門外不出!?美味しいそばつゆの作り方


〜専門店の味をご家庭で再現!〜



<専門店と市販品との味のギャップについて>
皆さんが冷たい盛り蕎麦やざる蕎麦などをご家庭で食べる場合、普通はスーパーなどで売っている濃縮タイプのそばつゆ
を使用していると思います。しかし、その市販品のつゆを2〜3倍に薄めて作ったものと、専門店で食べる時のそばつゆとの
味のギャップに不満を抱いた経験はありませんか?
市販品のつゆの場合、塩辛いわりにはダシの旨みが薄くてコクが無く、専門店の味とは遠くかけ離れています。
僕も以前は専門店の味を自宅で作り出すのは当然ながら不可能なのだろうと諦めていました。

では、どうしてスーパーで市販されている濃縮つゆと専門店のつゆとは味にギャップがあるのでしょうか?
そこには市販品であるがゆえの「宿命」があったのです。
それは「だしの量」と「塩分の量」の割合が問題で、専門店本来の味を出すまでに必要な量の鰹節を入れてしまうと保存期
間を長く設定することができません。常温でも日持ちたせる為には「だし」の量を減らし、逆に塩分を強くする必要があるのと、
更には手間やコストの問題も絡んでくるため、これらが結果的に味のギャップにつながるのです。
専門店のそばつゆの味を家庭で再現させることは相当難しいと思われがちですが、実際には意外と簡単です。実際の作業
時間も、材料さえ用意できればゼロから作り始めても30分と掛かりません。


ところで何故、素人の僕が専門店の味の作り方を語れるのかと言いますと、以前うちの職場に応援で来ていた職人さんが、
過去に10年間ほど蕎麦専門店で修行をしていたというのです。その専門店というのが僕の地元では老舗中の老舗店であり、
ざる蕎麦1人前でも1500円くらいはしてしまうような高級店。(普通は800円くらいですよね?)
(しかし、そこのお店とご本人に迷惑が掛かるので、店名公開は控えさせて頂きます)

その方に冒頭の悩みを相談したところ、あっさりと「家庭でも簡単に作れますよ!」と返され、次の日にレシピをいただきました。
早速そのレシピ通りに作ってみたところビックリ!!本当に専門店の「あの味」が我が家で再現されているではないですか!!
しかも作り方は驚くほど簡単で、特別なコツも道具も材料も一切必要ありません。
さあ!みなさんも専門店の味を目指して作ってみましょう!!

【基本的な作り方】
まずはそばつゆの濃縮だれに相当する「かえし」の作り方です。

1・かえしの作り方

(材料)
・醤油・・・・100cc
・みりん・・・・・27cc
・砂糖・・・・・20〜25グラム



注意:上記はタレの基本材料量です。出来あがりのざるそばつゆ量は、これの4倍になる(約520cc)ので、最終的に作りた
い量に調整して下さい。ただ、このタレは1年程度なら保存がきくので多めに作ったほうが良いです。
例えば全ての量を7倍にして作れば約1リットルのタレが作れます。

また、砂糖の量は出来あがりの味を参考に以後調整して下さい。上記はあくまでも某専門店のレシピを基に、私が自分好み
にアレンジした分量です。

<作り方>
鍋に醤油と味醂(みりん)をまぜ、沸騰しない程度に加熱しながら砂糖をとかす。沸騰する直前に火を止めて冷まし、適当なビ
ンなどに移して密封はせずに、ティッシュや布などを口元にかぶせて輪ゴムなどで留め、3日から1週間ほど寝かします。
(寝かす程おいしくなる)
以後は普通にフタをして密封し、冷暗所に保管していただければ1年程度は保存できます。

尚、急ぎの場合はそのまま寝かさずに作っても、市販品のつゆとは段違いの美味しさのつゆが出来上がります。
ちなみに最近の僕の場合、全く寝かさずにそのまま作って食べてしまうことが多いです(苦笑)
(注:減塩タイプの醤油や保存環境によっては長期保存した後、醤油が酸化したような味になる場合があります。)


2・だしの取り方(出来あがり500ccの場合)

(材料)
・鰹節(出来れば荒削りの荒節がベスト)20〜30グラム(軽くソフトボールの球を一握り分くらい?)
・さば節(スーパーなどで「さば、いわしミックス」とか、「混合削り節」といった商品名で売ってます)20〜30グラム(同上)



