グラフィックボード ATI Radeon(ラデオン) HD5870

SAPPHIRE(サファイア) HD5870 1G GDDR5 (Original)





<Photo :とんかつサンド>



【いよいよ9600GTに限界を感じ・・・】
僕は特にPCゲームをあれやこれやとプレイする方ではなく、これまでAVA(Alliance of Valiant Arms)というゲームをチョコチョコとプ
レイする程度であった。
このゲームはPCの要求スペックがそれほど高くは無いので、今までのグラフィックボードであるGeforce9600GTでも大きな不満は
無かった。
ところが最近、立て続けに導入をした「F1 2010」と「Call of Duty Black Ops」という2つのゲームは、今年の秋以降にリリースされた
だけあって、そこそこのPCスペックを要求される。
特にCall of Duty Black Opsのマルチプレイ時には、解像度や各種エフェクト類を低めに設定しても、複数の敵が現れるとフレームレ
ートは30fpsくらいにまで落ち込んでしまう。
そこでいよいよグラフィックボード(以下:グラボ)の交換を決意した。


【最近はNVIDIAよりもRADEONの方が元気あるらしい】
さて、グラボを交換するにあたり、一体どの製品に決めるのか?
今まで使っていたものがGeforceであったことや、様々なゲームはNVIDIAチップに最適化されていることが多いことから、僕は以前
からNVIDIAのGeforce GTX460を狙っていた。
しかし、どうやら最近の傾向として(同価格帯の製品で比べた場合)NVIDIAよりもRADEONの方がベンチ結果が良く、その割りに発
熱量や消費電力はNVIDIA系よりも低いということでRADEONの方が売れているらしい。
実際に近所のPCショップに行ってみると、NVIDIA系よりもRADEON系の方が品数が多く、価格コムのビデオカード売れ筋ランキング
においても、2010年12月19日現在ではトップ10位以内は全てRADEON製品が占めている。
NVIDIAのグラボは3D VisionやCUDA、 PhysXなどに対応している点が売りでもあるのだが、僕としてはいずれも特にメリットを感じ
る部分では無いので、今回はRADEONの中から選ぶことにした。

RADEONでは、つい最近HD6800シリーズとHD6900シリーズがリリースされたばかりであり、これらの製品が店頭の目立つ場所に
多数陳列されている。
しかし、それら最新モデルの中に混ざって僕の興味を引いたのが、この秋までRADEONのシングルチップ製品の中ではフラッグシップ
的存在であったHD5870である。
このHD5870が新モデルの登場によって低価格化しており、新モデルのHD6870とほぼ同額の2万円台前半の値がつけられている。

ここでRADEON製品にあまり詳しくない方のために簡単に説明させていただくと、型番だけを見る限りではHD6870はHD5870の後継
モデルであるかのように思えるが、事実上はHD5770の後継モデルと考えて大方間違いではないと思う。
HD5870の後継モデルはHD6950やHD6970が相当するようだ。
で、これら4種(HD6970、HD6950、HD6870、HD5870)を総合的な処理性能順に並べると、HD6970 > HD6950 > HD5870 > HD6870
という順番になる。
(参考までに、HD5870の処理能力をNVIDIAと比較した場合、GTX480 > HD5870 > GTX 470 という感じの位置づけになる)

価格別に見ると、HD6970は3万円台後半〜4万円台前半、HD6950は3万円台前半、HD5870とHD6870は2万円台前半〜2万円台
半ばとなっている。(2010年12月19日現在)
HD5800シリーズに対してHD6800、HD6900シリーズから採用された新機能については割愛するが、各モデルの機能・性能差と価格
差を考える限り、僕にとってはHD5870がベストチョイスであるという結論になった。
ということで、近所のPCショップで安売りしていたSAPPHIRE HD5870 1G GDDR5(Original)を購入した。



【Antecのゲーミングケースに組む際の注意】
持ち帰った新グラボを早速組み込むのだが、SAPPHIREのオリジナルクーラーが搭載されたこのHD5870はカード長が266mmもあり、
更に補助電源カプラーがボードに対して横向きではなく先端に付いているので、僕のケース(Antec DF-30)の場合ではボードの延長
線上の3.5インチベイにHDDが収まっているとハーネスとカプラー類が干渉してしまう。
ちなみに同じAntecケースのSix HundredやTwo Hundred(V2)などもDF-30と本体部分のシャシーは共通なので、このグラボを組む際
にはDF-30と同様に注意が必要だ。

