外付けスピードライト ニコンSB-800

<室内でのペットや人物撮影にお勧め!>




<外付けフラッシュって、どんな時に使うの?>
普通のカメラには必ずと言って良いくらい内蔵フラッシュが装備されています。(ただし一部のフラッグシップ機を除く)
そして特に興味の無い人ならば内蔵フラッシュに不満を抱いた事など無いと思います。
僕もつい数年前までは特に不満はありませんでした。
ところがそれって実は内蔵フラッシュに対する不満そのものに気が付いていないだけだったのです。

内蔵フラッシュを焚いて撮影した写真ってどうなっていますか?
正面から強い光を当てられて、立体感の無いベタっとした画像になってますよね?
女性の場合には、お化粧をした顔の部分と、していない首とでは色が異なっていたり、ネットオークションに出品するために撮影をしても、
いまひとつ上手に質感が伝わらない。
でも、それって「フラッシュ撮影なのだから仕方が無い。」と決め付けていませんか?
ところがこれらの問題は外付けフラッシュを使えば全て解決できるのです。

そもそも外付けフラッシュって、どういう目的で使うのでしょうか?
よく芸能人の記者会見などでは、一眼レフカメラに外付けフラッシュを付けてバシャバシャと撮影しています。
この場合は、遠くにいる人を明るく撮影するために、大きな光量が必要だという事は容易に想像できます。
またフラッシュ専用の電源も備えているので、発光間隔が短くなり、決定的瞬間を逃さないという事も解ります。
でも、このような使い方って、私達にとっては殆ど関係が無いと思います。
せいぜい子供の発表会とか、誰かの結婚式とかで年間に1〜2回あるかどうかですよね?

大きな外付けフラッシュというものに対して、普通の人ならばここまでが想像できる部分であり、結論として「まあ、必要ないでしょ?」とな
る訳です。
ところが、ここまででは外付けフラッシュの本当の魅力の30パーセント程度しか語られていません。
確かにイベント会場に多く足を運び、遠いステージ上にある被写体を撮影する事が多い方々には上記のポイントは大きな意味を持ちます
が、狭い部屋の中で外付けフラッシュを使う最大のメリットの一つが「バウンス撮影」です。

<バウンス撮影って何なの?>
内蔵フラッシュを使用した場合、発光面が正面を向いているために、フラッシュ光も被写体の正面から当たってしまいます。
それに対してバウンスとは、発光面を斜め上や真上(あるいは横壁)に向けてフラッシュを発光させる事により、光がバウンス(反射)し拡散
されて、あたかも天井や壁が大きな照明のような役割をして、自然な雰囲気の撮影が可能になります。
バウンス撮影された写真は、フラッシュ撮影されたというよりも、部屋の照明下で普通に見ている状態のままのごく自然な写り方をします。
これは実際に体験してみると結構感動します。
しかし、このバウンス撮影という技術は、ちょっと前ならかなり高度な技術を必要としていました。
ところが今は調光システムの進歩により、ほぼフルオートで可能になりました。

室内で子供やペットなどを主に撮影しようとしている人の多くが、フラッシュを使わずに無理にISO感度を上げて、手ブレ寸前の状態で撮影
をしようとしています。
当然、感度を無理に上げればノイズも増えますし、画質も落ちてしまいます。
また、被写体が静止している場合ならともかく、動き回るペットや子供の場合は被写体ブレの可能性も高くなります。
そんな時にこそバウンス撮影が大きな威力を発揮します。
ISO感度も低感度のままで、手ブレも被写体ブレも気にせずに自然な雰囲気の写真が撮れるので、夜に仕事から帰宅してから室内で家
族やペットが楽しく遊んでいる様子を撮影する、なんて人にこそ外付けスピードライトは必需品です。



<SB−600とSB−800の違い?>
SB-800とSB-600のどちらを買えば良いのか?という悩みを抱えている方も多いと思いますが詳しい比較はSB-600のページを見てい
ただくとして、様々な違いはあるが、僕が普通に使っている中で最も違いを感じる点の一つはバウンスアダプターの有無です。
ちなみにこのバウンスアダプターを使うと一体どのような効果があるのか?
これについては、結構勘違いをしている方が多いのですが、広い部屋や空間内でフラッシュを直射して使う場合に、背後に写り込む影を
軽減させたりフラッシュ光を和らげるといった効果は殆どありません。(四方を白い壁&天井に囲まれた狭い室内なら有効ですが、、、。)

