カフェポッド専用エスプレッソマシン

デバイスタイルBRUNOPASSO PD-1





ミルクピッチャーに関するレポートはこちら。  デロンギBAR14Nに関するレポートはこちら。  デロンギEAM1000BJAに関するレポートはこちら。





<手軽に美味しいカプチーノを飲む為に必要な幾つかのハードルとは?>
 手軽に美味しいカプチーノを飲みたいという要求から、今回のエスプレッソマシン購入計画が始まった。
(勿論、深い意味で美味しいカプチーノを作ろうと思えば機材的にも技術的にも相当なものが要求されてしまうのだが、ここで僕が言う
美味しいという意味のレベルは、僕のような素人が普通にそこそこ美味しいと感じるレベルの意味です。)

 まず、エスプレッソとカプチーノについて全く知らない方のために簡単に説明させていただくと、エスプレッソとは、エスプレッソマシンと
いう専用の器具を用いて、深煎りの微細に挽いたコーヒー豆を高い圧力を掛けて抽出したもの。その抽出量は25cc〜30ccとなっており
コーヒーカップにたっぷりと注がれたドリップコーヒーの感覚からすると想像以上に少ないもの。(30cc=大さじ2杯分)
これにたっぷりの砂糖を入れて飲むのが本場イタリア流。このエスプレッソに温めたミルクと泡立てたミルクを1:1:1の割合でカップに
注いだものがカプチーノとなり、イタリアでは主に朝食時に飲まれ、昼以降に飲む事は一切無いらしい。ちなみに日本では時間と状況に
関係無くカプチーノは飲まれているが、イタリアで夕食を食べ終わった直後にカプチーノを飲む事は、その食事に満足できなかったという
意味になり、マナー的に好ましくないそうだ。以上、簡単な説明を終えたところで話題を元に戻そう(笑)

 家電店などで最も売れている1万円〜2万円クラスのエスプレッソマシンを使って美味しいカプチーノ(エスプレッソ含む)を楽しむために
は幾つかのハードルが待ち構えている。まあ、コーヒーパウダーについてはエスプレッソ用に加工された市販品を使うとして、まず一点
目にはマシンのホルダーカップに適度な圧力を掛けてコーヒーパウダーを押し込む「タンピング」という作業がある。このタンピングが弱
すぎると抽出速度が速くなり薄い味になってしまい、逆に強すぎると抽出時間が遅くなり、苦いエスプレッソになってしまう。また、この押
し付け加減は豆の焙煎度合いや挽き方によっても変わるし、平らにした面がフィルター底面に対して傾いていてもいけない。そのため
正確なタンピングによって安定した味を出す為にはある程度の経験と勘が要求される。

二つ目のハードルはカプチーノを作る際に必要なミルクフォーム作り。これには大きく分けて2種類の方法があり、一つはミルクに入った
ミルクピッチャーにスチームノズルを差し込んで泡立てる方法と、二つ目はタンクに入れられたミルクがマシーンのチューブを通過して
ノズルからミルクフォームが出る方式。後者はミルクフォームそのものは簡単に作れるものの、後の掃除が大変。実は僕自身、今から
7〜8年ほど前にもエスプレッソマシーンを買った事があり、それがこのタイプだったのだが、何と信じられないことにミルクフォームをカッ
プに出した直後に、このミルクタンクからノズルまでのシステムを洗浄しなくてはいけなかった。そうしないと、チューブ内のミルクが硬化
してしまい、きれいにできなくなってしまうからだ。つまり折角入れたカプチーノを飲むことが出来るのは、エスプレッソマシーンを掃除し
た後になってしまうのである。
 もう一つの方式であるスチームノズルを差し込む方式の中にも、自分でノズルの挿し加減を調節しないと上手くミルクフォームが生成
されないものと、ノズルアウター付属により、何も考えずにノズルを挿し込むだけで誰でも簡単にミルクフォームが作れるタイプの2種類
に分かれる。

