の感触はT字のようにツルツルとまではいかないまでも、かなりそれに近い感触となる。しかしそれ以上に肌が全く痛くない事が
何より嬉しい。
これはあくまでも僕個人の感想だが、ある程度慣らし運転を終えたシリーズ7は、ラムダッシュ4枚刃にも負けず劣らずの深剃り性能を発揮すると言っても決して過言ではない。
一般ユーザーによるプロソニック(BS97XX)やシリーズ7のレビューを読むと、1週間〜2週間ほど使い続けたあたりで「使い方のコツが掴めてきたのか、最近は深剃りが出
来るようになってきた。」と言うフレーズをよく見かける。しかし実際にはコツを掴んだというよりも、刃のアタリが取れて慣らしが終わったことによる要因が大きいように思える。
<最後に・・・>
価格コムで圧倒的な人気を誇るラムダッシュも僕にとっては残念な結果となったが、以前に買ったシステムスムーサーも似たような傾向であったので、僕の肌がパナソニック
のシェーバーには合わない「ブラウン肌」であっただけなのかもしれない。
一方このブラウン「Series7」は、箱から本体を出して初回のシェービングからいきなり本来の性能を発揮するものではなく、時間の経過と共に馴染んでくるという事を理解して
使用する必要がある。この点が理解できていないと「なんじゃ?こりゃ?」となる可能性は高いと思う。しかし、もしもあなたが僕と同じ「ブラウン肌」であったとしたならば、この
「Series7」が肌に優しい深剃りを実現させる最良のシェーバーとなるのは間違いないと思う。
今後、これからの剃り具合がどう変化していくのかについては後日にあらためて追記していく予定です。
(記:2008年12月17日)
<↓2008年12月22日追加情報↓>
Series7を購入してから1週間が経過し、最近は使い方のコツが掴めてきたのか"より"深剃りが出来るようになってきた(爆)
Series7には、ヘッドの振動を3段階に可変させて深剃り具合を調節できる機構があることは以前にも書いた。しかし、より深剃りを求めるあまり、最も強力なモードを使った方
が常に深剃りができると思ったら大間違い。確かに振動を強くすれば、毛穴に埋もれているヒゲを浮かび上がらせて深剃り出来るようなイメージがある。しかし実際には、最も
強力にしてしまうと、逆に振動が強くなりすぎてしまい、仕上げ剃りの際には自ら外刃と肌の密着度を下げてしまっている感じがする。したがって剃り初めはMAXパワーモード
で大まかに全体を剃り、次にMINパワーモードで優しく仕上げ剃りをした方がより深剃りができる。(実際には始めのMAXパワー剃りの時点で9割は剃り上がっているのだが。)
こうする事により、アゴまわりなどはツルツルに仕上がる。また、一般的に電気シェーバーが苦手とする鼻下に関しても、ツルツルとまではいかないが、今まで使用してきた
どの電気シェーバーよりも深剃りができ、且つ4枚刃ラムダッシュと同等の剃り上がりになる。しかしラムダッシュの場合はヒリヒリ&出血してしまうのに対し、Series7の場合の
肌は全くダメージを受けていない。
使用後のお手入れもシンクロ7000シリーズとは比較にならないほど簡単。お湯とハンドソープを使い、説明書のとおりに洗えば5分も掛からない。また、洗浄後の注油には
付属のオイルは使用せずに、ブラウン純正のシェーバークリーナーの使用を断然お勧めする。というのも、手入れにオイルを注してしまうとシェービングの際に顔に油が付着
してしまい、肌がベタベタになって気持ちが悪いから。しかしブラウン純正のシェーバークリーナーはアルコールが主成分なので、嫌なベタつき感が無くさらっとしたシェービン
グ感と爽やかな香りが心地良い。
ということで、また後日に追記していきます。
↑これがお勧めのシェーバークリーナー。
<↓2009年4月2日追加情報↓>
(Series7って網刃と内刃が分離できないけど・・・)
昔からのブラウンユーザーにとって、プロソニックシリーズ以降の機種に対して最も違和感を感じるのが網刃と内刃が分離できない点ではないだろうか?
