ケンウッド カスタムフィットスピーカー KFC-RS170

KENWOOD KFC-RS170





(注:下記のレビューはあくまでも私が個人的に感じたものであり、その感じ方には個人差があることをご理解願います。
   また、本ページに書かれている作業を真似して行う場合はあくまでも自己責任でお願い致します。
   万が一、これらの作業によって何らかの事故や損害が引き起こされたとしても当方は一切関知致しません。)

<Photo :とんかつサンド>                  (2012年9月9日内容更新)



【ホンダ ライフ・パステルの純正スピーカーを交換してみた】
僕が現在、通勤のメインに使用している車はホンダのライフ・パステル(型式DBA-JC1:2010年8月納車)という軽自動車で、これには
標準装備として純正CDデッキ(フロント2スピーカーのみ)がセットされている。

まあ、女性をターゲットとした軽自動車に標準装備されているオーディオシステムの音質など、「車内に音が流れていれば良いレベル」
である事は推して知るべし。
特にジャズ系の曲を流そうものなら、ピアノやウッドベースの中低域がまともに出力されず、自宅のヘッドホンリスニング環境による音質
のギャップに歯痒い思いをしてきた。

ということで、とりあえず音の出口であるスピーカーを純正品からサードパーティー製に交換することにした。
交換用スピーカーとしてチョイスしたのは、ネットでも評判の良いケンウッドのカスタムフィットスピーカー KFC-RS170というもので、コア
キシャル(同軸)2ウェイ方式の17cmスピーカーだ。
これは僕のホンダのライフ・パステルの他、多くのメーカー・車種に対して追加部品を用意する必要無く取り付けが出来るというもの。

まずは箱を開け、取付説明書に書かれている内容と付属品を確認してみたのだが、とにかく説明書が解り難い(苦笑)
このマニュアル作成を担当した方は何を思ってこれほど難解なマニュアルに仕立て上げたのだろうか?
特にマニュアルの冒頭にある「付属品」の項では、取り付けに使用する5種類ネジが記載されているのだが、普通は呼び径の太さやネジ
長さの大きなものから順番にリストアップするものだが、まるっきりバラバラで、これが自分のクルマに適合するネジを探す際に混乱を招
く事になっているのだ(苦笑)

それと、3種類ある変換コードも「ホンダ車用」と「トヨタ・三菱車用」の違いが図からは全く判らず、せめても「ホンダ車用(灰色)」とか「トヨ
タ・三菱車用(黒色)」というように色を明記して欲しかった。(実際にこの2色に分かれている)

その他にも突っ込みどころ満載なのだが、まあ愚痴はこれくらいにしておいて、実際に本製品の取り付けについて説明してみたい。



↑外箱
 


↑全ての付属品の様子。
 ネジ類と変換カプラは、どれがどれなのか判りにくい。


【KFC-RS170の取付準備について】
まず、本製品を自分で取り付けるために購入された方(あるいは購入を考えている方)の中で、購入後の直近の休日などにいきなりクル
マを前にして取り付け作業を始めようと考えている方はいないだろうか? 

本製品の場合、取り付け前の下準備に1時間ちょっと程度の作業を要し、この作業は部屋の中でも十分作業可能なため(というか、屋内
でじっくりと作業した方が良い)実際の車両への取り付け作業前に済ませておくのがお勧め。

と言う事で、KFC-RS170の取り付けについて具体的な手順を説明していく。


まず、取り付けブラケットをホンダ車用に合わせて不要な部分を切断する。(左:加工前  右:ホンダ車用に切断後)
このブラケットにA1〜A4、B1〜B4までのフレームが繋がっているのだが、ホンダ車の場合はこの全てを切断する。
切断の際には普通のハサミでは刃が立たず、僕はキッチンばさみを使用したところ、いとも簡単に(むしろ切るというよりも切断ラインに
沿って割れて折れるように)切り離すことができた。
時間にしてブラケット1枚につき1〜2分程度だろうか?