そして三つ目のハードルはミルクフォーム作成とエスプレッソ作成に掛かる時間。1万〜2万円程度のマシンの場合、エスプレッソを抽出
するためのボイラーと、スチームノズルのボイラーは共用であることが多い。この場合、どちらかを先に作った後に機械の操作で切り替
えると、次の操作が可能となるまでに数十秒〜2分くらい掛かってしまう。こうなると、先に作ったものが冷めてしまったり、忙しい時には
余計な時間が掛かってしまう事になる。しかし業務用のマシンなどはそれぞれに独立したボイラーが搭載されているので、素早くカプ
チーノ等を作ることが出来るが、時間をあまり要求されない家庭での使用においてはそれほど重要なポイントでもないかもしれない。

いよいよ最後のハードル(いや、厳密にはもっと多くのハードルがあるんですけどね、、。)となるのが、マシンのメンテナンスである。
この使用後の片付けが面倒くさいと、やがてエスプレッソマシンはクローゼットの肥やしと化してしまう。最も一般的なパウダーをカッ
プに自ら詰め込むタイプの場合は基本的には後片付けが面倒。まずセット前には粉がテーブル上に散ったり、抽出後の清掃も意外と
面倒くさい。この点もあって以前購入したマシンはクローゼットの肥やしと化してしまった。

以上の5つのハードル踏まえて考えた場合、まず自分でコーヒーパウダーをタンピングする方式は避けたいところ。本当にエスプレッソ
を極めたいのであれば、この作業こそが自らの好み味を生み出す重要ポイントであり、醍醐味とも言えるのだが、あくまでも今回のコン
セプトは「手軽に美味しい」ということである。以前僕が買ったマシンの時は成功率が3割程度と散々で、まともに美味しいと感じることが
殆ど無かった。これがクローゼットの肥やしと化した原因の半分占めたと言っても過言ではない。(残りの半分が後片付けの手間)
つまり、誰もが安定した美味しさを出す事の難しさと、後片付けが大変という点からみてもタンピング作業を要するものは除外する。

二つ目のミルクフォーム関係については、タンクにミルクを溜める「自動生成ミルクフォーマー」は今では高級機にしか搭載されていな
いこともあり、必然的にスチームノズル方式しか選択肢はないだろう。4つ目はまあ、どっちでも良いって感じかな?

  さて、そうなると自然とマシンの数が絞られてくる。まず僕の頭の中に浮かんだものが、デロンギの全自動方式の「EAM1000BJA」
である。これは水と豆さえセットしておけば豆挽きから抽出、そして抽出後の豆の排除までを全自動でやってくれる優れもの。よくファ
ミレスや、ネットカフェなどのドリンクバーに設置されている全自動エスプレッソマシンの家庭用版。これは価格的にも5万円程度で購
入できる。しかし、豆を直接入れておく必要があるので、頻繁に使用しないのであれば保存性に問題があるのと、抽出部のメンテは
やはり必要となることからとりあえず一旦保留。

<カフェポッド方式とネスプレッソ方式について>
その他で自らパウダーをセットしないとなると、パウダーが何らかの方法でパックされたものをマシンにセットして抽出する方式がある。
この方式には「ネスプレッソ方式」と「ESEカフェポッド方式」の2種類の方式がある。前者はインスタントコーヒーでも有名な「ネスレ
(旧:ネッスル)」の1社独自による方式で、ガムシロップが入っているような小型のカップにパウダーが詰め込まれており、これを専用
の機械でエスプレッソを抽出する。しかし、この専用機器は基本的にエスプレッソ専用で、カプチーノを作れる機種はわずかしか存
在しない点と、コーヒーカプセルは一切の店頭販売は行なっていない。またネット上で注文をしようとしても最低ロットが50個以上〜
だという。そして僕が最も躊躇しているのはマシンとカプセルがネスレ1社の独占販売という点だ。これらの理由からネスプレッソ方
式は候補から外した。

