ホンダ 新型Fit L (DBA-GE6)






<Photo :とんかつサンド>



<とりあえず半年間ほど乗ってみた>
僕は2001年11月に納車された初代フィット(1300cc)を7年間乗り続けてきたのだが、2008年の夏にエアコンが故障してしまった
のを口実に2代目の新型フィット(1300cc)に買い替えをした。その後半年間に渡って乗り続けてきた感想をこの場でお伝えした
いと思う。

いきなり結論から言ってしまうと、2代目フィットは外観的に初代とそれほど大きな変化は見られないが、中身的には劇的な進化を
遂げているクルマに仕上がっていると強く感じた。

<動力性能>
まず最も大きな変化としては、CVTの改良による動力性能の向上が顕著に感じられる。というのも初代では、大人2人に子供2人を
乗せた状態でのゼロ発進加速はとても褒められたものではなく、まるでセカンド発進をしてしまったのかと勘違いするほどの遅さ。
特に緩やかな上り坂での追い越し加速は閉口もので、アクセルを床一杯に踏み込んでもエンジンが大きく唸りをあげるだけでスピ
ードメーターの針は一向に動かない。これはエンジンの能力が低いというよりも、CVTの伝達ロスによるところが大きいと感じていた。
 それに対して新型ではゼロ発進時にも十分なトルク感を感じることができ、緩やかな上り坂での追い越し加速も初代とは比較にな
らない加速感がある。またCVTそのものにもこれまでには無かったダイレクト感が感じられる。
 実は初代の走行性能のダメっぷりをうけて、次回の買い替えの際にはフィットよりもひとまわり大きなクルマにするか、或いはフィ
ットであるならば1300ccではなく、1500ccにしようと考えていた。しかし、先代が故障した時に1300ccの新型フィットを試乗したのだ
が、この時に走行性能が大きく向上していることを実感できたこともあり、これなら次回も1300ccのフィットで十分なのでは?と考
えさせられた大きな要因となっていたのだった。
(先代の1500ccフィットよりも、新型の1300ccの方がゼロ発進では加速感があるとの噂話も聞いていた。)
とりあえず半年間乗り続けた現時点に置いて、走行性能に関して大きな不満は無い。

<室内に関して>
次に、室内に関しては全体的にいくらか広くなっている様子。特に後部席は、日ごろ後ろに座っている子供たちによると、ひざと前席
シート背面との隙間が広くなっているとのこと。
 前席に座ってみて気がつくのは、フロントガラスの大型化に伴いダッシュボードが奥へと広くなった。そのため、ダッシュボードやフ
ロントガラスの拭き掃除をする際に、奥の方を拭き取る為には相当手を伸ばす必要があり、結果的にとても拭き取りにくい。また手
前方向へも広くなっているので、夏の日中下ではフロントガラスの真上から入射した光が腿に当たり、とても熱くなる。
 内装に関しては、初代と比較すると少々コストダウン化したことが感じられる。しかし特殊なコーティングや処理も一切施されてい
ないプラスティックそのままの素材感むきだしの内装は、80〜90年代のドイツ車の内装を髣髴とさせ、部分的に布生地やビニール
生地を貼り付けて無理に高級感を出そうとしたものよりもかえって潔さすら感じてしまう。
 しかし一点だけ残念だったのが、初代にはシフトノブ前方のドリンクホルダー兼小物入れに豆球による灯りがあったのに、新型
ではこの灯りが省略されてしまった。そのため、夜にはこの部分が真っ暗になってしまい、ホルダーの場所が分りにくくなってしまっ
た。

その他で気になった事としては、車輌への乗り降り時に掴む取っ手(ハンドル?)が初代では座席に対して斜め前方にあったのに
何故か新型では座席の真横に設置されている。しかしこの位置では全くといって良いほど使えず、人間工学に反した設計だと言え
る。これと同じく人間工学に反した設計だと思うのが、リアハッチ開閉用の手を入れる窪み。例えばハッチを閉める際に、初代では
開いたハッチの手前側に向かって窪みがあったため、そのまままっすぐに手を伸ばせばよかった。ところが新型では室内側に向け
て窪みがあるために、手首を返して挿しこまなければならずとても閉めにくい。それとも初代の方式で何か手を挟むような事故でも
あったのだろうか?

また、初代でもそうであったのだが、サンバイザーの裏面に装備されているエチケットミラーが運転席側にしかなく、助手席側には
付いていない。これはオプションにも設定されていないので是非とも採用して欲しい。
もう一つ初代と同じく不便なのは、純正ナビを選択すると時計がナビ画面の片隅に小さく表示させるだけでとても見にくい。せめて
時計だけでも独立させて装備してもらいたいものである。

 それと初代に対してドアミラーが大型化しており、2リッターから3リッターのミニバン並みの大きさになっている。このため、初代の
感覚で狭い道を走っていると、対向車とすれ違う際にミラーがぶつかりそうになることが度々あった。
(初代フィットでも後期型から既に大型化している)

メーターパネル内には液晶によるオドメーター(距離計)の他に燃費計も表示されるが、この燃費表示はかなりアバウトなものであ
り、ドライバーに対してエコ運転を意識させるためのオマケ機能だと思う。

<HDDナビは凄い!>
純正ナビに関しては劇的な進化を遂げている。特に地図データがこれまでのCDロムからHDDになったことにより、比較にならない
程の情報量増加になっている。特に便利なのが、CDナビでは地図データのCDを入れている時には音楽CDを聴くことはできなか
ったのだが、HDDナビでは音楽CDは勿論、DVDビデオやMP3ファイルも再生することができる。また音楽CDに関しては自動的に
HDD内に取り込まれ、次回からはCDを入れなくても聴く事が可能となる。またHDDナビには標準でワンセグチューナーやバックモ
ニターカメラも装備される。特に一旦バックモニターのある生活に慣れてしまうと、モニターの無いクルマではバックが不安になって
しまうほど便利なアイテムである。
但し、ワンセグ放送やDVDビデオを走行中に観る事はできず、サイドブレーキが引かれた状態でなければ画面は表示されない。

<最後に>
新型である2代目フィットは室内の細かい装備に若干の不満はあるものの、それでも初代の欠点を徹底的に洗い出して作られたク
ルマであることを感じさせる。特に動力性能の向上は素晴らしく、この部分だけでも十分に乗り換えをするメリットがあると思う。
これからも引き続き、気がついた点を追記していきたい。
(記:2009年1月5日)

ホンダ純正インターナビの裏技

初代フィットのインプレ

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