コーヒーグラインダー マッザー ミニ (ドーサータイプ)

COFFEE GRINDER ・MAZZER MINI DOSERS




<Photo :とんかつサンド>           (2012年11月25日内容更新)  


【エスプレッソマシンだけではなく、グラインダーの質も重要だよね】
コーヒーやエスプレッソを淹れる場合、粉の状態で保存されたものを使うよりも、抽出直前に豆から挽いて淹れた方が好ましい事は既に周知の事実。
そこでコーヒー・グラインダー(コーヒー・ミル)を購入する場合、今までの僕も含め、多くの方は「はたしてこの製品はエスプレッソ用に細かく挽く事がで
きるか否か?」という点に着目して製品を選ぶ事が多いと思う。
そうなると、流通量や価格などの兼ね合いからポーレックスの手挽きミルや、デロンギのKG364Jあたりが定番どころになると思う。

今よりも美味しいエスプレッソを目指したいと考えた場合、豆の質やエスプレッソマシンの性能、そして抽出に伴う諸条件(粉量、メッシュサイズ、タンピ
ングなど・・・)には着目するものの、コーヒーグラインダーの性能差という部分まではなかなか気が回らないのが普通だろう。
ところがちょっと深い部分に拘りはじめると、挽いた粉(以下:メッシュ)の質(カッティング方式、精度など)は本当にどーでも良いのか?いう疑問にぶち
当たる事になる。

家庭用のコーヒーグラインダーとして、おそらく最も売れている製品の価格帯は数千円〜2万円以内あたりだろうと思う。
しかし、世の中には軽く10万円を超える高価格帯のコーヒーグラインダーも存在している。
これら高価格帯のコーヒーグラインダーは主に業務用となるのだが、そんな中において世界中のプロのバリスタやホームバリスタ達にとって憧れのコー
ヒーグラインダー・ブランドの一つが「MAZZER」である。
(日本語読みとしては「マッザー」が有力らしいが、「マッツァー」とも呼ばれる。)


【コーヒーグラインダー界のフェラーリ、それが「MAZZER」】
この「MAZZER」とは、コーヒーグラインダー界のフェラーリと称しても大袈裟ではない程の(と、僕が勝手に思っている)トップ・ブランドだ。
その性能、信頼性は群を抜いており、世界中のトップバリスタが活躍しているバールには当たり前のようにこのMAZZERが設置されている。

この「MAZZER」には数種のモデルが存在するが、コニカル刃を採用している上位モデルの2機種を除き、それ以下のモデル達はホッパー容量やボディ
サイズが異なる程度で、基本的なフォルムや内部構造(フラット刃を採用)など、ほぼ共通なものとなっている。
しかし、世界中のプロ&ホームバリスタ達の憧れと言うだけあって、そう簡単に買えるものではない。
小規模カフェや家庭用に適した最もコンパクトなタイプでさえ、日本国内では15万円ほどもしてしまう代物なのだ。
エスプレッソマシンでさえ15万円となれば躊躇してしまう価格帯であるというのに、単純に豆を挽くだけの器具に対し、業務用途ではなく一般家庭用とし
て15万円という金額を出すことは、普通なら相当難しいと思う。
ところが前回のランチリオ・シルビアに引き続き、このMAZZERもまた個人輸入によって大幅なコストダウンが可能となるのだ。


【憧れのMAZZERも、個人輸入なら国内価格の半額以下に!】
先日、僕がランチリオ・シルビアを個人輸入した米国ニューヨーク市内にあるショップでは、MAZZER MINI(ドーサータイプ)が599ドルで販売されており、
それに送料が148.85ドル(USPS便)の合計747.85ドルとなっていた。
ということで、今回もこのショップから購入することに決定。
MAZZAER MINI(ドーサータイプ:シルバー)をカートに入れ、PayPal決済にて支払い処理を行なったところ、前回のシルビアの時と同様、今回もまた戦後
最大級の円高により、日本円で58,434円となった。