 となると残るのが「ESEカフェポッド方式」である。これは直径約4センチほどの丸い座布団のような形をした不繊布の中にコーヒー
パウダーが詰め込まれたもの。これはヨーロッパを中心に広く普及しており、日本国内においても地味に(?)普及している。
マシンにおいてもデロンギやデバイスタイルを中心に選択肢は多い。またカフェポッドの入手方法に関しても、ネットによる通販は勿論
のこと、店頭販売においてもコーヒー豆を専門に扱っているショップならば取り扱っているところも多く、種類も豊富である。
 このカフェポッド方式のメリットは、タンピングが不要で抽出までの準備と後片付けが楽であること。つまり、誰でも手軽に安定した
美味しさを確保できるということ。

<ベストなカフェポッド用マシンとは?>
 カフェポッド式のマシンを色々と調べてみた結果、メーカーを問わず共通する一つの問題にぶつかった。それはカフェポッドとパウ
ダー共用のタイプの殆どにおいて、ホルダーを左斜め向きに差し込んで反時計回しにロックさせるタイプのものはポッドの種類やホ
ルダーパッキン部のヘタリなどが原因で水漏れを起こす率が高いということ。しかし、唯一この問題とはほぼ無縁の構造を有してい
るのが今回取り上げたデバイスタイル社のPD-1である。(あ〜、この名前が出るまでが長かった、、、。)
 このPD-1はカフェポッドをテコの原理を利用して挟み込む構造であり、ホルダーの高さを調節することにより、挟み込みの強さも
調節することが出来る。(実はこの調節機構には他にも重要な意味があるのだが、それは後ほど、、、。)
これはPD-1がカフェポッド専用に設計されているからであり、その思い切りの良さが安定した品質に繋がっている。
また、このPD-1の優れている点はこれだけではなく、エスプレッソ抽出部とスチームノズル部それぞれに独立したボイラーを搭載
しており、上記でも書いたように短時間にカプチーノを作ることが可能となっている。作業に慣れればエスプレッソの抽出とミルクフ
ォーム生成を同時に行うことも可能だ。メーカー発表によると、パウダーを使用する一般的な民生機とPD-1とでカプチーノ一杯を作
るのに要する時間が、前者は3分54秒、後者のPD-1で1分41秒となっている。
外観的には独立したアナログメーター(圧力計ではなく温度計だが)がそれらしい雰囲気を醸し出している。

<デロンギのEAM1000BJAとデバイスタイルのPD-1について>
さて、ここで一旦保留となっていたデロンギの「EAM1000BJA」と「PD-1」とのどちらにするか?であるが、そもそもEAM1000BJA
のメリットとは何なのであろうか?好きな時にボタン一つでエスプレッソが飲める?いやいや僕たち夫婦はカプチーノが飲みたいの
である。となると、たとえEAM1000BJAであってもミルクフォームは自分で作らなくてはならないことになる。この点に関する手間は
両者共イーブンだ。ではエスプレッソを作る手間はどうだろう?この点に関しては、あくまでも我が家の状況で考えてみた。
我が家の場合、コーヒーを飲むのはせいぜい朝と夕方の食後、あるいはお風呂から出て夜のくつろぎタイムくらい。1日平均すれば
少なくて3杯、多くても休日に6杯くらいだろうか?PD-1では必要な時に飲む分だけカフェポッドをセットすれば良いのに対し、EAM10
00BJAでは飲む分の豆をセットしておくか、多めに入れておいても保存状態に気を配らなくてはいけなくなる。特に梅雨時なんかは
気を使うよね?しかも残った豆を簡単に取り出せる構造にはなっていないらしいですし。
 