 
↑AntecのDF-30に組む場合、グラボ取り付け位置と同じ高さの3.5インチベイにHDDが収められていると
 カプラーやハーネスが干渉するので注意。


【換装作業開始!】
先ずは9600GTを取り外す前に、「driver sweeper」というフリーソフトを使用してNVIDIA関係のドライバー関係を削除し、アプリ関係も削
除しておく。
そしてHD5870のグラボを組み込み、PCを起動させるのだが、ここでWindowsから「大きなシステム変更があったので、再認証しろ!」
と怒られる(苦笑)
で、画面上に表示されている認証コードをメモしてフリーダイヤルに電話をかけ、音声ガイダンスにしたがって新しい再認証コードを入
手して入力することで再認証作業はOK。

ドライバーのインストールに関しては付属のCDを使わずに、AMDのサイトから最新版の「 Catalyst Version.10.12」をダウンロードして
インストールさせた。
その後、PCを再起動させて画面の解像度を1920×1080に設定して換装作業は無事完了した。


【9600GTからの換装なので、速度アップは目が回るレベル】
早速いくつかのベンチテストを実行してみるが、やはり9600GTとの差は歴然。
(PC構成:Windows XP 32bit、 Core i7-860定格、メモリ4GB)

・モンスターハンター・フロンティア【絆】(1920×1080)
Geforce9600GT→3834
HD5870→9843

・FFXIVベンチマーク(HIGH:1920×1080)
Geforce9600GT→968
HD5870→4210 (CPUの動作クロックを定格の2.8GHzから3.8GHzにOC時のスコアは4575)


また、Call of Duty Black Opsのマルチプレイ時には1920×1080の最高設定にて概ね90fpsを下回ることも無く、F1 2010のベンチテ
ストにおいても1920×1080のオールエフェクト最高設定でMAX61fps、MIN57fpsというまずまずの結果を叩き出した。

画質に関しては、地デジなどを表示させた場合に9600GTに比べて彩度が高めでメリハリのある色合いになったことに気がつく。
まあ、このあたりは Catalystのカラー設定次第でどうにでもなる部分なので、「RADEONのHD5870だから・・・」ということよりも、カラー
設定の初期値の差と考えて良いだろう。

オリジナルのクーラーについては結構優秀で、AntecのDF-30に組み付けた状態ではベンチ実行時であってもファン音は特に感じら
れないほど静か。
GPU温度についてはFFXIVベンチマーク(HIGH)を実行した状態で70℃(室温20℃、CPUID HW Monitorにて)であった。
ちなみにアイドリング時には35℃をキープしていた。
ただ、一点だけ難な点として、このグラボに被せられているカバーのせいでクーラーフィンの掃除が厄介になること。
特にこのオリジナルカバーはグラボの基板から一旦クーラーユニットごと取り外さなければ分離できない構造なので、メンテ性が少々
悪い。
まあ、これはこの製品に限らずリファレンスを含めたカバードタイプ全般に言えることでもあるのだが、、。


【最後に】
グラフィックの処理性能に関しては、ベンチマーク目的ではなく僕がインストールしているゲーム(COD.BO、F1 2010、AVAなど)をプレ
イする限り全く不満は無い。
また、処理性能が高い割りに消費電力は(同クラス品と比較して)低いというところがこのHD5870の凄いところであると思う。

HD6970やHD6950といった新製品がリリースされたばかりの現時点において、2万円前半にまで値が下ったHD5870はRADEON製品
の中だけでなく、NVIDIA製品を含めて考えても大変魅力的なグラボであると思う。
(記:2010年12月19日)


【↓2011年1月7日追加情報↓】
OSをWindows XPからWindows 7に替えたところ、ベンチ結果が向上した。
(OS以外は上の測定条件と同じ)

・FFXIVベンチマーク 4210→4644

・モンスターハンター・フロンティア【絆】 9843→10011






↑付属品は日本語マニュアル、ドライバCD、補助電源用変換ハーネスとDVI→D-Sub変換コネクタ
 NATIVECROSSFIREケーブルを同梱する。


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