結論から書きますと、バウンス時にキャッチライト反射板を立てた時とほぼ同様な効果になります。(キャッチライト反射板については下記
に解説)
つまり、バウンスアダプター無しの状態では、天井バウンスをさせた際に上方向からのフラッシュ光しか当たらないのに対し、バウンスアダ
プターを使用することによりアダプター全体が発光するためにフラッシュ光がアダプターを中心に放射状に照射されます。
そのため、撮影された写真は天井バウンスと、フラッシュ直射をミックスさせたような仕上がりになり、若干バウンスっぽさは低減されます。
画像イメージ的にはフラッシュ直射によるスローシンクロ撮影と似た雰囲気になります。
ちなみに僕の場合、バウンスアダプターは殆ど使っていません。

二つ目は、カタログ等では大々的に取上げられていないのが不思議なのですが、SB−800には、キャッチライト反射板が装備されています。
キャッチライトとは、フラッシュの光が被写体の人物や動物の瞳に映りこむ事により、生き生きとした効果を与えるものなのですが、バウ
ンス撮影をした場合には光が斜め上や横から当たるためにキャッチライト効果が上手に出ません。
例えば天井バウンスで人物を撮影した場合、前髪の形によっては、フラッシュ光が前髪に遮断されて顔が暗くなってしまう場合があります。
ところが、SB−800本体に内蔵されているキャッチライト反射板を使用することで天井バウンス撮影等でも顔全体を明るく写し、瞳の中に
キラっとした輝きを出す事ができます。
僕はバウンスアダプターよりも、このキャッチライト反射板の方を多用しています。


↑SB-800に装備されているキャチライト反射板です。


<室内で子供やペットを撮影する事が多い人に超お勧めです。>
冒頭に書いたように、イベント会場などでガンガンにフラッシュを使う人や、昼間でもポートレート撮影などで多用する人は勿論ですが、せい
ぜい家の中でしか使わない人であっても、室内でご自分のペットやお子さんをよりカワイイ感じに撮影したいのであれば、外付けフラッシュは
必需品です。
しかも多くの機能を盛り込んだ純正SB−600&SB−800は、超お勧めです。

室内での撮影が多い方の場合、カメラセット(レンズキット)とバッグ、三脚と買い揃えた後、次に手に入れるべきなのは明るいレンズでも
望遠レンズでもなく、先ずは外付けフラッシュを優先すべきです。
散々まわり道をしたあげく、後になって外付けフラッシュを買った人は必ずこう痛感します。
「もっと早くから買っておけば良かった・・・。」
(記:2006年8月)





↑左が照明色補正用のカラーフィルター。でも僕の家の場合は特に必要性は感じなかった。
右がフラッシュ光を拡散させるバウンスアダプター。(共に付属品)



↑電池をノーマルの4本から5本に増やす場合に使用する、増設電池パック。(付属品)
これを使用するとフル発光後の発光間隔を短縮できる。





↑普通にフラッシュ撮影した場合の例。
背後の影も濃く、いかにもフラッシュを使いましたという感じですね。
それでもD200の内蔵フラッシュは優秀な方です。


↑こちらはバウンス撮影をした場合の例。
被写体を自然な明かりが包み込んでいて良い感じですね。
ちなみに感度設定はISO100です。



↑バウンスを使えば、被写体が動いていてもブレの心配はありません。 (1/60秒 F値 F4.5 ISO感度 160)


↑キャッチライト反射板を立てると、人やペットの表情も活々とします。 (1/60秒 F値 F4.5 ISO感度 100)


↑バウンス撮影により、披露宴会場の雰囲気を壊す事無く自然な撮影ができます。

ちなみに、50mm F1.4Dレンズによる室内でのノーフラッシュ撮影に関するレポートはこちらです。

気になるSB-600に関するレポートはこちらです。

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