 そもそも、豆から挽きたてのコーヒー全てが美味しいかというと、これが大きな間違いなのです。
一般的な市販のコーヒー豆は、袋を開封した直後から酸化が始まり、特にエスプレッソ用に深煎りされた豆は更に早く酸化してしまいま
す。大手メーカー製の商品の場合、未開封状態では万全な酸化防止が施された状態で密封されていますが、家に持ち帰って開封した
直後から急速に酸化が進んでしまいます。
また、コーヒー豆専門店で自家焙煎された豆などは、焙煎後2週間〜1ヶ月以内に消費するように謳われている店も多いですね。
(実際には焙煎から数日の熟成期間を置いた方が良いのですが、、、。)

さてここからが問題です。
EAM1000BJAは本体上部に豆をストックさせておく構造になっていますが、ここに入れっぱなしにしておけば、わざと豆を劣化させる
ために置いておくようなものです。では普段は密封容器に保存しておいて、必要な時に必要な分だけ豆を足す?これならいくらかは
酸化を防げますが、それでも開封時から酸化が進んでいることに変わりはありません。焙煎された豆の保存がどれほど難しいものな
のかは、ネットで「コーヒー豆 深煎り 保存」でググってみれば解ると思います。つまり、普通の人が焙煎済みのコーヒー豆を購入
してコーヒーを飲む場合、基本的には最初の一杯目が最も美味しく、それ以降は徐々に味が劣化していくことになります。
(※但し、焙煎から10日以内くらいまでの新鮮な豆はこの条件には該当しません。今回はあくまでも一般的に入手しやすい市販豆
の場合を想定しています。)

それに対しカフェポッドの場合はどうでしょう?コーヒー豆メーカーの徹底された品質管理の中で窒素充填されたままの状態保存され、
抽出直前まで開封されることはありません。ということは、普通の人があまり気を使わずに保存されていた豆から挽いて抽出したエス
プレッソよりも、カフェポッドから抽出したエスプレッソの方が新鮮で香り高いということにならないでしょうか?
(ちなみに私はカフェポッドも常温保存はせずに冷蔵庫に入れて保存しています。)

   次に、後片付けの手間に関してはむしろPD-1の方が手軽だといえる。EAM1000BJAはユニットを取り外して水洗いし、パウダーの
出しがらを捨て、更にミルクフォームを作った場合にはスチームノズルも洗わなくてはいけない。それに対しPD-1では抽出部について
は湯通しをするための空抽出を行うだけで良いし、抽出後のカフェポッドはつまんで捨てるだけ。ポッドホルダーはパウダーで汚れる事
も無い。スチームノズルに関しては先にも書いたようにほぼ同条件。店の人も「EAM1000BJAはどちらかというとオフィスとかヘビーユー
ザー向けですね。」との事。また、EAM1000BJAは豆とマシンセッティングの相性もあるらしく、自分好みの条件を見つけるまでに多少の
時間が必要だという情報も多く見られる。

  以上の事から考え、最終的に我が家に関してはPD-1の方が合っているのでは?という結論に達した。早速近所の大型家電店に
行くと、通常価格39,800円がセールで36,800円となっていた。がしかし、このまま素直に購入するほど柔ではない(苦笑)早速店員
を捕まえて交渉開始。すると渋い表情で「このメーカーは強気で値引きの幅が無いんですよね、、、。多分ネット販売でもこんなものだ
と思うんですけど、、、。」と言いながらも35,000円という値段を出してきた。これなら価格コムの最安値よりも安い。しかしそこで更に
展示品の横に陳列されていたエスプレッソポッド12袋入り(1200円)を指差して「これも付けてよ。」と交渉。最終的に本体35,000円
にエスプレッソポッド12袋入りを2箱付けさせて交渉成立(^_^)v