上記はあくまでも目安で、実際のところは適当で良いです(笑)
ちなみに鰹節はスッキリとした旨みを出すのに対し、鯖節はコクと深みを出します。

鍋に水800cc〜1リットルを入れ、鰹節とさば節を入れる。そして強火で沸騰後10〜15分間、強火のままグツグツと煮
込みます。
(最初のうちはアクが出るのですくい取ります。)

ここで、だし汁を強火で煮立たせてしまっても大丈夫なのか?と心配になりますが、そばつゆの場合は強火で煮立たせ
ることにより、味に力強さが出るのです。
また、10分以上煮つめていくことにより、だし汁の量が半分近くにまで減っていきますが決して足し水をしてはいけません。

やがて時間が来たら火を止め、だしがらを取り出します。
(注!鰹節の代わりとして顆粒状のだしの粉は絶対に使わない事。温かいうちはダシの旨味が感じられていても、冷たく
すると、とても不味くなります。)

また、今回のような冷たいつゆの場合、だしに昆布は入れない方が良いです。私も一度試した事があるのですが、昆布だ
しは暖かいうちはとても美味しい旨みがでるのですが、冷たくすると旨み成分よりも独特なエグみが目立ってしまいます。
(まあ、このあたりはお好みで・・・。)


3・辛汁(ざるそばのつゆ)の作り方

だし汁が熱いうちに、かえし=1(125cc):だし=3(375cc)の割合で混ぜて冷まし、冷蔵庫で一晩寝かせます。
この時点で舐めてみると味が濃過ぎるように感じますが、洗いたての水が滴るようなソバを入れるとちょうど良くなります。
しかし、麺に水気が無い場合は「かえし=1:だし=4」でも構いません。
また、急ぎの場合は寝かさずに、そのまま冷やして食べてもOKです。

尚、だし汁と合わせた後のそばつゆを保存する場合は冷蔵庫に保管し、なるべく早めに召し上がってください。
僕の場合は遅くとも1週間以内には使い切るようにしています。(実際には2日もあれば無くなりますが、、、。)


4・甘汁(かけそばのつゆ)

かえし=1、だし=5〜8位で混ぜればOKです。寝かす必要はありません。

また、かけそばの場合は、ざるそば用のだし汁よりも薄めのだし汁を使用した方が良いと思います。
このあたりは味見をしながら調整してみてください。




=おまけレシピ=

<天丼のつゆ>

甘汁・・・・・100cc
しょうゆ・・・25cc
さとう・・・・15グラム

<カツ丼のつゆ>

甘汁・・・・・100cc
かえし・・・・40cc
しょうゆ・・・10cc
みりん・・・・5cc
さとう・・・・18グラム

上記の丼物用のタレについて、タレだけを舐めると濃い目に感じますが、実際にご飯や具にかけると専門店の味
になるから不思議です。

=最後に=
上記の作り方で作られる各種つゆやタレは、関東や中部で食べられる「蕎麦専門店」の味になっています。
僕はそれ以外の地域の「せいろ蕎麦・ざる蕎麦」は食べた事が無いので、果たしてこの通りに作って美味しいと感じるかど
うかは分かりません。でも、関東や中部で食べられる専門店の「蕎麦」を美味しいと感じる方にはビックリするほどの美味し
いつゆが出来あがる事と思います。
また、お蕎麦以外にも、ざるうどんやそうめんのつけつゆとしても美味しく召し上がれます。
実際の作業時間もタレから始めても30分もあれば出来ますので是非、一度お試しを。
(記:2002年7月)


(↓2009年5月追記↓)
上記のレシピは1998年頃に私が書きまとめたものをサイトに掲載したものであり、それから10年以上が経った現在では、
当時と比べて市販品のそばつゆの味もかなり向上しています。しかし、それでも上記レシピで作られたそばつゆには遠く及
ばないばかりか、専門店によっては、もしかしたらこの店よりも自分で作った方が美味しいのでは?と感じることさえもあります。
また、大変多くの方々からも好評のお言葉を頂いており、私自身あまりの反響の大きさに驚いています。
(特に2009年1月以降から、このページだけで58,000アクセスを超えています。)

ちなみにこのページはリンクフリーですので、ご自由にリンクしていただいて構いません。
(但し、本文及び内容のみの転載・転用はご遠慮願います。)
以上、当サイトをご覧頂き誠にありがとうございました。



(↓2009年6月19日追記↓)
この度、「職人泣かせシリーズ第二弾」として(?)新たに富士宮やきそばの作り方のページを作成しました。
これ↓を見れば、自宅に居ながらにして富士宮のお店で食べるのと同等のクオリティの富士宮やきそばを作ることができます。
☆富士宮やきそばの作り方(自宅で本場の味を再現!!)

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