(注:下記のレビューはあくまでも私が個人的に感じたものであり、その感じ方には個人差があることをご理解願います。
また、個人による感じ方以外に映像ソース、音源の質や接続機器等、再生環境によっても大きな差が生じる点もご理解願います。)
<2020年12月30日内容更新>
今回、僕にとって人生3台目となるプロジェクターを購入しました。
それがエプソンのホームプロジェクター、ドリーミオEH-TW7000です。
ちなみに、1台目が2002年に購入したソニーのLCDプロジェクター VPL-HS1(Cineza)。
2代目が2020年8月に購入したモバイル・プロジェクターの Anker Nebula Capsule II。
つい3ヶ月ほど前に購入したAnker Nebula Capsule IIについてはとても気に入っており、特に大きな不満はありませんでした。
しかし、モバイルタイプのプロジェクターですら約20年前に購入した据え置き型の本格モデルを大きく上回る程の高画質であるのなら、現在の据え置き型では、一体どれほどの画質なのだろう?という強い好奇心から据置き型を購入するに至りました。
数多くある据え置きモデルの中からEH-TW7000をチョイスした理由は色々とあるのですが、最終的なポイントは総合画質と4K対応、レンズシフト機能、国内メーカー、価格のバランスといったところでしょうか。
特にレンズシフト機能は僕にとって重要でした。
スクリーンと座席の位置関係により、どうしてもプロジェクター本体はスクリーン正面から座席一つ分ほど左側へオフセットさせる必要があり、僕にとってはレンズシフト機能は必須ということに。
ここで一点、注意しなくてはいけない事があります。
それは、多くのメーカーが斜め方向から投映した場合に必要な機能としてアピールしている「台形補正」と、一部の中級〜高級機以上に装備されている「レンズシフト機能」は似て非なる機能という事。
台形補正とは、台形にゆがんだ部分をカットして一回り小さく表示することで、画面を正しい形状に補正する機能。
台形補正では、プロジェクター本来の画素数で投映した映像から、歪んだ範囲の画素数をザックリとカットしてしまう為、本来の解像度から画質が大幅に劣化してしまいます。
つまり、フルHD解像度のプロジェクターであっても台形補正機能を使った場合、スクリーンに投映されている映像はフルHD映像ではないということ。
著しい解像度低下を伴う台形補正に対し、レンズシフト機能は光学的にプロジェクターの正面に投映される歪みの無い映像をそのまま上下左右にシフトさせるため、解像度の低下は発生しません。
↑レンズシフト調整ダイヤル
その他、発色性と諧調性に優れ、カラーブレーキングのない3LCD方式や4K出力対応などなど、吟味を重ねた結果このEH-TW7000に決定となりました。
ということで、ここからは価格コムの製品レビューの評価項目に従ってレビューをしていきます。
レビュー環境は、ソニーのUltra HD ブルーレイ・プレーヤーUBP-X700とサンワの床置き式プロジェクタースクリーンPRS-Y90HD(16:9 90インチ)を使用し、夜間に部屋の照明を消灯した状態で映写。
【デザイン】
威圧感が無く、艶のあるホワイトボディに上品な曲線で構成されたデザインは個人的には良いと思います。
【発色・明るさ】
まずは発色から。
僕が今回エプソンの3LCD方式に拘った最大の理由がこれです。
スクリーンに映し出される3LCD方式ならではの色再現性と、豊かで滑らかな諧調性については溜息ものです。
コントラストについては、スピーカー搭載の兄弟モデル、EH-TW7100が100,000:1で本機では40,000:1と、数値だけ見れば大きな差があるように思えます。
しかし、暗室で映画館のような使い方をメインにする場合、このスペック差は全く関係ありません。
このコントラスト値は、照明が点けられた部屋での使用時に選択するカラーモード「ダイナミック」時限定のもので、暗室での使用時にこのモードを選択しようものならプロジェクターの投映光によって部屋全体が明るく照らされてしまいます。
この明るい光が周囲の壁に反射し、スクリーン上の映像に干渉することで黒色の部分が白っぽく黒浮きしてしまいます。
もともとLCD方式は黒の再現性が難しいという特徴がありますが、上記のコントラストと同様に暗室での映画鑑賞に適した画質設定にすれば全く問題はありません。