<とりあえずセットしてみる>
家に待ち返り、早速セッティングを開始した。先ずは説明書をじっくりと読む。すると各部品を水洗いし、タンクに水道水をセットして
湯通しをしろと書いてある。まずは本体のエスプレッソ用電源とスチーム用電源を入れる。(電源も独立している。)
すると1〜2分程度で温度計の針が適正温度範囲内に入った。
そして抽出部を湯通しするために抽出ボタンを押すと結構大きな音と振動がある。小さくて軽いカップをトレイ上に置いておくと振動で
カップが動いてしまうほど。しかしお湯が10ccもカップ内に入ればその重みでカップの動きは止まる。ポンプ音の大きさを何かに例え
るならば、最近流行りのエアポンプを使用したマッサージチェアの動作音と言えば理解できるだろうか?あの「ブブブブブ、、、。」とい
うポンプ音に近いものがあり、これが深夜のワンルームマンションなら使用をためらうかもしれない。
 続いてスチームノズルを水の入ったマグカップに入れてスチーム出しをする。するとスチーム部からは何ともいえぬゴム臭がするで
はないか?とりあえず何回か繰り返し、1.5リットルタンク2回分くらいを湯通し抽出とスチーム出しを行ってとりあえずの前準備は終わり
にした。

そしていよいよ本番である。カプチーノを作る場合、先にエスプレッソを作ってしまうよりも先にミルクフォームを生成し、ミルクの泡を
落ち着かせている間にエスプレッソを抽出した方が良いと考え、先にミルクフォームから作ることにした。我が家にはミルクフォーム
を作るためのミルクピッチャーが無いため、とりあえずはステンレスのマグカップで代用することにした。
マグカップに100ccほど冷えた牛乳を入れ、マグカップを傾けてスチームノズルを挿し込むのだが、その前に何も無い状態でスチーム
を空出しして余分な水分を飛ばす。そして牛乳の入ったマグカップにノズルを挿し込む。この時に、ノズルをミルクの深い方ではなく
浅い方に挿し込むのが上手に作るコツらしい。(図1参照)

(図1)

↑図のようにミルクの浅い部分にノズルを挿し込んだ方が良い。

ノズルがミルク内に入った状態でスチームON。すると「チュルチュル・・・・」という音と共にミルクが攪拌されていく。説明書には「ピッチャ
ーが手で持っていられないくらいになったらベスト」と書いてあるが、僕のマグカップでは温度はわからない。なのでミルクのかさの増え
具合で判断するしかないのだが、ここで注意。「チュルチュル」という音がやがて「ゴボゴボ」という音に変わり、ミルクの量が増え始めると
一気にミルクが溢れてしまう。ちなみにスチームスイッチを切っても5秒くらいはスチームが出っ放しになるので、「やばい!」と思った時
点でスイッチをい切っても遅い。マグカップでは温度がわからないので微妙な音の変化と泡の増え具合で判断するしかない。ちなみに
スチームは必ずミルクにノズルが入っている状態でON・OFFすること。間違ってもスチームが出ている状態でミルクから出してはいけな
い。やばいと感じてスチームが出たままノズルを抜こうものなら、辺り一面にミルクが飛び散り危険である。
僕は4回程度の練習でなんとかコツをつかんだが、やはり専用のミルクピッチャーは必要だと強く感じた。
 (後日、缶ジュースの350ml用アルミ缶の上面をくり抜いたもので代用してみたところ、これが実に使いやすかった。最終的には専用のピ
ッチャーを購入したのだが、チュルチュル音がゴボゴボ音に変わるという事は温度が上がり過ぎであった事がよく理解できた(苦笑))