今回の発注日時は2011年10月26日AM 1:29。(現地時刻で25日のお昼12時頃)
そして注文から50分後に、前回も僕の注文を担当してくれた店員さんからメールが届いた。
先日の僕からの注文を覚えていてくれた様子で、そのメール文からは驚きと喜びの様子を読み取る事ができた。
また、明日中(現地時間で10月26日中)には商品を発送するとの内容が記されていた。

その翌朝(日本時間で10月27日の朝6:30)ショップ担当者から現地時間で10月26日15:58に商品を発送したとの報告メールが送信され、そのメールに
は運送状況を追跡するためのトラッキング番号が記されていた。
しかし、そのトラッキング番号をクリックすると、そこに表示されたのはUSPS(国際郵便)ではなく、UPS(国際宅急便)の追跡ページが表示されていたの
だ(驚)。
僕が購入時に支払った送料はUSPSによる発送運賃である148.85ドルであり、通常なら配達までに7日〜10日ほど掛かるものだ。
ところが実際にショップ側が手配してくれたUPS便はUSPS便よりも敏速で詳細な追跡が可能で、配達日数も4日程度しか掛からないもの。
その運賃も300ト゛ルは下らないはずだ。
早速ショップの担当者に問い合わせてみると、どうやら前回シルビアを購入し、続いてMazzerも同じ店から購入てくれたお礼の意味が含まれていたよう
だ。(「う〜〜ん、、気分転換に何となくUPS便で送ってみたよ、、。」みたいな、洒落た返答内容であった。)

そして発注から4日後の10月30日午前中に、早くもMAZZER MINIが我が家に到着した。
持ってきたのはヤマト便で、前回と同様に今回も地方消費税として1,100円を宅配ドライバーに支払って受領完了となった。
ということで、本体+送料:58,434円と地方消費税:1,100円=合計59,534円でMAZZER MINIが購入できた事になる。



↑今回はMAZZERの箱のまま届いた。
 

【とりあえず箱を開けてみる・・・】
MAZZER MINIのダンボール箱を開けてみると、グラインダー本体、豆ホッパー&フタ、ドーサーのフタ、コーヒー・プレッシング・デバイス(簡易タンパー)、クリ
ーニングブラシ、ステンレス・トレー、取説らが同梱されていた。
本体は結構な重みがあり、カタログ上では10.2kgとなっている。
また、本体はいかにも鋳物の塊りといった作りで、その堅牢性の高さはKG364Jとは比べものにならない。
そのガッシリとした重量感溢れる作りは、正に百戦錬磨の現場使用にも耐えるための道具といった感じだ。

取説には全6ヶ国語による言語で記載されているが、シルビア同様に日本語は無し。
とりあえずOCRソフトで取り込み&翻訳してみるが、KG364Jとほぼ同じような内容が記載されており、その殆どの多くは安全上の禁止事項の内容となっ
ていた。
しかし、その中で特に印象的であったのが下記の一文だ。

「当社が製造しているコーヒーグラインダーとコーヒーグラインダーDOSERSはプロユースの為にだけ、もしくは熟練した技術を持ったホームユーザーを対象
としており、一般家庭用の製品ではありません。また、子供や知識の無い人が使用する事は避けて下さい。」

というもので、いかにも本製品が業務用であることを象徴している一文だ。



↑同梱品一式。
 




【実際に使ってみる・・・】
早速MAZZER MINIをセッティングし、豆をグラインドしてみる。
メッシュ(挽き粗さ)の調節は、ホッパーの根元にある「コーヒー・グラインド・アジャストメント・ディスク」(長ったらしいので、以下:調整リング)と呼ばれる円
盤を回すことで調整する。
時計方向に回すと荒くなり、反時計方向で細かくなる。
工場出荷時には、メーカー推奨のグラインドポイントがシールによって印されており、実際、シールが示すポイントが僕のシルビアにとっても丁度良いポジ
ションであった。

ところで実際に使ってみると、その意外とも言えるほどの静かさに驚かされた。
「ブーーーン、、」という低いモーター音と共に、「シュリィーーーン!」という鈴鳴りにも似た音がかすかに響く。
「グゥイィーーーン!ガリガリガリ!!、、、」という音を発していたKG364Jとは全く質の異なる音だ。