次に先ほどの取り付けブラケットの裏面にパッキン(薄)を貼り付ける。
ブラケットはサークル状になっているのに対してパッキンは直線なので、疑問に思うかもしれない。
しかし、実際には円弧に沿って貼り付ける事ができるので、特に問題は無い。
ここでも説明書にある「パッキン貼付イメージ断面図」が理解しにくいのだが、要するにブラケットの外周に沿うように貼り付けていくのだが
この点については仮に内側に沿って貼り付けてしまったとしても特に問題は無いであろうと思う。



続いて、今度はスピーカー本体の裏側にもパッキン(薄)を巻きつけていく。
ちなみにスピーカーユニット本体と共にビニール袋に収められていたゴムスペーサーとプラ製ブラケットについては、ホンダ車では使用しな
い。



そして今度はスピーカー前面側のスピーカー外周のダンバーに沿うようにパッキン(厚)を貼り付けていく。



次に、変換コード(ホンダ車用 :灰色カプラー)をスピーカーの入力端子に接続させる。
この際、プラス側とマイナス側は端子幅の細い側と広い側に別れているので、挿し間違える心配は無い。


以上で屋内で作業できる下準備は完了。
この後、スピーカーをブラケットに固定するネジ(φ4×12mm:黒色)8本と、ブラケットをドアに固定するネジ(φ5×20mm:銀色)6本と、グロ
メット(大&小)を用意して、車両取付の準備に備えておこう。


↑スピーカー固定ネジ(φ4×12mm:黒色)


↑ブラケット固定ネジ(φ5×20mm:銀色)





【いよいよ車体への取り付け開始】
さて、いよいよ車体への取り付け作業となるが、まずはドアトリム(内張り)を外す必要がある。
窓が閉まったままではドアトリムが外しにくい為、まずは窓を開けておこう。


ホンダ ライフ・パステル(型式DBA-JC1)の場合、「?」ドアレバー部と「?」グリップ部にそれぞれ1本づつ計2本のプラスネジがあるので、こ
れら2本のネジを外す。
グリップ部側のネジはカバーに隠れているので、マイナスドライバーに布を巻いて傷をつけないように慎重にカバーを開けてからネジを外す。

2本のネジを外した後、ドアポケット「?」に手を掛ける様に両手で掴み、思いっきり「エイっ!」と勢い良く手前に引っ張ると、内張り下側のクリ
ップが外れる。
そして下から順番に上に向かって残りのクリップを剥がし外していく。(クリップは全部で7箇所)

全てのクリップを外し終えた後、ドアトリムの上側の窓枠の部分がドア枠に引っ掛かるように乗っているため、そのままでは外れない。
そのため、ドアトリムを上側に向かってスライドさせるように持ち上げる「?」と、ドアトリムが外れる。

しかし、この時点ではパワーウインドウのハーネスが繋がっており、完全に引き剥がす事ができないため、カプラーのロックをツメで押しながら
引き抜いて、ドアトリムを完全に取り外す。


↑ハーネスを外し、ドアトリムを取り外す。



↑ドアトリムを取り外した状態。



純正スピーカーは1本のプラスネジ(?)で固定されているだけなので、このネジを外し、スピーカーを上側に向かってスライド(?)させて取り
外す。(こちらもハーネスカプラーを外す。)



純正スピーカーを外した後、ボディ側には3箇所の取り付け穴が見えるが、向かって12時の位置には純正の白いグロメットが付いているので
両サイドのロック爪を押しながら取り外す。
この際、勢い余ってドアの内側にグロメット落とさないように注意すること。
そしてKFC-RS170に付属していたグロメットを3箇所の穴に挿し込み、取付ブラケットを事前に用意しておいた専用ネジ(φ5×20mm:銀色)
3本によってドアスピーカー開口部に固定する。
尚、ネジを締め込む際、相手のグロメットは軟質プラスチックのため、あまり力を込めて締め過ぎるとネジを舐めてしまうので、ガタつかない程
度に固定すれば良い。(スピーカーをブラケットに固定する際も同じ。)