 次にエスプレッソの抽出ですが、説明書にはポッドトレイの高さ調整を、最も低い位置から目盛り一個分、高い方向に回してセットしろ
と書いてある。最初はこの意味がよく理解できなかった。そこでさらに深く調べてみたところ、この高さ調整とはカフェポッドをフィルター
とカップに挟み込む強さを調整するものであり、パウダーを詰め込むタイプのマシンでいうところのタンピングに相当するものだと言うことが
判った。つまり、高さを低くすると挟み込み圧が弱くなり、抽出速度が速くなる。反対に高くすると挟み込み圧が強くなり抽出速度が遅くな
る。実は最初のセット時に、大した違いは無いだろうと適当にセットしたところ、説明書の指定位置よりも一目盛り分高い方向でセットされ
ていた。で、この状態で抽出を開始したところ明らかに抽出速度が遅く、ポタポタとしか出てこない。最終的に抽出量の30ccに達して抽出
スイッチを切ったのだが、抽出成功の証であるクレマ(エスプレッソ上面を覆う細かい泡の事)が全く立っていない。まさかと思い、説明書
どおりの目盛りに合わせて抽出し直したところ、今度はバッチリ!クレマタップリのエスプレッソが出来上がった。
そしてカップに先ほど作ったミルクフォームを注ぎ、砂糖をたっぷり入れて飲んでみるとびっくり!近所のドトールコーヒーで飲んだカプチー
ノそのものの味わい(驚) 続いて2杯目の抽出も全く問題無し。使用後のメンテも以前買ったマシンに比べれば格段に楽。例えばミルク
フォームを作らずに、直接冷たいミルクをエスプレッソに注ぐのであれば、殆どメンテナンスフリーに近いかもしれない。
ちなみに前準備の時に気になっていたスチーム排出時のゴム臭に関しては、この時点で全く気にならなくなっていた。
買う前には散々悩んだが、これは本当に買って良かったと思った。

ちなみにこのPD-1は三方向バルブを搭載しているので、抽出スイッチを切ってすぐにポッド交換作業を行うことができる。そのため2杯目
の抽出作業は更にスピーディーに行うことができる。

 さて、ここで何点か注意点を。まず、一回でも抽出やスチームを出した後は絶対にスチームパイプとカップホルダーの金属部を素手で触れ
てはいけない。実はお馬鹿な僕は何気無しにスチームノズルのZ型のパイプに触れたところ、あっという間に火傷してしまった(苦笑)
また、使用する水にはミネラルウォーターを使いたくなるものだが、説明書ではミネラルウォーターの使用は軟水化フィルターの寿命を縮め
る原因となるので水道水を使用して下さいと書いてある。僕の家は富士山のふもとで水道水そのものが美味しく、更に蛇口取り付け型
の浄水器が付いているので、水道水でも全く不満は無い。

また、しばらく使用していない状態(数時間以上?)から本体に電源を入れた場合、いきなりスチームから使おうとしてもスチームは出てこない。
これはドライボイラー内に水が入っていない事が原因で、スチームを使う前に抽出側のポンプを作動させて湯通しを行い、呼び水を行う必要があ
る。

<最後に>
 最初はカフェポッドを使用するエスプレッソの味に少々の不安を抱いていたが、それは要らぬ心配に終わった。水をタンクにセットし、カフェ
ポッドを挟んでスイッチを押せば誰でも簡単に美味しいエスプレッソを作る事ができる。カプチーノにしても、ミルクフォーム生成を3〜4回
も練習すれば十分美味しいカプチーノを作る事が可能となる。このPD-1に関してはネット上の情報が殆ど無かったのだが、エスプレッソ
マシンの購入を検討している方にとって、このページが何らかの参考になれば幸いである。
また、しばらく使い込んでみた後の感想も後々アップしていこうと思う。
(記:2008年6月2日)


↑1.5リットル容量の水タンク。取説では水道水の使用を推奨している。



↑水タンクは本体背面にセットする。



↑これがカフェポッド。安いものだと1杯分で約50円程度だろうか?



↑ポッドホルダーに乗せて本体のハンドルを手前に下ろすだけで、特別な技術は要らない。
 ポッド下に付いている黒い点々とした印がカップ高さ調節用の目盛りである。



↑スチームと抽出部のそれぞれに独立した操作系。温度の立ち上げ時間も短い。



↑電源を入れると、メーターには照明が入る。



↑ミルクフォーム生成はコツさえ掴めば簡単だが、やはり専用ピッチャーの使用がお勧め。
 PD-1はノズルアウターが装着されているため、誰でも簡単にフォームドミルクが作れる。