↑調整リングには、グラインド推奨ポイントがシールによって印されている。
 


↑ホッパーを上から見たところ。
 根元には黒いプラ製のプレートがあり、これを閉じる事でグラインダー内への豆の落下を止める事ができる。
 

【ドーサータイプは家庭用途に向いているか?】
MAZZER MINIにはドーサー付きタイプとドーサー無しタイプが存在する。
ドーサーとは、グラインダーによって粉砕されたコーヒーパウダーを直接外部へ排出させずに、一旦小部屋に落とし込んで粉をストックし、そこからド
ーサーレバーをカシャカシャと引く回数に応じて任意の粉量をフィルター上に落とすための機構だ。
しかし、このドーサー機構が僕のグラインドスタイルに果たして合うかどうかが心配であった。
というのも、僕はKJ364Jを使う場合でもホッパーに豆を溜める事はせずに、抽出に必要な量の豆だけをホッパーに落とし込んでグラインドしている。
例えば、1杯だけならば9〜11グラムの豆をホッパーに落として挽き、2杯分なら15〜17ク゛ラムの豆をホッパーに放り込むといった使い方だ。

しかし、ドーサーモデルというものは本来、多目の豆をホッパーに溜めておき、多めにグラインドしたパウダーをドサー内のドーシングユニット(計量仕
切り枠)によって必要な粉を落とし込むものだ。
これほどの大袈裟な機構において、今までのように9〜11ク゛ラムだけの豆をホッパーに落とし込んで1杯分に必要な量の粉を引き出せるものだろうか?
という不安があった。

しかし結論から言うと、ドーサー付きタイプでも全くもって問題は無かった。
むしろKG364Jよりもグラインダー内への粉残りは少なく、そのままの状態でもマイナス2グラム以内の誤差で挽き粉を引き出すことができた。
では、残りの2グラム程度の粉の行方は?というと、カッター室(?)とドーサーの間にある2センチほどの深さの排出口に粉が詰まっていた。
この粉を引き出すためには、「コーヒー・アウトレット・ガード」という、ドーサー内での粉飛散防止と、指を排出口に差し込まれることを防ぐためのプレート
を取り外す必要がある。(取説では、危険だから絶対に外さないで!と記載されている。)

この排出口に、僕が普段グラインダーの手入れに使用している絵の具の筆を使ってチョイチョイと粉をかき出し、一瞬だけカッターを「フィンッ!!」っと
回転させてやることで、ほぼ全ての粉を引き出す事ができる。
作業の流れ的には、「ドーサーのフタを外す→筆で排出口の粉をチョイチョイ→カッターを一瞬回転→ドーサーレバーをカシャ!カシャ!」以上でホッパー
に落とし込んだ豆の分量とほぼ同量の粉を引き落とすことができる。

試しに0.1グラム単位で重さを量ることができるクッキングスケールを使い、11.0グラムの豆を上記の方法でグラインドしてドーサーから粉を引き出してみた
ところ、なんと驚くべきことに11.0グラムの粉が出てきた(驚)
(詳細については下の動画を参照のこと)

KG364Jの時は、本体ごと持ち上げて「コン!コン!」と背中を叩き、更に上刃を外して残った粉を掃い落とし込んでいた煩わしさからすれば大幅に簡単な
ものだ。
これは、グラインダー内部に表面がざらざらしたプラスチック樹脂を多用しているKG364Jに対し、MAZZER MINIは内部パーツが表面のつるつるしている
金属部品で構成されているので、粉が周囲に付着することができずに排出されてしまうからなのだろう。
そのため、使用後は本体内部が殆ど汚れていないので、使用後の手入れも想像以上に簡単であった。

ちなみに、ドーサー内の粉をかき出すために6枚のインペラーが設置されているのだが、工場出荷状態のままではドーサー底面にうっすらと粉が残るた
め、気になる方はインペラー下側にテープなどを貼り付けておくことで、ほぼ完全に粉を掃き出すことができる。(ちなみに僕のもやってある。)