また、本機の場合は画面の照度に応じて光源の強さを自動的に調節するオートアイリスによって、更に締りのある自然な黒色を再現しています。
(発色については、本ページ下部にあるサンプル画像を参照)
次に明るさについて。
工場出荷時の設定は明るい部屋での使用を前提にしているのでしょうか?暗い部屋が普通に本が読めるくらい明るく照らされてしまうほどの照度に設定されています。
しかし、本機には画質設定に関する細かい調整機能があるので、これによって自分の環境にあった照度に変更する事ができます。
【シャープさ】
シャープさ(解像感)についてはフルHD画質でも文句の無い解像感ですが、4K出力された映像については発色の良さと相まって只々凄いの一言です。
映像ソースにもよりますが、Youtubeにある世界の各地を散歩している4K映像を観ていると、まるで四角い窓の向こう側に現実の世界が存在しているかのようなリアルさです。
ちなみに映像素子(LCDパネル)自体はフルHD解像度であるものを画素ずらしによって実質4Kの解像度を実現させている為、メーカーでは「4K相当」と表現し、ちまたでは「疑似4K」とされています。
しかし、実際には人の目に判別できない速さで画素ずらしが行われている為、映像を観ている人の脳内ではしっかりと4Kの解像度が表現されているのです。
この方式を「疑似4K」とするのなら、インターレース方式を採用しているブラウン管時代のハイビジョンテレビは全て「疑似ハイビジョン」ということになりますし、液晶モニターディスプレイも赤、青、緑の3色しか発していないものに対して目の錯覚によってフルカラーを表現しているのですから「疑似フルカラー」ということになるのと同じことになります(笑)
以上から、発色、解像感共に画質については何の不満も無く大満足です。
【調整機能】
映像をスクリーンに映し出すための調整機能としては、ほぼ考えられる調整機能の全てを供えているのではないでしょうか?
特に、台形補正のような画質の劣化を起こす心配がない、レンズシフト機能を搭載している点は本機の大きな魅力の一つですね。
【静音性】
最も明るい「ダイナミック」モードや、暗い部屋が明るくなるほどの照度設定にした場合、ファンの音は結構うるさいです。
しかし、暗室で映画を鑑賞するのに適した照度であれば、ファン音がほとんど聞こえないくらい静かになります。
【サイズ】
ランプ光源&3LCD方式の場合、どうしても本体サイズが大きくなってしまうのは仕方がないところですね。
でも、本機の高画質っぷりを体感すれば、この大きさも納得できると思います。
【まとめ】
もともと写真用プリンターをはじめとした画像処理では評価が高いエプソンだけあり、その絵作りは感動するくらい素晴らしいと感じます。
カタログに謳われている無駄に高いコントラスト値やルーメン値がいかに意味の無い数値であるかが、本機の画像を体験することでよく理解する事ができると思います。
(記:2020年12月8日)
以下、EH-TW7000によって投映された映像をiPhoneで撮影。
【↓2020年12月30日追加情報↓】(4K ULTRA HDブルーレイ環境を導入して・・・)
上記のTW7000に関するファーストインプレッション執筆直後、4K ULTRA HDブルーレイ(以下UHDと略)対応のプレーヤー(SONY UBP-X700)を購入し、その後13枚ほど有名どころのUHDを購入して観漁りました。
今の時点での印象としては、作品によってUHD感を大きく感じるものと、さしてノーマルBDとの画質差を感じられないものがあるということでしょうか。
中でも圧巻だったのが、バットマンのダークナイト ライジングは鳥肌ものでした。
映像の中にはIMAXカメラによる映像とノーマル(?)なカメラによる映像とが頻繁に入れ替わるのですが
IMAX映像のシーンは息を飲むほどリアルでド迫力の画質で、これはUHD & 大画面で観るための作品の代表格ですね。
明かにフルHDモードの映像とは一線を画す怒涛の高画質です。
また、4Kでは理論上2K の4倍の解像度になるのですが、映画作品に関しては単純に解像度が4倍になっているという点よりも、HDRを採用している事による色の深みと立体感の恩恵が大きいと感じますね。
(ダークナイト ライジングに関しては解像感も凄い!!)
やばいな〜、、もうノーマルBDの世界には戻れない(苦笑)
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