事実、僕も購入前には「網刃が外せないのでは、内刃をブラッシングできないから不安・・・」という思いを抱いていた。しかし結論から言ってしまうと、プロソニック以降のモデル
では内刃のブラッシングが不要なのだ。というのも、プロソニック以前のモデルでは、本体に内刃と網刃をセットし、動作させた状態で流水洗浄を行うことが出来なかった。
ところがSeries7ではそれが可能なため、刃カセットを付けて動作させたままの流水洗浄だけでも、内刃を単独でブラッシングさせたとき以上のクリーニング効果がある。
試しに流水洗浄後に刃カセットの裏側から内刃を覗いてみると、内刃がピカピカになっているのが確認できる。
(但し、冷たい水よりも40℃前後のお湯と適当な洗剤を使用した方がより効果的)
つまり、動作させたままの流水洗浄ができるSeries7では基本的にブラッシングは不要であり、事実、僕はこのSeries7に対してこれまでに一度もブラッシングを行ったことが無い。
(僕の場合は、おおよそ3日〜4日に一度、1〜2分程度の流水洗浄を実施している。)
<↓2009年8月27日追加情報↓>
Series7を使い始めてから8ヶ月が経過した、お盆休み中のこと、ついに本体下部にある替刃カセット交換ランプが点灯した。
取説によると、このランプは約18ヶ月ごとに点灯すると書いてあるが、僕の場合は実に10ヶ月も早く点灯したことになる。ちなみに僕がシェービングに掛ける時間は平均し
て約5分なので、ブラウンが想定しているシェービング時間は2〜3分といったところなのだろうか?
しかし、8ヶ月が経過した現在においても、その剃り味に何ら衰えは感じられないので、僕はそのままリセットボタンを押して交換ランプを消した。
<↓2009年10月20日追加情報↓>
2009年10月からブラウンのシリーズ7がマイナーチェンジされて、720S-3という型番になった。
しかし、シェーバー本体はこれまでの720と全く同じもので、替刃が「ディープキャッチ網刃」というものに変更されただけのようだ。
つまり、従来のシリーズ7であっても、替刃をディープキャッチ網刃に交換すればマイナーチャンジ版の720S-3と全く同じものになるということになる。
ちなみにディープキャッチ網刃とは、網目の大きさを従来に比べて最大34%拡大。ヒゲをより根元からとらえやすくし、また、さまざまな向きに生えているヒゲをヘッド全体でと
らえるために、899パターンもの異なる形状の網目を配置しているということらしい。
見た目にもこれまでの花びらが並んだような模様から、昔懐かしいオーソドックスなパターンに変わっている。
今度、替刃をこのディープキャッチ網刃に交換した際には、またレビューを書き加えていきたいと思う。
↑マイナーチェンジされたディープキャッチ網刃
<↓2013年8月11日追加情報↓>
このシリーズ7(720)を購入して4年と10ヶ月が経過した。
今年(2013年)の5月に網刃を最新のタイプ(ディープキャッチ網刃)交換したのだが、実を言うと本機を購入してからの約4年7ヶ月ほどの間、一度も網刃を交換していなかった。
理由は簡単で、長い間、特にシェービングに支障をきたすほど剃り味が大きく低下することが無かったからだ。
しかしこの春、さすがに4年超は使いすぎだろうと言う事で最新タイプの網刃に交換したのだ。
今回は、約束どおり最新式のディープキャッチ網刃に交換してみた感想を書いてみたい。
まず、刃を交換していきなり驚かされたことがある。
刃を交換して髭を剃ってみると、いきなり普通に良く剃れるのだ。
従来のブラウンシェーバーでは刃の慣らしが必須であることは上記でも書いたが、今回の網刃は使い始めからいきなりよく剃れる。
一応、シェーバーオイルを塗布して空作動させてみたのだが、従来の網刃のように黒いスラッジも全く発生しない。
内刃と外刃の組み付け精度が向上しているのだろうか?
念のため、一応慣らし運転はしてみたものの、やはりスラッジは発生せずにそり味も特に使い始めの状態から大きく向上することも無く、普通に良く剃れている。
元々旧型の網刃の時も十分満足のいく剃り味であったこともあり、新しい網刃がそれと比較して剃り味が向上しているとも感じられないのが正直なところ(苦笑)
あ、でも、あごの下に生えるクセ髭は確かに以前よりもよく捕らえてカットしているかもしれない。
という事で、替刃購入に支払った代金分の効果がよく判りにくい、微妙な感じであった(苦笑)
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