↑こんな感じでテープを貼ってある。


しかし、それより何より粉を落とし込む際のドーサーレバーを「カシャ!カシャ!」とする動作が実に心地良く、いかにもプロ用のグラインダーを使用してい
るという雰囲気が最高であり、これだけでテンションが上がる(笑)
購入前にはドーサー無しタイプも検討していたが、ドーサータイプを購入しておいて本当に良かったと実感した。
だって、MAZZERを扱う上で最も「おいしい作業」をドーサーレスでは味わえないのだから、、(苦笑)

また、このドーサーから粉を落とす場合、粉が左右に散って周囲が汚れてしまうと言われている。
しかし、僕の場合はドーサーからフィルターへ直に落とし込むのではなく、一旦、適当なカップに粉を落とし込んでからフィルターバスケットへと粉を落として
いるので、特に粉の飛び散りに関しても気にはならない。



↑ドーサーの中を上から見たところ。
 工場出荷時点では パウダー排出口の手前に「コーヒー・アウトレット・ガード」が設置されている。



↑「コーヒー・アウトレット・ガード」を取り外すとパウダーの排出口が見える。
 この穴の2センチほど入った奥にはグラインダーの刃があり、動作中は高速で回転している様子が見える。



↑ドーサーの排出口。
 


↑小窓のある筒状の小部屋がドーサーで、右下にあるのがドーサーレバー。



↑ドーサー付きタイプの粉残りに関する動画。

【MAZZER MINIによってグラインドされたパウダーは凄い!】
MAZZER MINIによってグラインドされたコーヒーパウダーは実に細かく均一にカッティングされており、KG364Jの最も細かく挽いた時のメッシュよりも数
段細かいものだ。
そのパウダーを使用してシルビアで抽出をしてみると、KG364Jの時よりもメッシュが細かく、お湯と接触する面積が多いため、赤茶色のクレマがもりも
りと湧き出てくる。

また、抽出されたエスプレッソを口に含んでみると、KG364Jのものに比べて明らかに舌触りが滑らかになり、香りも豊かなものになっている。
やはり、豆の品質やエスプレッソマシンの性能だけではなく、グラインダーの性能も大切であると言うことを身をもって実感した。


  
↑左がMAZZER MINI、右がKG364Jによってグラインドされたパウダーの拡大画像。
 KG364Jは最も細かく設定したものであるが、MAZZERと比べるとまるで粗挽きかと勘違いするほど粗く
 また、メッシュサイズにもバラつきがある。



↑上の画像を引くとこんな感じ。
 ちなみにスケールとしては、この画像の左右幅が約50ミリ程度となる。  



↑抽出開始!
 


↑モコモコ・・・
 


↑ブワァ〜〜・・・
 


↑抽出完了!
 

【電源仕様の違いについて】
ところでこのMAZZER MINIは、前回のシルビアと同じように米国仕様の120V電源だ。
日本国内の某ショップによると、100V環境に合うように本体の仕様を換え、本来の性能を発揮できるようにしてあると書いてある。
ということで、アップトランスによる120V環境と、100V環境での違いを検証してみた。

本体動作中でのモーター音に関しては、明らかに120V環境の方が音は大きい。
しかし、実際にグラインドされた粉を見てみると、100V環境においてもそれほどの違いは感じられず、抽出状態も120V時と同じように調子が良い。
ということで、電力に関しては100Vのままであっても、それ程気にしなくても良さそうではある。



↑メインスイッチは無く、タイマースイッチ式となっている点はデロンギのKG364Jと同じだ。
 


↑120V電源の米国仕様でも、コンセント形状は日本同じタイプ(アースピン付き)。
 

【最後に】
まだ使い始めて1日しか経っていないので、あくまでもファースト・インプレッションではあるが、やはりグラインダーも大切であることを痛感した。
というか、シルビアクラスのマシンの場合、KG364Jでは真価を発揮できていなかったように思える。
シルビアと同じランチリオ社のロッキーも最初は考えていたが、僕の性格から考えると絶対にMAZZERが欲しくなることは目に見えていたので、最初から
思い切ってMAZZERに決めたのだが、これはこれで大正解であった。
また、ドーサーレスではなく、ドーサー付きをチョイスした点も結果的に正解であった。