↑KFC-RS170に付属のグロメットを3箇所の穴に挿し込み・・・



↑取付ブラケットをブラケット固定ネジ(φ5×20mm:銀色)3本によって固定する。
 尚、右側のドアの場合、スピーカーユニットの固定は画像中の赤い矢印の穴を使用した。
  


次にスピーカーを用意し、先にハーネスカプラーを接続した後にスピーカー固定ネジ(φ4×12mm:黒色)4本によってスピーカーを取付ブラッ
ケットに固定する。

ちなみにスピーカーユニットを取付ブラケットに固定させる際、取付ブラケットに対して左右のどちらかに傾くかたちでしか固定することができ
ない。
まあ、どちらに傾こうが実際にはドアトリムを取り付けることでスピーカーは見えなくなってしまうのだが、スピーカーロゴが手前に向かって倒
れるか、あるいは向こう側に向かって倒れるのかの方向を左右で合わせておいた方が精神衛生上において良いだろうとは思う。
(ちなみに僕は手前側に倒れる方向にて固定した。:ブラケット取付け画像の赤印)


以上で、スピーカー自体の取り付けは完了となるが、ドアトリムを組み付ける前に、この状態で音出しテストを行ってみて、変なビビリ等が
発生していないか、あるいは正常に音が出ているかを確認する。
そして、本製品のウリでもある「リボルビング・ツィーター」の方向を実際のリスニング環境で調整しておこう。

最後にドアトリムを取り外した手順の逆の手順によって組み付けて全ての作業が完成する。


【純正スピーカーとの比較画像について】
参考までに、純正スピーカーとKFC-RS170の外観を比較してみよう。

まず、驚かされたのは純正スピーカーの軽さ(驚!)
まるでキャンプに使用するプラスチック製の皿を持っているかのような軽さだ。

更に驚かされたのが、ユニット後部に設置されている磁石の小ささ。
正しく「とりあえず音を出力させるのに最低限の磁石を用意しました、、、。」というレベルのものだ(苦笑)


↑前面の比較画像。  正面から見る限りはそれ程大きな差は感じられないが、、、。



↑純正品は背面の磁石が小さすぎ、、、(汗)


【交換後の音質は?】
スピーカーを交換し終えて様々な曲を聴いてみたが、純正スピーカーに比べ明らかに中低域の量感が増しており、また、入力容量にも余裕
があることからピーク時のディストーションも大幅に軽減されている。
勿論、再生側のヘッドユニット及びアンプ側は純正品そのままのため、満足のいく音質とは程遠いものである事には違いは無いが、それで
もスピーカー交換による音質改善効果は大きく、少しでも満足できる領域に近づいたことは間違いない。


【最後に】
全ての作業を終えてみて、とにかく感じたのは取付説明書の不親切さ。
下準備から取り付けまでの一連の作業において、特に難しいところは無いのだが、説明書が無駄な混乱を招いているようで残念だ。
今回、下準備作業の際に説明書と睨めっこをしながら作業を行ったため、1時間程度の時間を要してしまったが、もう一度、同じ下準備を作業
してくれと頼まれたとしたら、恐らく15分以内に全ての作業を終えられる自信がある(苦笑)

とはいえ、実売価格において6,000円台でこれだけの音質改善効果が得られるのであれば、製品としては十分満足できるものであると思う。
もっと早く交換しておくべきであったと、今はちょっとだけ後悔している(苦笑)
(記:2012年8月17日)


【↓2012年9月9日追加情報】(CDデッキ交換とリアスピーカーを追加した。)
結局、純正デッキの糞音質に我慢できず、純正デッキからパイオニア カロッツェリア FH-770DVDに交換をした。
すると、これでようやくKFC-RS170が本領を発揮したようで、上記レビュー時よりも大幅に音質が向上した。
また、リアドア用として、このKFC-RS170のライバル的製品となるパイオニア カロッツェリア TS-F1720をセットした。
それぞれの詳細なレビューは↓

パイオニア カロッツェリア FH-770DVD(デッキ)

パイオニア カロッツェリア TS-F1720(スピーカー)


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