↑エスプレッソを抽出中。



↑クレマたっぷりで大成功、と言いたいところだが、実は向かって左側の泡が白っぽくなっている。
 これは抽出時間が長すぎる証拠らしい。



↑実はこれ、記念すべきカプチーノ第一号。初めてでもここまで出来ました(苦笑)



↑使用後は写真のように湯通しすればOK。取説ではポッドカップが冷めてからの水洗いを推奨しているが、外し
 てみても全くキレイなんですよね。ちなみにポッドカップは中性洗剤で洗ってはいけません。コーヒー豆に含まれ
 ている脂分による皮膜が器具の金属臭などを抑えるからです。



↑マシン購入時におまけさせたカフェポッドセット。



知人からスタバのキャラメルマキアートの作り方を教わり、早速試してみたところ
本当に同じような味になりました(笑)


(購入から2週間ほど使ってみて・・・)
購入時のレビューでは触れなかったが、PD-1のスチームノズルにはスチームノズルアウターが付いている。これはノズル全体を包み込むパ
イプ状のもので、側面に開けられた小さな穴から適度に空気を取り込むことにより、誰にでも簡単にふわふわなフォームドミルクを作れるよう
にするもの。これは何も考えずにノズルをミルクに挿し込む事によりボリューム感のあるフォームドミルクが作れるのだが、ある程度慣れてくる
と常にボリューム感のあるものばかりでは不満が出るようになってきた。例えばラテアートをやるためには、あまりふわふわしたものよりもきめ
の細かいスチームミルク寄りの方が適しているし、またカプチーノとして飲む際にも泡のボリュームをある程度抑えたいと感じることもあるからだ。
 しかし、気泡を殆ど含まないスチームドミルクから、ふわふわのフォームドミルクの間の微妙な加減で仕上げるためには、このノズルアウタ
ーがかえって邪魔になってしまう。そのため購入から1週間が過ぎたあたりからノズルアウターは取り外して使っている。こうすると、ノズル先
端からスチームが出るだけなので、ノズル全体をミルクに挿し込んだままスチームを出しても全く泡立たない。そのため、ミルク表面ギリギリ
の位置から「チョン!チョン!」とやってわざと空気をミルク内に取り込ませることによって泡立てる。この時の「チョン!チョン!」の回数によっ
て仕上がり後のボリューム感を調節できるのである。また、アウターを外しておくことにより、ミルクフォーム作成後の手入れが更にラクになる
というメリットもある。


↑ノズルアウターが付いた状態。矢印の部分が空気取り入れ穴である。



↑アウターを外した状態。この状態ではノズル先端からスチームが出るだけである。


 購入から2週間とちょっと、毎日欠かさず飲んでいるが本当に手入れが楽ちんで、朝の忙しい時間であっても全く苦にならない。ということで
これからも引き続きレポートしていこうと思う。
(追記:2008年6月21日)


(6月30日現在、密かにラテアートを練習中。)


<2009年1月15日追加情報>
PD-1購入から半年が過ぎた現在、実はスチーム機能以外はそれ程このPD-1を使用していない。
理由は、PD-1を購入する前に考えていた以上にエスプレッソにハマってしまったからだ(苦笑)
実はPD-1購入当初、思い立った時にカプチーノを気軽に作れる機種が欲しいと考えていた。ところが想定外にハマってしまい、エスプレッソメ
ニューを飲む量が想像以上に多くなってしまった。こうなるとネックなのはカフェポッドの価格である。私が購入しているポッドは1個50円のもの。
しかし豆ならばもっと安く済ませる事ができる。ということで最近ではBAR14Nと豆でエスプレッソを淹れ、PD-1のスチームを使用してカプチーノ
やホットラテを作っている。
また、1日の消費量が4〜5杯を越えるようであれば、豆を使用できるデロンギのEAM1000BJAの方がランニングコストは安くなると思われる。
(後日、結局EAM1000BJAも購入してしまうことに、、、、。)


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