シルビアのレビューにも書いたことであるが、日本で買えば15万円ほどしてしまうMAZZERが、個人輸入によって6万円程度で購入が可能となる。
故障した際には、色々と厄介な事になるかもしれないリスクはあるが、まあ構造そのものは単純なので、何かあった際には自分で対応するつもりだ。
(ショップによる1年間の保証は個人輸入においても有効で、故障した場合は新品パーツを無償で送付してくれる。)
今現在、MAZZERを検討している方にとって、この6万円が安いと感じられるのであれば、個人輸入による購入も検討されてみてはいかがだろうか?
以上、今後また気がついた事があれば、随時更新していきたい。
(記:2011年10月31日)

 


↑デロンギのKG364Jと並べてみた。
 「MINI」とは言ってもかなりの大きさと重さがある。


【グラインダーの精度とエスプレッソの質について】(2012年5月5日追記)
上の方ではコーヒーグラインダーの性能もエスプレッソの味に影響を与えると書いた。
では、どうしてグラインダーの性能差がエスプレッソの仕上がりに影響を与えるのだろうか?

上にも書かれているが、MAZZERにて挽いた粉はデロンギのKG364に比べて均等な大きさにカッティングされている。
実は、この"均等な大きさで挽く事ができる"という部分が重要なポイントなのだ。

仮にメッシュサイズ(粉の粒の大きさ)を「0」〜「10」の数値で分け、数字が大きくなるに従い粒も大きくなるとする。
例えば、今ここにある豆とエスプレッソマシンによる組み合わせでは「3」がベストだとした場合、MAZZERでは殆どの粒が「3」か、残りの粒達も限りなく
それに近い大きさで挽く事ができる。
ところがKG364Jの場合、「5」の割合が多目としながら、それ以外の大きさは「1」から「7」にまでバラついてしまう。
本来狙っているはずの「3」の大きさを中心にして挽く事ができない点も問題ではあるが、もっと大きな問題は「3」よりも更に細かい「1」が含まれている
という点だ。
この「1」は微粉とも呼び、この意図していない細かさの微粉がエスプレッソ抽出時に目詰まりを起こしてしまい、正常な抽出が出来なくなってしまうのだ。

上記の問題を裏付けている事例を下記にまとめてみる。
デロンギのBAR14Nという安価なエスプレッソマシンを使用してエスプレッソを抽出する場合、KG364Jにて豆を挽く場合は最も細かい設定から2段分ほ
ど粗めのポジションがベストポジションとなる。(僕の場合)
つまり、この設定は上にあるKG364Jによる最も細かい粒の画像よりも更に粗めの粉になる。
ところが、これは正確には「ベストなポジション」ではなく、「目詰まりせずに、30ccを30秒前後で抽出する事が出来るポジション」であるということ。
KG364Jの最も細かい設定では微粉が目詰まりを起こしてエスプレッソが出てこないのだ。

では、MAZZERによって上の画像(左の画像)の細かさで挽いた粉を同じくBAR14Nに使用した場合は果たしてどうなるのだろうか?
(ちなみにこの細かさは、ランチリオ・シルビアの設定と全く同じ細かさである。)
画像を見る限りでは右のKG364Jの粒よりも数段細かいので、普通ならば目詰まりを起こし、エスプレッソは全く出てこないはずである。
しかし実際に抽出してみると、30ccを抽出するのに30秒よりも若干遅めの40秒程度の時間は掛かったものの、赤茶色のクレマたっぷりのエスプレッ
ソが抽出されたのだ。
つまり、これはMAZZERの粉には目詰まりの原因となる微粉が殆ど含まれていなかった事からスムーズに抽出が行われ、また、細かい粒に湯が満遍
なく触れることにより、豊富なクレマが生成されることにもなったわけである。

実は、今回の検証にて初めてMAZZERとBAR14Nの組み合わせを試してみたのだが、赤茶色のエスプレッソがドロっと出てきた時は驚きとともにBAR
14Nの奥深さを再認識してしまった。(でも、スチームが残念なんだけどね・・・。)

以上で、グラインダーの精度がエスプレッソの質に大きな影響を与えているという事が理解して頂けただろうか?


【MAZZERの刃のクリーニングについて】(2012年5月12日追記)
上記のレビューにて、MAZZER MINIではカッター室(?)内にコーヒー粉があまり残らないと書いた。
実はMAZZER MINI購入から2ヵ月後の年末にカッター内部を確認した事があるのだが、その時も内部は殆ど汚れていなかったのだ。
それを良い事に、それからの半年間、一度もカッター内部を確認していなかったのだが、今回、「URNEX(アーネックス)」というメーカーのコーヒーグライ
ンダー・クリーナー、「GRINDZ(グラインズ)」を個人輸入によって購入したので、検証ついでに内部を確認してみた。


↑430グラム入りで定価は34ドル。

  この「GRINDZ(グラインズ)」の特徴とは、、、。

■小麦や穀物などの天然素材を原料とし、口に入れても安全。
■グラインダーの刃と容器を洗浄。
■フレーバーコーヒーのニオイと油をほぼ完全に取り除く。
■アメリカ及び国際特許申請中。

以上となっており、今回のようにコーヒーグラインダーを解体する事なく簡単に内部をクリーニングすることを目的としている。
また、従来のブラッシングだけでは不可能な、刃の表面に付着したコーヒー粉の劣化した油分や匂いまでも除去することができるという点が興味深い。

まずはカッター室の内部の汚れ具合を確認するためにバラしてみる。
解体方法は下記のとおり。


↑調整リング上面にあるプラスネジ?を、リング下面からネジ先端が見えなくなるまで緩める。
 また、ホッパーを固定しているネジ?を緩めて豆ホッパーを抜き取る。



↑調整リングの隙間を簡単に測っておくと、組み直しの際に元のメッシュサイズの位置を見失う事が無い。
 もしくは、現状から何回転でリングが外れるのかを数えても良い。
 ちなみに僕の場合は、この位置から5回転でリングが外れた。
 リングを時計方向に回す事で、調整リングが浮き上がって外れる。(逆ネジになっている。)

   また、リングを外す際には内側にある円筒形状の部品も一緒に持ち上がりそうになるが、この円筒形状の部品は上刃であり本来は本体側に残るべき
 部品である。
 したがって、上刃は親指で押し込んで、調整リングだけを抜き取る事。
 そして、リングを外した後に、円筒形状の上刃を抜き取る。



↑半年間、一度もお手入れされていなかった上刃(右)と下刃(左)。
 確かにコーヒー粉は若干残ってはいるが、それほど酷く汚れているという程でもない。
 この状態でブラッシングすることにより、両刃をクリーニングすることができる。
 しかし、今回はあえてこの状態のまま組み直し、今回の目的である「URNEX(アーネックス)」のコーヒーグラインダー・クリーナー、「GRINDZ(グラインズ
 )」を実際に試してみる。



↑一回に使う量は35〜40グラム。(画像は35.1グラム)
 見た目はレモン味のラムネみたい(苦笑)



↑一回分をホッパーに放り込んで、普通に豆を挽くのと同じ要領でグラインドする。



↑普通では有り得ない色の粉が排出される。



↑グラインズによるクリーニング実施後の上刃(右)と下刃(左)。
 勿論、ブラッシングは一切行っておらず、タブレットによるクリーニングそのままの状態。
 確かに刃の表面に付着していた油分はキレイさっぱり除去されている。
 尚、この後に普通のコーヒー豆を一回グラインドして、刃の隅々に残ったグラインズの白い粉を払い落とせばクリーニング終了。
 また、若干の粉が残ったとしても、コーヒーの味と香りには影響を与えず、勿論、人体にも全く無害。
 URNEXとしては月に一度の使用を推奨しているが、MAZZERの場合は3ヶ月か半年くらいのペースでも十分かなぁ?(苦笑)


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